こんにちは!プロダクトマネージャーのサイトウ(@ssk_cyvn)です。 Nintendo Laboのコンセプトメイキングについて非常に関心があります!
サイボウズでは、開発チームに、開発をするプログラマー、品質保証を担当するQA、デザイナーだけでなく、「プロダクトマネージャー」という職種があります。
本記事では、サイボウズの「プロダクトマネージャー」について紹介します!
プロダクトマネージャーとは
プロダクトマネージャーとは経営学用語の一つ。企業においてマーケティング活動全般の権限と責任を持つ管理者を担当する職種を言う。ここで言われている権限というのは製品の開発から、その製品の宣伝、販売、流通などの広範囲にわたっている。 プロダクトマネージャーとは職種の名称であり職位を示す言葉でなく、必ずしもマネージャー職が担当すると言う意味ではない。現実にはその製品に詳しい一般社員が担当する場合が多い。 Wikipedia
Wikiによると、製品の開発から、宣伝、販売などいわゆるマーケティングの分野まで、広範囲を担当する管理者と記載されています。
サイボウズでも、プロダクトマネージャーを「PM」と呼んでいるのですが、プロジェクトの管理者である「プロジェクトマネージャー」と混同しがちな職種ですね。 プロダクトマネージャーも、プロダクトマネジメントの役割の一つとして、スケジュールやマイルストーンを管理したり、プロジェクトマネジメント的なことも担当しますが、同じ職種ではありません。 プロダクトマネージャーは、製品そのものに対して責任があり、プロジェクトマネージャーは、プロジェクト、例えば開発プロジェクトの計画や実行に対して責任があります。
サイボウズのプロダクトマネージャー職の成り立ち
サイボウズは3人の創業者によって始められた会社です。
当初は創業者たちがプロダクトマネジメントを牽引していましたが、会社や事業が拡大するに連れ、事業部制になりました。この頃は各製品の事業部長が事業責任やプロダクトマネジメントを負っていました。
2006年頃に事業部制から職能制とプロジェクト制になり、プロダクトマネージャー職を導入しました。その後、開発部門と連携を強めることと、販売部門の活動を統合するために、開発側、ビジネス側双方にプロダクトマネージャー職を置く体制になりました。
▼参考 サイボウズPM(開発PM)について
2つのプロダクトマネージャー職
サイボウズでは、開発業務を担当する「開発PM」と販売、マーケティング業務を担当する「ビジネスプロダクトマネージャー」(以降BPM)と2つのPM職があります。
もともと独立した組織としてプロダクトマネージャー職が生まれましたが、開発部門と連携を強化するために、開発部門内に統合されていました。
その後、顧客の要求を吸い上げる、販売戦略を立案することに特化した職能として、また担当製品のビジネス面での責任者として、「BPM」が設置されました。
こうしたビジネス側のPM職は、サイボウズだけでなく、他の企業でも見られます。
販売パートナーやサードパーティなど、社外にもステークホルダーが多い、B2B、ビジネス向けの製品やサービスに多いかもしれません。
サイボウズの開発PM
一方、「開発PM」は、製品開発の方向性やロードマップなどの製品戦略の立案と、実際の開発にかかる要件定義を担当しています。
技術トレンドや競合サービスを見据えながらも、顧客の要求と向き合い、課題を発見して要件化していきます。
販売やサポート部門と連携して実際のお客様の問い合わせを調査したり、顧客ヒアリングやユーザービリティテストを行って課題を探求します。
製品企画だけでなく、製品をリリース、実現するためのマネジメントも行い、プロジェクトマネジメントや各部門との調整業務も担当します。
ビジネスチームと課題を探求する
次のスライドでは、アメリカ拠点のビジネスチームと協同してペインストーミングやカスタマージャーニーマップという手法を使って課題を探求し、どんな問題に取り掛かるかを定義した体験が書かれています。
こうした手法による顧客や市場の課題の仮説設定もプロダクトマネージャーの重要な役割です。
▼参考 ペインストーミングで言葉の壁を超える
利用者の行動を観察する
課題の探求は仮説設定だけではありません。利用者がどのような行動をするのか、どんなところで製品の操作に躓くのか、実際に使う様子を観察する調査も行います。
デザインチームと協力してユーザービリティテストを実施したり、利用者の行動や発言から、製品の課題を探求します。
▼参考 【ユーザビリティテスト@サンフランシスコ】
利用者の行動を分析する
対面による行動観察やヒアリングだけでなく、実際の利用者の状況を分析する手法もあります。当社の製品はクラウドサービスとして提供しているものが多くなってきました。クラウドサービスの場合、アクセスログにより利用者の行動を具体的に分析できます。障害調査だけでなく、(顧客との利用規約の範囲内において)利用状況の多寡や遷移状況などを分析しています。
また、このためのログ基盤も整備して、製品機能の課題を発見したり、機能改善に活用しています。
開発メンバーと開発をすすめる
こうして発見した課題を機能に落とし込み、確実にリリースする責任があるのがプロダクトマネージャーの責任です。
開発チームのメンバーに、しっかり納得、理解してもらった上で開発を進める必要があります。チームによっては、ベトナム、上海拠点と協力して開発を進めています。
意見交換やノウハウ共有、親睦を深めるために年に数回実際に海外拠点に出張することがあります。
ということで、製品企画、製品開発に特化したプロダクトマネージャーについて紹介させていただきました。
企業向けサービスであること、エンタープライズ分野にも関わることができる職種です。
当社では、プロダクトマネージャーを募集しています。ぜひご応募ください!