Google I/O 2026 現地参加レポート

はじめに

こんにちは!デザインテクノロジストをしている saku です:)

先日行われた Google の開発者向け年次カンファレンス 「Google I/O」に、弊社メンバーで現地参加してきました。

io.google

エントランス付近の Google I/O サイン

今年は、2026/5/19~2026/5/20 の2日間、カリフォルニア州の Mountain View にある Shoreline Amphitheatre で開催されました。

I/O では、Google の提供する最新技術や製品のアップデートを、セッションや Googler とのディスカッションを通じてキャッチアップできます。弊社からは Web, AI, Android, Flutter にフォーカスして参加してきました。

現地参加 Overview

Pre-I/O

日本からサンフランシスコまでは直行便で 9~10時間ほどでした。帰りは向かい風になるので 11時間で、すごく遠いですね。今回は時差ボケ・前日の予定を考慮して、当日の前々日に到着しました。

当日混まないように、前日は Badge pick up があります。I/O swag もこのときから先着順で受け取れます。

Find Your Way to register の看板

登録を済ませて、Swag を受け取ります。今年のスワッグにはかっこいいタンブラーが入っていて嬉しかったです!

Registration テントの中

Registration を済ませて I/O Pass を受け取りました

今年はなんと新型 gBike のライド体験ができたので、これで Google の BayView Office までサイクリングをしました!山々が望めるのですが、The 「Mountain View」という感じがしてとても爽快です。

Google BayView Office

その日のランチは、Google Visitor Center にある Cafe でいただきました。横には Store があって、ここでしか買えない Google グッズが手に入ったりします🧤

Google Visitor Center

夕方からは、一部メンバーで Chrome チームのパーティーに行ってきました。
I/O 中ではしっかりできないようなディスカッションができて、想像もしていなかったとても貴重な時間となりました。こうした偶発的な機会や会話に恵まれるところも、現地参加の意義だとしみじみ感じます。

Chrome チームのパーティーに参加して、会話をしている

I/O Day1

待ちに待った Google I/O 1日目は、AM 10:00~ の Keynote からキックオフです!
道路の混雑が予想されたので、ホテルの朝食をスキップして早めに到着します。Amphitheatre と I/O パネルが見えたときは、流石に「いよいよ!」という感じがして気持ちが高まりました😆

セキュリティチェックを通って中へ。長蛇の列の奥に I/O のサインが見える

Keynote の列に並んでいる間に、用意されていた軽食をいただけます。

そんなこんなで、CEO Sundar Pichai の登場から始まる Keynote で I/O 2026 がキックオフ!配信で見てた世界が目の前に現れて、感動がすごかったです!Search & Antigravity は色んな意味で結構面白いなと思いました。

Google I/O 2026: Sundar Pichai’s opening keynote

CEO Sunder Pichai 登場の瞬間

Google Keynote のあとは、Developer Keynote。ここでは各領域の開発者にフォーカスした主要トピックが扱われます。全体を通して、主に Antigravity と各領域のその他 AI 関連の機能が feature されている印象を受けました。個人的には、 Antigravity が今年はどのくらい浸透し、開発者市場に影響していくのかが気になるところです。

Developer Keynote

I/O ではランチの提供があります。また、会場にはスナックやフルーツ、ドリンクのカートが常にあって、手ぶらで行っても食べ物には困らないと思います!

Snack Bar のカートが常時出回っている

多くの種類のランチボックスが用意されており、好きに選べる

そのあとはテントを回りながら午後のセッションをいくつか聴きます。

こんな感じで Chrome, Cloud, AI, Android のテント, AI Sandbox などがあり、それぞれの demo を体験できたり Googler とキャッチアップができたりします。未公開製品を扱う AI Sandbox は waitlist 制で、順番が来ても中で 1時間くらい待つそうです。

テントではディスカッションができる

AI Sandbox

他にも、Nano Banana を用いたプリクラブースや、AI で生成されたラテアートを披露するブースなど、趣向が凝らされた出展でテーマパークのように飽きることなく過ごせます。

Antigravity で生成された Latte アートを楽しめる

夕方くらいに帰路に着きます。サンフランシスコはとても日差しが強く、そんな中常時屋外にいるので太陽でかなり体力がやられてしまいます。ディナーを取ったのち、2日目に備えてゆっくり休みます。

I/O Day2

I/O 2日目!懲りずに朝からガンガンの日差しです☀️

日差しが強い I/O の会場

1日目のようにキーノートはなく、急いで並ぶ必要がありませんでした。よって、ホテルで朝食をとって会場に向かいます。

2日目は AM 10:00 からのセッションを手分けして聴講しにいきます。I/O のアイコン的存在にもなりつつある「What’s new in Web UI」のセッションでは、弊社の事例を紹介していただきました!

What's new in Web UI のセッション中に弊社の事例が紹介されました

youtu.be


次章からは、参加者それぞれがセッションを聴講したり、ディスカッションを深めたりしてきた中で、特に印象的だったものを紹介します。

参加者からの Pick Ups!

Auchi

Android エンジニアの Auchi です。 Google I/O 2026 では、Keynote のほか、Android にフォーカスしたセッションを中心に聴講してきました。ここでは、聴講内容や現地でのDiscussionを踏まえて自分なりに解釈した Google の Android プラットフォーム戦略についてまとめたいと思います。

ドロイドくん(Android robot)も歓迎してくれました

最も印象に残ったメッセージ

Android の全セッションを通じて、最も印象に残ったメッセージは次の一文でした。

"Do not design for Form Factor, Design for UI Capability."

"Do not design for Form Factor, Design for UI Capability."

このフレーズは複数のセッションで何度も登場し、それを裏打ちする形で次の方針や技術がフィーチャーされていました

  • Compose First の公式アナウンス
  • Navigation3 の Adaptive のための活用
  • Compose の Flexbox / Grid layouts

全セッションを通しで聴いた上で解釈すると、これらは単なる個別機能のアップデート・紹介ではなく、「Android をフォームファクターに依存しないプラットフォームにする」 という大方針を実現するための、一貫した戦略なのだと感じました。

各施策の位置づけ

  • Compose First: Jetpack Compose を今後の Android UI 開発における公式な第一選択とすることが正式に宣言されました。、今後の新しい API・ライブラリ・ツール・ガイダンスを Compose 前提で提供していく一方、従来の View components は maintenance mode に移行すると説明しています。Adaptive Layout 対応の標準はComposeであり、従来の View システムと比較しても大きな優位性があります。
  • Navigation3: その設計思想は、Tablet や Desktop における 2-pane や List-Detail といったパターンの実装を容易にすることに重点が置かれています。
  • Flexbox / Grid layouts: CSS ライクな宣言的 API が Compose に加わったことで、画面サイズに依存しない柔軟なレイアウト表現が可能になります。

フォームファクター非依存で生み出す「AI 時代のデバイス」

そして、この「フォームファクター非依存のプラットフォーム化」は、その先にある AI 時代の新しいデバイスを生み出すための布石 でもある、という戦略へと繋がっていきます。セッション中の次のメッセージはまさにそれを象徴するものでした。

"If you are already building adaptively for Android, you are already building for XR headsets, and your existing app extends to wired XR glasses."

What's new in Android より引用

今回、新たに Audio Glasses が発表されましたが、振り返れば Google は 2010年代前半にも同領域への挑戦を行っています。では、今回と前回の最大の違いは何なのでしょうか?。AI Agent の存在 です。

KeyNoteで Audio Glasses が発表されました

KeyNoteで発表された通り、音声入力を介して AI に Android アプリを操作させたりすることが可能になりつつあり、そのためのプロトコルとして AppFunctions も発表されました。

整理すると、Google の戦略は次のような構造になっています。

  • Glass や XR 用にアプリを個別最適化するのではなく、
  • 既存の充実した Android エコシステムのアプリ資産を、
    • 音声入力経由で AI Agent に操作させる
    • XR デバイス上でそのまま動作させる
  • そのうえで、新しい Glass や Googlebooks といった新デバイスへとシームレスに展開していく

Android を「スマートフォンの OS」から、AI Agent とあらゆるフォームファクターを束ねる 「Intelligence System」 へと再定義しようとしている。

Androidについて、そうした Google の明確な戦略が一貫して感じられる Google I/O でした。

個人的・組織的にもこういった最新機能をうまく取り入れることによってAndroidエコシステムとの協働を行なっていきたいと思いました。

Jake

Flutter エンジニアの Jake です。Google I/O 2026 で一番収穫があったのは、実はキーノートよりもセッションとセッションの間の立ち話だったと思います。とくに Flutter エンジニアとして、ホールで交わしたいくつかの会話から「自分たちが Flutter に賭けている方向は、間違っていない」と確認できたことが、I/O '26 で得られた一番の収穫でした。

その確信のきっかけになったのが、ホールでたまたま立ち話をした Codemate の CEO との会話です。

「独立に同じ結論に辿り着いていた」という話

Codemate は Agent 開発に強いスタンスを持つ会社で、すでに自社プロダクトで A2UI を直接レンダリングする実装まで出荷していました。驚いたのは、彼らがこちらの議論を一切知らないまま、社内でほとんど同じアーキテクチャ的結論に辿り着いていたことです。「Agent プロダクトに必要なのは、Generative なテキストラッパーではなく、A2UI 形のサーフェスだ」という結論に。

「みんな Agent を作ろうとしているし、その Agent が描画する UI が次の戦場になる」。これは I/O '26 で何度も似た形で耳にしました。自分たちの方向が偏屈なのではなく、業界として収束しつつある方向と一致している、という確信が持てた瞬間でした。

GenUI の命名が示しているもの

I/O '26 のもう一つの主役は Generative UI(GenUI)と A2UI です。AI Agent が JSON で UI を記述し、クライアントがそれをランタイムで実 UI として描画する。A/B テストの限界コストが桁違いに下がり、Agent が意図に応じて画面そのものを構成できるようになる、という発想です。

ここで興味深かったのが、命名の非対称性でした。Flutter 側ではこれを「GenUI」と呼び、専用の GenUI SDK まで用意されている。一方 Compose 側では「A2UI レンダリングサポート」という地味な扱いにとどまっています。

これは小さなようでいて、結構大きなシグナルだと感じます。Agent が描画する UI のフラッグシップ開発者体験を、Google は Flutter 側に置いている、ということです。社外向けの公の場では大きく語られていませんが、Flutter GDE との会話でも、A2UI への社内投資は公開されている narrative よりずっと大きいという話を聞きました。これから本格的に取り組むに値する、明確に Flutter 寄りのチャンスだと言えそうです。

Flutter 3.44 が片付けてくれたもの

技術的に見ても、Flutter 3.44 は私たちが Flutter 開発で踏んできた地雷をほぼ片付けてくれた印象です。App Extension のファーストクラスサポート、SwiftPM のデフォルト化、Material/Cupertino がコアから切り離されて独立パッケージとしてリリースされるようになったこと。CocoaPods 起因で CI が落ちて消費していた時間を、ようやく取り戻せそうです。

そして、LG が webOS TV のアプリ群を Flutter で構築してグローバル展開している事実も忘れたくないところです。「Google が支えているからプロジェクトが続くか心配」という議論は、もう過去のもの。エコシステムは産業ユーザーのレベルで広がっています。

まとめ

「コードの共通化」だけを理由に Flutter を選ぶ時代は終わりつつあるのかもしれません。これからは、Agent が描画する UI を最も自然に扱えるランタイムを選ぶ時代になる。そして、その答えは少なくとも今のところ、Flutter にはっきりと傾いている。

ホールでのいくつかの会話から、そのことを改めて確認できたことが、I/O '26 で得られた一番の収穫でした。

saku

今回私は現地参加することの意義として、 Googler や参加者との交流を通して、AI 時代のウェブ、またはデザインテクノロジストとしてのあり方について考えを深めることに、フォーカスを置いていました。

オフラインカンファレンスに参加する場合、現地でしかできないディスカッションを通してかけがえのない気づきを得られるという体験が、やはり実感できる成果として大きいです。私は GDE ということもあり、個人的に Google 社員の方とお話しできる機会は幸い少なくありません。しかし、そこに他の開発者や Google が 1年を通して懸けてきたトピックを交えて会話をすることが、今回楽しみでなりませんでした。

特に印象的だったのが、Chrome テントで Paul Irish と会話していた時のこと。私は Paul と DevTools for Agent を用いて HTML-in-Canvas を使ったサイトを作る遊びをしていました。

DevTools for Agents で HTML-in-Canvas を用いてリッチなコンテンツを生成するデモを体験

そこに、別の参加者が輪入ってきてくれて「こうやって AI が精巧にコンテンツを作っても、消費するのはどうせ AI なんだから、そうしたデザインにあまりモチベがない」といった切り口の提示だった記憶です。

AI の登場以降、日々コンテンツをエージェントを介して消費することが増えました。私も日々半分またはそれ以上のコンテンツを AI Agent を介して受け取っている気がします。そうして出力された結果のみを見るならば、HTML-in-Canvas で実現するようなあのリッチな UI は不要。そう感じるのは、わからなくもありません。

そこで議論したことは、「ウェブの AI Agent への向き合い方って、モバイルに向き合ったときと似るのかもしれない」という内容でした。

ユーザがモバイルというツールを手に入れて新しい User Agent の形になったとき、ウェブ技術はそれに適応しました。特別に隔離したウェブを提供したり、ユーザを排除したりはせずに、これまでのウェブを「適応させる」という方法を選びました。それが俗にいうレスポンシブデザインだったわけです。

ユーザが AI Agent というツールを手に入れて新しい Agent の形になった今、ウェブ技術はそれにどう向き合うのか。ウェブ技術も、それを扱う開発者も、再びモバイルと同じように「新しい形の Agent に適応する」のではないか?という議論になりました。

また、AI Agent は AI の Agent であると同時に、今のところは背後にユーザが存在する User の Agent でもあります。そして、AI Agent も今あるクローラや支援技術が読み取るような方法でコンテンツを消費します。AI Agent に向き合ってデザインやアクセシビリティを対応することは、ユーザへの旨みにもつながるでしょう。

むしろ「どうせ AI に消費される」と思って、背後にいる「ユーザ」の存在が認知されにくくなることの方が懸念でした。そういった状況でコンテンツを生み出すモチベーションが薄れ、ウェブ上の(人間による)コンテンツが減る、、、そうなることこそウェブが望まないものです。

開発者であると同時に、ウェブ上での「クリエイター」でもあり続けたいと思えた、この議論ができただけでもきて良かったと思える瞬間でした。

おわりに

これまで Google が数々のイノベーションを起こす先端の場であり続けた I/O は、今年もそんな未来を世界中のディベロッパーと共に描いていくことを強く感じられるものでした。

配信越しでは伝わりきらない会場の熱気、偶発的な議論から広がる気づき、そして世界中のディベロッパーと共にこれからの技術の未来を共有している感覚は、現地参加だからこそ味わえる体験です。

そんな学びやインスピレーションが数え切れないほど多く詰まった2日間でした。

来年も参加できるよう、頑張っていきたいものです