初めてWWDCに現地参加してきました!

こんにちは、iOS エンジニアの Kyome(@Kyomesuke)です。

WWDC(Worldwide Developers Conference)とは Apple が年に1度開発者向けに開催しているカンファレンスです。OS や SDK などの最新技術が発表され学ぶことができ、世界中の Apple プラットフォーム向けソフトウェアエンジニアと交流できるイベントとなっています。

この WWDC に現地参加する最大の魅力は In-person Labs と呼ばれるセッションで、Apple の社員であり各分野のエキスパートであるエンジニアやデザイナーと直接質疑することができます。

今回はそんな WWDC に初めて参加することができたため、体験したことを紹介したいと思います。

Day 0 Welcome reception at Apple Infinite Loop Campus

まず、Day 1 の前に受付とパーティーに参加できるイベント Welcome reception がありました。 開催場所は Apple Infinite Loop Campus で、普段は入ることができないオフィスらしいです。

受付では名札と共にトートバッグやバッジ、水筒などのグッズをもらうことができました。

受付を済ませると中庭に入場できるのですが、ピンク色のTシャツを着た Apple のスタッフたちが「Whoo!」と歓声を上げながらハイタッチしまくり盛り上げてくれました。

中庭ではパーティが開かれており、WWDC24 のモニュメントで記念撮影をしたり、軽食やお酒を肴にエンジニア同士で交流をしたりできました。また、会場にはDJがいて、有名な曲でバイブスを上げていました。

Welcome Receptionの会場受付

Welcome receptionの会場中庭
Welcome receptionの会場中庭

WWDC24のモニュメントで記念撮影

Day 1 Special Event at Apple Park

続いて Day 1 では基調講演と Platforms State of the Union、In-person Labs のセッションがありました。 開催場所は巨大な輪っか状の施設 Apple Park です。こちらも普段入ることができない Apple の心臓部ですね。

Apple Parkに入場

基調講演

基調講演は各 Apple プラットフォームの新世代 OS や新サービス、新世代デバイスの発表等が行われるセッションです。

COVID-19 の影響もあり、2020 年の WWDC から事前に収録編集された動画(まるで映画の様)を視聴する形式となっていますが、現地会場では動画をスクリーンで流す前に CEO のティム・クック氏やソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長のクレイグ・フェデリギ氏などが壇上で軽い挨拶をするのが恒例となっています。

今年は iOS 18 や macOS Sequoia、VisionOS 2 に加え、Apple Intelligence が発表されましたね。 新世代の情報を世界中から集まったエンジニア達と共感しながら聞ける貴重な体験となりました。

基調講演の特設会場

ティム・クック氏とクレイグ・フェデリギ氏の登壇

macOS Sequoia発表

Platforms State of the Union

Platforms State of the Union は各 Apple プラットフォームの新機能や改善点、新世代 SDK の API やビルドツールなどが開発者目線で説明される動画を視聴するセッションです。

基調講演はどちらかというとユーザーやマスメディア目線での概要説明なため、開発者としてはどちらかというとこのセッションの方がメインです。 特に Apple プラットフォーム向けアプリ開発に欠かせないビルドツールである Xcode の新機能紹介などは、会場に大きなリアクションが起こりました。

In-person Labs

In-person Labs は Apple の各分野のエキスパートであるエンジニアと対面で質疑をすることができるセッションです。

私は macOS 向けの個人アプリの開発をしていて、特にメニューバー常駐型のユーティリティアプリを積極的にリリースしているので、macOS のメニューバーについて普段から疑問に思っていたことを AppKit 専門のエンジニアに質問しました。

また、先日 OSS として公開したcybozu/WebUIに関連してWKWebViewについて Safari や WebKit 専門のエンジニアに質問しました。

前日に質問事項の台本を用意して、拙い英語ながらも Apple のエンジニアと直接質疑ができて大変良い経験になりました。いくつか想定外の収穫もありましたし、Apple のエンジニアも同じ人間なんだなぁというのを肌で感じられました。

In-person Labsの各分野マップ

上階から見たIn-person Labsの様子

軽食の提供

朝昼夕と軽食の提供がありました。調子に乗ってたくさんもらったら食べきれず困りました。ただ、円安なので食費が浮いて非常にありがたかったです。

軽食提供の様子

ダウンロードステーション

発表された最新 SDK を早速試せるように爆速でダウンロードができるステーションが中庭に用意されていました。10GB を超えるようなツールがごく短時間でダウンロードできて感動しました!

ダウンロードステーション

施設内散策

Apple Park の施設内もある程度自由に散策することができました。 3階まで上がってみたり、虹のアーチがある芝生の広場を歩いたり、人工池で涼んだりしました。 (人工池はさざなみのような音がするのですが、スピーカーで鳴らしているそうです。)

Apple Parkの3階や虹のアーチがある芝生の広場

人工池

Day 2 Special Session at Apple Developer Center

Day 2 には現地参加している開発者限定の特別セッションが用意されていました。

朝昼夕の3回、同じ内容のセッションが設けられており好きな時間帯を予約しておくことで参加できました。 会場は Apple Park のそばにある Apple Developer Center でした。

セッションの内容は Apple Intelligence や機械学習の具体的な使い方についての説明でした。Apple Vision Pro を用いたデモンストレーションやデザイナーによるユーザーエクスペリエンス設計の指針提示があり、学びが多かったです。

Apple Developer Centerのフロント

特別セッションのスクリーンHello

おまけ

WWDC のチケット発行

WWDC のチケットはウォレットアプリで発行できるのですが、Apple から届いたメールのリンクを開いてもうまく連携しない不具合がありました。

同じ日本人エンジニアで WWDC に参加する方々のコミュニティの中でも連携がうまくできないという報告が相次いでました。そんな中、Day 0 の直前で試行錯誤した結果発行方法を見つけて皆に共有するというファインプレーができました!(具体的にはデフォルトブラウザを Safari にして、優先する言語を英語にするという対策でした。)

せっかくの特別なイベントですから、正規の方法でチケットが発行できなきゃ心残りになるところでした。よかったよかった。

WWDCのチケット(ウォレット)

シリコンバレーの秋月電子通商こと Anchor Electronics 訪問

サンノゼ空港側のサンタクララにある電子部品屋さんである Anchor Electronics に訪問しました。シリコンバレーに本社を置く IT 企業の創業者たちも通ったかもしれないという老舗です。電子部品屋さんならではの良い香りがしました。

Anchor Electronicsの外見

Anchor Electronicsの店内

おわりに

今回は初めて WWDC に参加して体験してきたことを紹介しました。

実は今回のアメリカ渡航は初めての一人海外渡航だったこともあり抽選に当たった時はかなりテンパりましたが、日本人エンジニアコミュニティの方々と情報共有をしながらなんとか無事参加して帰国できました。(現地で体調を崩したりもしたのですが、酔い止めや胃薬などの薬をいただいたり、現地のお得情報などを教えていただいたり大変助かりました 🙇)

そして何より、Apple の施設を見学したり、専門分野のエンジニアと対面で質疑をしたり、非常に貴重な機会を頂けたと感じています。もしも次参加するとしたらもっと英語力を身につけてより深い交流をしたいなと切実に思いました 💪