はじめに
こんにちは、Necoプロジェクトのsatと申します。
サイボウズは先日Japan Rook Meetup #2というイベント(以下、本イベントと記載)を複数企業合同で、かつ、オンラインで開催いたしました。オンラインイベントの開催が盛り上がっている昨今、本イベントの開催によって得た知見を読者のみなさまに共有しようというのが本記事の目的です。
使用したツールと配信形式
本イベントはオフラインイベントでよくある形式の、次のようなものでした。
- 20分のセッション(質疑あり)が3本
- 10分のLT(質疑なし)が1本
このようなイベントを以下のようなサービスを使って開催しました。
- twitter: 普段の運営メンバ(発表者含む)の連絡のため。ダイレクトメッセージ機能を使う。
- connpass: 勉強会支援サービス。開催日時やコンテンツなどの告知に使う。
- zoom: ビデオ会議サービス。チャットも可。司会や発表者が喋って、その様子を録画するために使う。
- youtube live: 動画配信サービス。zoomによって録画した動画を一般参加者が見るために配信するために使う。やりかたはこちら
配信時の様子を簡単にあらわした図を以下に掲載しておきます。
オンラインイベント開催に使用できるツールの組み合わせはいくらでも考えられますが、本記事では我々が実際に使った上記組み合わせを前提として話を続けます。これらを選んだ理由は、過去にこの組み合わせでオンラインイベント開催をした実績を持っている社員がいたことです。
個々のツールの使い方については本記事の対象外とします。
ノウハウ集
本節ではいよいよノウハウを紹介いたします。チェックリストのように使えるほうがみなさまが利用しやすいと考えたため、普通の文書を書き連ねるのではなく、列挙形式で紹介いたします。
- 前節において述べたように関係者が喋るツールと参加者にその内容を配信するツールを分ける。参加者全員が互いにzoomの使い方を熟知して、かつ、見知った仲であれば全員zoomでもいいかもしれない。しかし、そうでない場合は予期せぬトラブル*1を避けたいため、発言できる人の数を絞っておきたい。
- 質疑にはtwitterを使う。参加者には特定ハッシュタグ(本イベントの場合は#japanrook)で質問をつぶやいてもらって、運営がそれを拾って発表者が回答する。このとき次のことに注意する。
- 質問チャネルが複数あるのが避けたいので1つだけに絞る。本イベントの場合はtwitterに統一した
- twitterの画面を直接配信するのは避ける。理由は、かつて同じようなことをしたときに悪意をもって不適切な書き込みをした例を見たことがあるため。そうなった場合は後日録画したものを配信するのが面倒、あるいは不可能になる。
- とりあげる質問はなるべく意味が複数にとれない答えやすいものにする。理由は参加者と「質問の意図は合っていましたか」のようなやりとりをするのが困難なため。なぜかというと、zoomで喋った内容がyoutube liveで配信されるまでには長いラグがあるため。たとえば本イベントの場合は30秒程度遅延が発生した。
- 開始時刻にいきなりはじめるのではなく、数十分程度前からくらい「XX時から始まります」ということがわかる一枚スライドを出しておく。休憩時にも休憩中であることがわかるスライドを出す
- 関係者が喋る際に顔を出すかは個々人に任せる。youtube liveに後々まで記録が残ることは周知する
- 喋っていない人はミュートする、かつ、顔を出さないようにする。聴衆の気が散るのを避けるのが目的
- 関係者間の業務連絡にはzoom chatを利用する。twitter上の質問をひろって記録しておくのにも便利
- イベントは基本的には次の流れにする
- 司会の画面を共有して喋る。最後にスピーカーに振る
- スピーカーが画面を共有して喋る
- 喋り終わったらスピーカーの画面を共有したまま質疑応答
- スピーカーに画面の制御を戻して1に戻る
- すくなくとも前日までには全員が流れを確認するリハーサルをするとよい。リハーサルは一度に全員でやる必要は無い。たとえば本イベントの場合は3回に分けた。リハーサルをする理由は次の通り。
- 関係者が当日zoomの操作に手間取ることによる時間の浪費、最悪の場合は発表の断念を避けるため。たとえばzoomはOSによってはセキュリティ機能により画面共有に設定が必要なことがある。
- オンラインイベントと異なり聴衆の反応が一切わからないという状態を体感して、慣れるため*2。
- 当日も運営やスピーカーは開催時刻の少し前に集まって接続確認などをするほうがよい。ちょうどオフラインイベントでスクリーンの表示確認をするようなもの
これらが唯一絶対の正解というつもりはありませんが、それなりにうまく回ったイベントのノウハウのひとつと考えていただければいいかと思います。
実際の配信結果
配信の模様は録画した上で公開していますので、ぜひごらんください。完璧に、とはいきませんでしたが、それなりに形にはなったかと思っています。
おわりに
本記事が「こんな状況でもなんとかイベントをしたい」という思いを持ったかたがたに役立つことを願っています。それに加えて、人と人との直接のやりとりが難しい中で、なるべく技術者同士で知見を共有する機会が増えることを願っています。
最後になりますが、本イベントの開催に多大なるご協力をいただいた運営メンバー、および発表者のかたがたに感謝の言葉を述べて、本記事を終わりにしたいと思います。