W3C村井先生 x サイボウズ青野社長 特別対談
サイボウズでデザインテクノロジストをしている @saku です。
2026年5月14日、第1回 W3C日本会員会議が慶應義塾大学で開催されました。
本会議の中で、W3C Japan 30周年特別対談と題し、慶應義塾大学村井先生とサイボウズ青野社長との対談が実施されました。
Web やサイボウズの黎明期の話から、インターネットを通じて人々を「横に繋ぐ意義」、日本のデジタル市場の現状や、AI を用いたコミュニケーションの未来まで、さまざまな議論がなされました。
当日の白熱した議論の内容をレポートします。
Intro
(以下 M: 村井先生, A: 青野社長)
M: 今日ちょっと楽しみにしてたのは、W3C Japan は 30 年なんですよね。サイボウズっていつできたんだっけ?
A: 97 年ですね。
M: だから、ほとんど同じ時期を過ごしてきてるんだよね。
M: まあ皆さんもサイボウズって会社は知っていると思いますけど、一番最初グループウェアみたいな概念がサイボウズから語られて。
M: 今となっては、グループウェアは「どういうふうに人間が集まって力を発揮できるか」っていうプラットフォームだと思うんだけど。
M: そこから今 AI 時代になって、大学がね「これから教育をどうしたらいいんだ」っていう話になるじゃない。
M: SFC は 90 年にできたけど、最初の頃からグループワークっていう概念を授業の中に取り入れて、多様な人間が集まって力を合わせてってことをやってきて
M: でも AI 時代になって、知識を伝搬するっていう話じゃなくて、人間が力を合わせて作るっていうような話になるに至り、これサイボウズがあの時からやられてきたことだと思うんだよね。
M: そのへん、どういう風に思われてますかっていう議論ができればと思って、今日来ていただきました。
A: こちらこそ、ありがとうございます。
サイボウズの歴史
A: じゃあ、まず僕が Web とどういう風に付き合ってきたのか、スライドでまとめてきたので、ちょっとぜひ突っ込みながら聞いて頂ければと思います。

A: タイトルは「Web とともに」っていうことで「フォースとともにあらんことを」といった意味ですね。
A: まず私のプロフィールですけど、創業して 28 年で来月 55 歳です。
A: もともと情報システム工学科出身で、子どもの頃からコンピューター少年で、コンピューター触るのが大好きで、というのが僕のもともとのスタートです。
A: そんな中サイボウズを作って、今 1,400 名くらいの規模になりました。
A: で、これお恥ずかしいんですけど、僕らの業績です。

A: 一部では「サイボウズってずっと順風満帆に成長してきたんじゃない?」って言われることもあるんですが、もうとんでもない話でして。
A: 2011 年の「クラウド」がなければ、本当に成長が止まってた可能性があります。
A: 停滞期にクラウドというテクノロジーがきて、毎月サブスクリプション課金ができるようになったと。
A: このビジネスモデルの転換で、ようやく成長できるようになったというのが僕たちです。
A: これがサイボウズ Office という、僕らが作ったグループウェアの初期バージョンですね。

M: いやー、覚えてる覚えてる。
A: おお、ありがとうございます!
A: もうブラウザがすごいでしょ?若い人、知らないでしょ? Netscape 。当時はこれが、シェア 96%とかだったんですよね。
A: で、これを見たときに僕は感動をしまして。
A: 当時僕はパナソニック(旧松下電工)だったんですけど、ぜんぜんコンピュータがわからない人、マウスを持つ手が震えるような人を相手にしてたんですが
A: どうやったら、この人たちにコンピュータを便利に使ってもらえるようになるかを、ずっと考えてました。
A: で、何とかみんな E メールが使えるようになりました、ワープロも使えるようになりました。
A: 次は? って思ったときに Web が出てきて、これスゴイじゃんと。
A: このインターフェースなら、人でも絶対いけるわと。
A: で、近くにいた課長を捕まえてですね、ブラウザを渡して、ちょっと好きなように使ってくださいって言ったら、釣り情報を検索して、今度の週末はあそこで釣れるみたいなのを、調べはじめたんですけど。
A: スゴイなと。
A: このインターフェースで何か仕事で使えるものを、と思ったときに、まさに近くにあるホワイトボードですよね。
A: みんなが行き先やスケジュールを書いたり、紙を貼ったりしてたやつ、あれを Web に置き換えれば生産性がぐっと上がる。
A: 遠くから電話かけなくても、お互い情報共有できる。そういう世界を作りたくて、勢い余って会社をやめて作ったというのが、このサイボウズになります。
A: そこから時は流れまして、今や kintone というのが僕らの主力商品になっています。
A: クリックするだけの Web から、今やヌルヌル動かせるようになったので、これを使って、誰でもシステムが作れるようになるんじゃないかと。

A: 全くプログラム分からない人でも、データベースなどが作れて便利になる時代をイメージして作ったのが、この kintone になります。
クラウドと API
A: さらに、僕がクラウドのすごいと思っているところは "API" ですね。
A: システムがデータセンター側に行っただけではなく、そこに REST のような API が当たり前に備わるようになったので、データがシステムを超えて当たり前に繋がるようになった。
A: ハイパーテキストの時代は、テキストが繋がったわけですが、認証も含めて Web がシステムとして繋がっていくような世界が広がってきて、これでまたジャンプアップしたなと感じています。
A: なので kintone は単体で使うというより、いろんなシステムと連携/拡張して使って頂いてます。
A: そして去年、ついに W3C に加入させて頂きました。

A: 僕らは業務で使う Web を専門に実践してきましたので、その辺りで我々ができることに貢献できればと思っております。
A: Web の進化とともに、みんなが楽しく働ける社会を作っていきたいと思っております。
A: 以上です。
M: はい、ありがとうございました。
拍手
Web にスケジューラが無かった?
M: 最初のところ懐かしいよね。
M: あの頃僕も実はね、 WIDE のメンバーに賞金つけたことあるんですよ。
A: そうなんですか?
M: 当時カレンダーソフトみたいなのはあったんだけど、スケジュールが調整できなくて、みんなで働けるようになってなかったんだよね。
M: パソコンのスケジューラは、システム手帳の延長だから、カレンダーも一人で管理するもので。
M: ところが私はその頃から、スケジュールを秘書に任せるようになった。それを WIDE の人と共有できないから、一緒に働くことができるカレンダーを誰か作ってよって呼びかけて。
M: 80 年代の終わりに、自腹切って賞金つけるから、みんな書いてくれってやったけど、ちょっとうまく行かなかったですね。
A: ああ、そうでしたか。
M: それでサイボウズが出てきて、よしこれだ!サイボウズ!グループウェアやってるな!と。
M: 青野さんたちはもう、インターネットのストーリーにビジネスを見てた。
M: これでやっと仕事ができると思ったけど、そもそもアカデミアって、そういう仕事のスタイルじゃないんだよね。
M: 僕らはインターネットを作ってきて、最初はずっと大学を繋いできたわけ。
M: ところが、さっきおっしゃったように人が使うようになってくると、人間の生活や仕事にインターネットの環境が貢献できるようになってくる。
M: 日本で最初の Web は、確か天体の写真のサイトだったんだけどさ。
M: そうやって Web を使い始める人が現れて、面白いなと思って。繋いで動かしてっていうのが、インターネット黎明期だったけど。

M: 人間のために、仕事のために、そういう発想でインターネットを使ってくれる人が出てきたのが、めちゃくちゃ嬉しかったんだよね。
A: あー、そういう視点で捉えてくださったんですか。
M: めちゃくちゃありがたかったですね。
M: 人に使ってほしい、そのためにインターネット作ってるんだけど、本当にそれを使って、しかもビジネスに役立ててくれるっていうのは、めちゃくちゃありがたくて。
Web のマネタイズ
M: ところが Yahoo! を作った Jerry Yang は、どうやったらインターネットでビジネスができるか、いつも悩んでたんだよね。
M: Yahoo! ですらそこで悩んでた。
M: ちょうどその頃、Sun Microsystems がリレハンメルオリンピックの Web ページ作ったんですよ。そうすると世界中からアクセスが来たのね。
M: そこで、これは何かビジネスチャンスなんじゃないかと気がついて、それで Yahoo! は、広告モデルのビジネスを始めるんですよ。
M: 何か Web がアクセスするとか、あるいは元を辿れば FTP で接続するとか、それをどうビジネスに繋げるかみんな悩んでたんだよね。
M: FTP で取ってくるのに課金してるわけでも、会員制でもないしさ。Web ページ立ち上げても課金する方法がないし、じゃあどうしようって言ってたときに、広告でいけるかもしれないと彼は思ったんだよね。
M: 実はラジオ放送ができた時も、最初は「みんなに聞こえちゃうオルゴールみたいなものには、絶対に投資効果はない」と言われて、1800 何年に、一度リジェクトされてるんだよね。そこに、広告を付けてビジネスとして蘇った。
M: インターネットがビジネスのために役に立って、ビジネスを効率化させるみたいなことを、少なくとも日本で最初に始めた青野さんはすごいなと思ったよ。
A: いえいえ、見ていただいたとおり、全然もうずーっとマネタイズで苦戦して伸び悩んでましたから。
M: まあでも最近はすごい伸びてるから、見せていただいてよかったです。
A: そういう意味では Netscape ちょっと映しましたけど、あそこもブラウザを最初は売ろうとしてたけど、ブラウザを売るっていうビジネスモデルは、結局のところ成立するのは難しかったんですよね。
A: 確か 6000~7000 円くらいで売ってたんですけど、シェアを取りに無料のやつが出てきた瞬間に、ビジネスとして成立しないので。
A: ほんと Web とマネタイズっていうのは、いろんなところがチャレンジしながら、上手くいかないのを乗り越えながら今に至るっていうね。
A: この辺も、知っといて頂きたいなと思いますね。
ビジネスと標準化
M: 一方ね、ビジネスっていうのは「競争領域」で、W3C みたいな標準化っていうのはいわば「協調領域」を作っていくっていうもので
M: インターネットも標準化と、知財やビジネスとの競争との継ぎ目があって
M: ビジネスだと普通は、標準化とか協調とか、みんなでオープンにするとか、そういう発想ってあんまり取り組めなくて。
M: だからこういう標準化の組織にみんな来て共有しようよって言っても、なかなか出しそびれる。あるいは会社のアドミニストレーションを説得するのが難しいとかね。
M: そういう悩みってあるんですけど、それについてはどう思いますか?
A: いやー、それはもう常にせめぎ合いじゃないですかね。企業としては技術は独占したい。良いものを思いつけば囲いたい。それによって利益を確保したいがありますけど。
A: それを行き過ぎると今度そこは排除されて、オープンなものに流れていくのも、僕は何かせめぎ合いをずっとやってるイメージがありますけどね。
A: 僕はよく OS で表現するんですけど、Windows はインターネットが出てきた頃に圧勝したんですよね。
A: Windows95 がインターネットブラウザをつけた瞬間に、世の中のパソコンの 95% が Windows になっちゃって。これ OS の市場終わったと思ったんだけど。
A: 今そんなことないじゃないですか。
A: 今サーバーは Linux がほとんどだし、スマートフォンだって今や Windows のスマートフォンなんてほぼ無いわけだし。
A: なので、せめぎ合い。独占とオープンとが常にしのぎを削っているくらいの状況に、均衡を作るのが大事かなと。
A: どっちかが勝ち過ぎちゃうと、よろしくないんじゃないかなと思ったりします。
M: その話は歴史的には何度も繰り返していて、僕も IETF で同じような経験をしていて。
M: プラットフォームとしてこれ作ろうよって言ったら「いや、これ僕の知財だから共有したくない」って言われて。
M: しょうがないから「じゃあ、みんなで作ろう」って言って。だんだんそれができて、出来が良さそうだなとなると「出そうかな?」って言い出した事件っていうのがあるんですよ。
M: 会社名は言えませんけど、あるネットワークルータを作っていた会社に Shortest Path First のアルゴリズムがあって。でも「出さない」って言ってたんですよ。
M: かわりに「これでみんなでやろう」って言って作ったら、それなりのモノが出来て。頭に "Open" の "O" を付けようってことを決めたんです。
M: それで "OSPF(Open Shortest Path First)" っていうのができたんだけど、そしたらその会社が「出す」って言い出して。
A: はい。
M: やってた人らは、目に涙を浮かべて怒ってたことを覚えてるんですけど。「じゃあ最初から出せよな」みたいな。
M: そういうせめぎ合いっていうのは、その後もずっとあるわけですよね。
オープン vs ビジネス
M: ここで、俺たちのプロダクトはすごく価値があって、これで儲けるんだぞって言ってたものを、オープンに標準化できるタイミングってどこにあるんですかね?
A: いやー、そうですね。
A: 今のお話聞いていて、オープン勢がんばれっていう心の声が聞こえますね。
A: 本当にビジネスの人って、独占欲の強い人が僕も含め多くて、どんどんどんどん囲っていくんで、オープン勢の人たちにしっかり活躍していただいて、対抗軸を常に作り続ける。
A: それが育ってる間は、いい均衡状態があって、先ほどみたいに独占してた企業もオープン化に乗ってきてくれる。
A: その、均衡点をどう作るかですねぇ。
M: W3C が経験したのでいうと、例えば HTML の中に、ビデオのエンコード/デコードを標準化に組み込もうっていう話があって。
M: その分野は、W3C やメーカーよりは、MPEG っていう知財を管理している組織が中心にあって。
M: 当時日本人も多かったので、僕も日本の社長たちに頼んで「標準化に出してください」というお願いをして。
M: それで、HTML5 の時にビデオエンコーディング/デコーディングを標準化していこうということになったら
M: その知財を一番持っている、例えば当時の YouTube や Netflix は、ものすごい協力的なの。
M: W3C の場で、自分たちの今まで培ってきたもの、作ってきたものを、共有して未来を作っていこうということに賛同してくれた。
M: MPEG も出してくれみたいな。
M: そしてプラットフォーム使えるようになったので、それによって新業態ができた。インターネット上でビデオを再生できるから、つまりこれ放送業界に対するチャレンジみたいな話だった。結局できちゃったからね。
M: その時にすごく大事だったなって思ったのは「これ 20 年後にどうなると思う?」っていう考え方で
M: 今みんなが使っているものを「俺が世界を乗っ取って作る」のか、それとも「みんなで作る」で、その先にアドバンテージ持って進むのか、どっちが面白いかっていうと、先を考えた方が面白いんだよね。
A: 面白いですね。
M: やっちゃったことは標準化して、それでみんなでモノにして、それで次にチャレンジした方が面白い。そういう風に思ってくんないかなと。
M: 標準化とかアカデミズムの分野にいると、企業にはそういう風に考えてほしいよね、っていう風に思うんだけど。
M: サイボウズを見てると、そういう動きでずっときてるし、本当にありがたいなっていうプロダクトを最初から作ってたし、それで今もそうだよね。
A: そうですね。技術的には、オープン大事っていうのが、だいぶ浸透してきたと思うんですよね。
A: 昔みたいに囲うものではなくて、そのビッグテックみたいなところでも、どんどんオープンに協力的になって。

A: 一方で、この企業規模みたいなのを見ていくと、ものすごくビッグテックの拡大が止まらない。
A: あれ、なんかオープンでみんながハッピーっていう風に目指してたはずなのに、この事業規模でいくと、めっちゃ独占してる人が現れてるなと。
A: 今日本だと「デジタル赤字」みたいに言われて、日本人もこれだけオープンに協力したはずなのに、お金の流れだけ見るとめっちゃ吸い取られてるよね、っていうことが起きていて。
A: これはこれでちょっと、なんでしょうね、ビジネスのオープン化みたいなものに取り組まないと、技術だけではお金の不均衡が解消されないなっていうのは、僕は今思っているところですかね。
A: サイボウズはなんとかそれをね、ビジネス側で独占されないようにシフトしていきたいなっていう、思いがあってやってるんですけどね。
M: なるほど。
ビッグテックへの楽観
M: ここにいる人も、みんないろんな意見持ってると思うんだけど、私は楽観的っていうか、そういう心配はあんまりしてなくて
M: デジタル庁を作るときも「デジタル敗戦」とか、もうしょっちゅう言われて。
M: 僕 1999 年から IT 戦略をやってるので、この国は「デジタル敗戦国」だとか言われると、もう戦犯一号が俺なんだよね。
M: そうではなくてね。あんまり敗戦だと僕は思ってないんです。サイボウズもあるしさ。
M: で、日本のデジタル技術が敗戦だったところがあるとすると、確かにお金の動きは違う。
M: ただね、結局、歴史から見ると、一時的じゃね?ってやっぱ思うんだよね。
M: Apple とかね、割合頑張るんだ今、特にね、スティーブ・ジョブズがいなくなってから頑張る。
M: 彼はあんまりそこまで、囲おうっていう勢い強くなかったんだけど。
M: 今はまあ、セキュリティや安全性と、ちょっとバランスがあると思うんだけど。
M: あと Google もね、でかいとこで動いていて。GPU を作ってる NVIDIA みたいな会社も、独占的じゃないのかって言うけど
M: そこまで持続的な話にならないと思うんですよ。
M: ビッグテックが世界の経済を乗っ取ってるって言っても、10 年も経ってないんだよね。
M: たった 10 年じゃん、っていう。
M: それによって、生まれたことの方がありがたいことが多くて。
M: だって、あいつらがデータかき集めて、新しいことしなかったら
A: ここまでイノベーティブな 10 年はなかったでしょうね。
M: その中で、彼らが本当に囲い込んでたことあるかっていうと、お金は囲い込んでたかもしれないけど、技術的には囲い込んでないんですよ。ほぼ。
M: 広げることばかり考えてる。
A: そうですね。
M: 僕も、ああいう会社をスタートアップした人らと大体同級生なんで、ほとんどの会社の成り立ちを知ってるんだけどさ。
M: さっきも話したんだけど、太平洋を全部ネットワークで繋ぐぞ、みたいな話をやろうっていうのは、Google はすぐ乗るんだよ。
M: 一人インターネットを使う人が増えたら、俺たちは勝てるっていう。
M: それで勝てなくなったら、まあいいじゃんっていう。
M: こういう考え方をしてるのはよく知っていて、だもんだから一緒にできるなって思ってた。
M: じゃあ、そのエンペラーはいつまで続くのかって言ったら、これは分かんない。
M: 全部アメリカに取られたじゃないかって良く言われるけど、俺はそこまで悲観的じゃないんだよね。
M: 経済学者が見るとさ、なんだよこれみたいな。でも歴史から見たら、そんな大したことじゃない。
M: 他の意見持ってる方もいると思うけど、俺はあんまり深刻に考えなくて、そこから面白いことが出てくることが大事。
M: AI なんてさ、要素から言えば、でっかいデータとでっかい計算しなきゃいけなくて。
M: その計算するためには、ものすごいコンピュータリソースが今必要で、そのリソースを作ってる人は、儲かるのが自然で。
M: そうこうしてるうちに、新しい時代がすごい勢いでくるからね。
A: ほんとですね。
M: したがって、あんまりアンバランスな発展をしてるとは、僕はあんまり思ってない。
A: いや、さすがですね。
A: ビッグテックのすごいのは、その前の時代に儲かってた会社は、基本的に高いものをお金持ちに売るっていうビジネスモデルが多くて。
A: 高級な車を作り、お金持ちに売る。高級なホテルを建て、お金持ちに泊まってもらう。これが儲かってたんですけど。
A: ビッグテックの人たちは、高いものを売るというよりは、できるだけたくさんの人たちに使ってもらう方に振るので、
A: 僕らがビッグテックに毎月いくら払ってるかを数えると、あれ、なんか飲み会の方が高くない?っていうくらいの感じなので。
A: これだけ生活を支援してもらえる割に、そんなにお金を払ってなくて。
A: でも彼らは、何億人、何十億人を相手にするから儲かっている、ということであれば
A: ある意味でそのビッグテックによって、世界が均一に底上げされたという見方ができるので、決してこれはこれで悪かったかと言われると、なんとも言えないと。
北風と太陽
M: 最初に話した「南半球全部繋ぐぞ」って話は、これに乗ってくれる会社はそうなかったと思うんだよね。
M: だけど、蓄えもあってそういうことができると。
M: 「人」が繋がるっていうのは大事なことだし、その繋がった「人」のために、デジタル技術がどう役立つのか、で新しい世界が始まると思うんだけど。
M: 人が力を合わせるためのグループウェアの使命って、視点が「人間」側にあるんだよね。働く人を支える。
M: サプライサイドのテクノロジーをやっていると、サプライサイドのロジックと、それからヒューマンサイドのロジック、両方のことができるんだけど。
M: ロジックを考える人は、我々のようなアカデミズムや経済、そういう視点で考える人はいる。けど、人間のことを考えるのは、最終的には本当は行政とかだろうと。
M: ビジネスで人のことを考えるっていうのは、結局はコンシューマービジネスで大きく支えるのか、クリエイティブなところを支えるのか、みたいな違いがあって。
M: そのあたりの、人間目線のテクノロジーの発展っていうのは、どういうふうに引っ張っていきますか?
A: なるほど、いやーそうですね。
A: 最初に村井先生が「こういうスケジューラー作って」って言ったのは、秘書の調整業務を楽にしてあげたいみたいなお話でした。
A: 逆にその頃僕も、まさに入った会社で新人なんで、上司のスケジュール調整とかを任されて、最悪なクソ業務だなとかって思ってたんですが。
A: なんとか自分が楽しく働きたい、というところから僕は最初にモチベートされて。
A: 上司のスケジュールがみんなに見られれば、僕が調整に入らなくてもいいじゃん、というのが、サイボウズの本当のスタートだったんですね。
A: それが、自分だけ便利になるよりは、みんながハッピーになってほしいと思って、それをプロダクト化して世の中に出したりして。
A: 働く人が、楽しそうに働くように変わっていくのが、モチベーションになっていったんですよね。
A: 単に効率化だけではなくて、より楽しく働けるのが僕の中のモチベーションで、「サイボウズの働き方」みたいなのも、その辺りから来ていると思います。テクノロジーが人を幸せにしてくれる瞬間は、快感ですね。
A: コロナが来たときなんかも、これでようやくみんな、リモートワークの楽しさに気づいてくれるって。
M: ほんとそうだね。

A: 技術はもうあったんですよ、あのとき。でも使うチャンスがないから、人間サイドが動いてくれなくて、なんとか動かしたかったんだけど、ああいう状況になると、みんな使わざるを得ないですからね。
M: 東工大 DLab で 2019 年に「未来シナリオ」っていうのをやって、コロナはその直後に来たんだけど、家で仕事ができるとか「おうち完結社会」とか、これらは 2040 年のターゲットでした。20 年後、っていうターゲット。
M: 専門家がちゃんと作ったシナリオなんだけど、俺はそれを見た時に「そうだな」って思った。
M: 技術はあるんだよ。技術はあるけど、それを説得するのに俺も苦労してきたから。
M: 電子メールとか「使えよ」って言いたいけど、そうは言わずに、なんか羨ましいから使おうかなってなるように。
M: 名刺にメールアドレス書くってアホじゃねえか?って言われたことあるけど、もう書いてない人はいないでしょ?
M: そういうデプロイメントは、人を説得するのに時間がかかる。
A: はい、時間かかりますね。
M: それで WIDE はね、北風と太陽って言ってて。
M: 「使えよ」みたいなやり方は良くない。「いいなそれ、どうすればいいの?」って言われたら、じゃあインターネット使ってみたらどうですか?電子メール使ってみたらどうですか?
M: っていうふうに「太陽的」にやれって、ずっと WIDE で言ってたんだよね。
M: でも時間がかかる。
A: そうなんです。
M: だってコロナって北風だから。やれよやれよって。
A: そうです。
M: やらざるをえない北風やると早いなって。
A: そうですね。
誰一人取り残さ「れ」ない
M: コロナの真っ最中に、デジタル庁ってできたんですよね。あれも紆余曲折があって。
M: 「誰一人取り残さない」ってスローガンを最初に広報が作って「ちょっと待ってこれは絶対嫌だ」って。
M: 俺らは「誰ひとり、置いてきぼりを作らない」って言ってたんだよね。昨日調べてたらね、これ WIDE 作った 1986 年から言ってた。
M: それで、その通り言ったんです。
M: でも役所の方の耳には、"No one left behind" に聞こえて「誰一人取り残さない」になっちゃった。
M: それですごい怒って「ちょっと待て、この上から目線はなんだ」って。
M: でも「もう刷っちゃいました」って言われて。
M: そこで「取り残さない」の「さ」と「な」の間に、バルーンに「れ」って書いたステッカー作って、ポスターとかに全部貼ってまわってもらって。
M: 「取り残されない」に直した。今デジ庁行くと、そのバルーンが入ってるポスターがある。
M: そのとき、こう、後ろに取り残されてる人がいて「取り残さない」とか言いながらこっちに走ってくる漫画を描いて。
M: 「取り残されない」は、この人達が振り向いて、この取り残した人を見ている、っていう漫画を描いて、それで大臣以下説得したんですよ。
M: これ、もう、出ちゃってるけど、描き直してくれって言って。
M: ポスターとかは作っちゃったけど、政府の文書がまだ間に合って。
M: 説得したら「それはやりましょう」って、その時の大臣(牧島かれん)が言ってくれて。
M: 内閣に出した文書に、その絵が入ってる。
A: それ、素晴らしいですね。

人間目線でのテクノロジー
M: サプライサイドで考えるか、それともユーザーサイドの視点で考えるかっていうのは、テクノロジーを作る上で大事なことで。
M: インターネットは 1 つのプロトコルで世界中繋ぐ One Internet だからね。
M: One Web とか言いながら、Web を全部同じ標準にしようっていうのは、そっちの方が難しい。
M: なぜかっていうと、アプリケーションを作るからね。
A: そこが多様ですよね。
M: 人間も多様だし、それにアダプトしていくっていう技術は、すごく難しいと思うんですよ。
M: IP で全部世界中のコンピュータ繋ぐぞっていうアーキテクチャがあって、2 つが組まないといけなくて。
M: 下が IETF で、上が W3C なんだよね。
M: だから「W3C にデジタル社会の中で起こってる全ての問題を持ってこい」というのが、W3C がやるべきことだと思うんですよ。
M: 人間目線で困っていること、誰一人取り残されないって、結構大変なことなんだよね。
M: 今それができてるかどうかは別として、「誰一人取り残されない」ってすごく多様な人たちが、デジタルサービスの恩恵を受けなきゃいけない。
M: これがアクセシビリティとかっていう話になってくると思うんです。

M: サイボウズの話を聞いてると、能力も、才能も違うみんなが力を合わせて。企業ってそういうもので。
M: なかなか横に繋がらないんだけど、グループウェアがあると、横に力を合わせやすくなるじゃないですか。
M: 青野さんは、そうしたシステムにおける人間の多様性について、どうお考えですか?
A: 先ほど少しお話ししたとおり、松下電工の時の原点は、本当に初めてパソコンを使う人だったんです。
A: もう、そのマウスをこう、動かしていって、端っこまで来て、そこで大体、手を上げるんですよ「青野くんこれどうしたらいいの?」
A: 「一回持ち上げて左にずらしてください」みたいな。
A: 本当にそれが原点だったので、その人たちを意識しなければ、使ってもらえるソフトウェアはできないというのが、僕の思いとしてはあります。
A: 特に、グループウェアみたいなものを作り始めると、そこの視点にかけるとどうなるかというと。
A: グループウェア会社で導入したんだけど、20%くらいの人しか使ってくれなくて、残りの 80%は開くのが嫌なんです、みたいなことになっちゃうんですね。
A: グループウェアみたいなものを作るときに、一番大事なのは、一番使ってくれなさそうな人の顔を想像して、ユーザーインターフェースを設計しないといけない。
A: 入力の手間だったり、ログインから、グラフを立ち上げるところまでを想像しないと、こんなに使ってもらえるグループウェアは作れないので。
A: 僕らはまさに「取り残してる人いないかな」みたいな発想です。
A: それも、ダサいと言われるんですよ。
A: サイボウズのソフト今風じゃないよね、タブ操作で切り替えができないとか言われるとですね、ごめんという気になりますが。
A: それは何のためにやってるかというと、グループで便利にならないと意味がないから、グループウェアだから。
A: 個人の生産性あげるツールだったら、全然それでいいんだけども、みんなで生産性あげるツールを作るのであれば、取り残されそうな人たちのところに合わせながらいかないといけないと。
A: それが、僕らがやってきたビジネスですかね。
M: すごい。
多様な人が繋がる力
M: 大学の教育が変わるからみたいな話を、大学では始めていてね。
M: 授業なんかはグループワークを SFC では取り入れて
M: 教育学会の中ではクリエイティブラーニングとか、文科省の中でアクティブラーニングって言ってるけど。
M: みんなが持ち寄って問題を見つけ出して、そいつを解いていくみたいなことになってて。
M: 多様な人が参加していることで、そこが強くなるだろう。
M: そういう時代に来ると、After AI というか AI 前提社会の教育のモデルみたいなのは、異なった人間が力を合わせることが、すごく大事になってくるんだけど。
M: サイボウズのやられてたことは、そういうお客さんを支えているわけじゃない?
M: 違う人たちが力を合わせられるから、こんな化け方をしたとか、そういうお客さんがいっぱいいるわけでしょ。
M: そういう話、お聞かせいただけますか?
A: そうですね。
A: 創業して、しばらくして、あるお客さんからいただいた感謝の言葉が嬉しいので、紹介したいんですけど。
A: 旅行会社をされていて、バックオフィスの人もいれば、フロントでお客さんと接して、旅行プランとか提示する人もいて。
A: ここでなかなか情報共有が、はかられていなかったんですけども。
A: これを、サイボウズ Office を入れて、普段の業務報告をサイボウズ Office でそれぞれするようになると、お互いが少しずつ見えるようになりました。
A: 旅行のお客さんと、窓口の人たちには、いろんなことが起きていて。
A: 例えば、旅行を販売したんだけど、あるお客さんの都合で病気になっちゃって、行けなくなっちゃったと。
A: そういう時に、また病気が治ったら来てくださいねみたいなことを言って、病気治って来てくれたと。
A: 「私はすごい感動した」みたいな話を、サイボウズ Office の掲示板にあげると、バックオフィスの人が泣くんですよ。おお、すごいなみたいな。
A: 同じ会社といえども多様な人たちが、いろんな業務で、スペシャリティを持ってやっているんだけれども。
A: 情報共有という、まさに Web の場に持ってくることで、心がこんなに揺さぶられるのかと。
A: 俺たちは、本当に旅行代理店で良かった、みたいな感動をシェアできるという話を聞いた時に、そういうことかと。
A: 僕も半分エンジニアだったので、技術的に便利だろう、みたいな視点が強かったんですけど。
A: その話を聞いた時に、これは、もっと深い意味があるなと。
A: 多様な人たちが情報を共有することで、分かり合い、感動できて、感謝して、貢献し合う、みたいな。こういう世界を作れるんだと思った時に、僕はグループウェアで生きていこうかなと、思いましたね。
M: 素晴らしい話ですね。
M: Long Way to Go だよね。
M: まだまだそういうところで、障害がある話っていうのは、世の中にはいっぱいあるんですよね。
縦割りと横串
M: 今僕ら大学にいるんだけど、ここは文経法商っていう、4 つの学部があるんです。全部文系じゃないですか。
M: その後にできたのが、医学部/工学部/SFC
M: 問題は、ユニバーシティっていうのは、みんな力を合わせそうな感じがするじゃないですか。それだけ多様な学問やってたら。
M: ところが、全然ダメなんですよ。
M: つまり世の中縦割りなんでね。
M: 縦割りを横にし始めることができたっていうのは、アフターインターネットなんだよね。
M: デジタル技術のプラットフォームっていうのは、ちゃんと縦を横に繋ぐ。
M: 横に繋ぐと、大学の場合は学問の壁が切れると。
M: 1999 年から IT 戦略やってきたんだけど、僕ね、総理大臣 13 人仕えてるんですよ。
M: 長い間この国に携わって、この国をずっと見てるじゃない。
M: あきらかに霞が関って縦割りなんですね。
M: これを横に繋ぐのがインターネットなんだから、それをやんないとダメっていうから。
M: その間にも IT 戦略ちゃんとやれとか、IT 大臣ちゃんと作るとか、いろんな話があって。
M: 僕は、これを横に繋ぐって組織改善ができてなかったら、絶対動かないから嫌だ、そういう話には乗らないって言って。
M: 予算をつけて、組織ができて、横に繋ぐっていうミッションがある役所を作るっていうんなら協力してもいいって、言っちゃってたから、デジ庁できたときに協力せざるをえなかった。
A: でも、横に繋がりましたよね。あれは画期的でしたね。
M: それが順調にできてるかって言われると微妙なんだけど、今のところそのミッションが決められてるんで。
M: それからもう一個最初に話したのが、今病院の仕組みを作ってる。
M: 病院って、横に繋ぐっていうのが、また大学とは違って難しいんだよね。
M: 各課の人たちが横に繋ぐっていうのは、なかなか難しくて。
M: 病院は個人情報の扱いがあるので、デジタル化を躊躇してるところが長いので、それが、ついに AI 時代。
M: 全部の業種の中で、最も AI 使いたい人が医療関係者。
M: 薬作るにしても、でっかいデータ処理できて、めんどくさい業務が簡易化されたらいいって。
M: 今日最初に、某病院では 200 のシステムがバラバラに動いてて、みたいな話をしたいんだけど。
M: 縦を横に繋ぐっていうことが、サイボウズが入ってるとできるよね。
M: これは社会の仕組みの中では、画期的なことなんだけど。
M: なぜかって言うと、ネットワークと繋ぐだけじゃ起こらないんだよね。
M: 縦を横に繋いで、その上の人間が繋がることによって、起こるじゃないですか。
M: これの価値っていうのは、どう捉えてます?

A: 私もずーっと、それをチャレンジしてきてますが、なぜ故にたこつぼ化して、縦割りになっていくんだろうかと。
A: 結構、仲がわるいんですよね?
A: 私も元メーカーにいましたけど、作る方は、俺がいいものを作っているのに、なんで営業が売らないんだと言うし。
A: 営業の方に行くと、開発がちゃんとお客さんの声を聞かずに、勝手に作りやがってって言っていると。
A: あれを解決するには、どうしたらいいのかを、ずっと考えていて。
A: これ AI 君に頑張ってもらったほうがいいんじゃないかと。
仲介役としての AI
A: 人間同士が、嫌な感情のまま話し始めると、ろくなことはないですよね。
A: 夫婦を形成されている方は、ご理解いただければと思いますけれども、イラ立っているときに話し合うと、ろくなことはないんですね。
A: その間を、緩衝材のようにコンピューターが入ってくれれば、会話もはずむんじゃないかと。
A: 実際サイボウズも、もうサポートの窓口が AI になってきていて。サイボウズの代表電話にかけてもですね、もう AI なんですよね。
A: そうすると変な電話がかかってきても、サイボウズの人たちも心傷まずに済む。
A: で、お客さんも言いたいこと全部言えるわけです、AI なんで。
A: 多少なんか言葉が間違ってても、とにかく俺の話を聞いてくれって、長時間でも話せる、AI が相手なら。
A: この縦割りの間に、緩衝材として AI 君を入れていくと、横が繋がるみたいな、そんな未来を僕はイメージしてるんですよ。
M: 僕もそう思ってて、例えば役所とか見てても、業務別に担当が違うっていうのは合理的ではあって。
M: 霞が関が別々の省庁になってるのも、合理性はあるんだけど、問題はこれを横に繋ぐ話ができるのかとか、連携をするときに、そのための環境があるかとか
M: そっちが大事だと思うんですよね。
M: つまり、縦と横は共存するんだけど、横の責任はデジタルプラットフォームが持たなきゃいけない。
M: これは、世界の中でも同じだし、大学の中でも同じだし、役所の中でもそうだと思うんですよね。
M: だからプラットフォームはあればいい、インターネットと繋がればいい、だけじゃなくて。
M: Web の空間っていうのは、人間あるいは組織を繋ぐとき、その組織のミッションが、どういうふうに実現できるのかとか、それに向かって、どういう力を合わせられるかとかが大事。
デジタルが生み出す新しいミッション
M: 最後に、横に繋ぐと新しい力が生まれる、新しいミッションや連携も生まれる、そういうことを期待したいじゃないですか。
M: 大学が医工で組むと、医学部と工学部の問題は解決するけど、全然関係ない法学部はどういう役割を果たすんだっけ?といった新しいミッションが出てきて。
M: そのミッションは、デジタル社会が逆に生み出したんですよ。
M: だって、ソーシャルネットは、みんな繋がって、人間のいやらしいところが全部共有されるんだけど、それは繋がったから起こった。
M: だんだん、次のフェーズに来てる。
A: なるほど。
M: こういう未来で、人間は繋がることは容易にできるようになった先に、サイボウズはどういうチャレンジを考えてますか?
A: そうですね。
A: 横のところで言いますと、分かり合えない人たちを、いかにして分かり合える状態に持っていくのかっていうのが、僕はどうしてもやりたいことなんだろうと思います。
A: 例えば X なんかだと、すぐ分断、分断っていって、こっち派の人とあっち派の人が、ガチャガチャやってますけど。
A: 最初びっくりしたんだけど、X が多言語になってません?勝手に翻訳されてて。
A: 僕も日本語で読んでるんですけど。
A: よく見たら、全然違う言語の人が、ポルトガル語で書いてました、スペイン語で書いてました、韓国語で書いてました。
A: 全然、自動翻訳して読めるじゃん。
A: これも多分、縦割りだったものを、テクノロジーによって壁を壊した、ハードルを下げた事例。
A: サプライサイドからすると、壁を突破するアプローチを仕掛けていきたいんですよね。
A: 残念な言葉を書いても、それを何らかの形でテクノロジーが翻訳して、優しく伝えてあげるとか。
A: そうやってコンフリクトみたいなものを外していければ、もっともっと横が繋がって、多様が楽しくなると思うんですよね。
A: 自分は、この縦割りしか知らなかったけれども、あっ、こっちの縦割りも、横で繋がって、楽しそうにやっている。
A: で、横で繋がってて、俺たち、仲間だよね。
A: こういう世界にまで、Web を持っていけたら、安心して死ねるかなと思ってる。
M: いやいやいや、まだ死んじゃ困ります。
M: 人間がどういうチャレンジをしていくかも、多様性が増えてきたと思うんです。
M: 我々も最初の頃はね、Facebook とかにたまに出すんだけど、日本語で出したのに世界中から反応があるから。
M: おかしいなって思ったけど、Google で翻訳してた。
M: つまり日本語で喋ってることは、みんな筒抜けなんです、世界中に。
M: 逆に昔はね、閉鎖性があったから日本語だから大丈夫みたいな時代があってさ。
M: あの Wikipedia の、Jimbo Wales って人と話してると、日本の Wikipedia は全く違うんだけど、どうなってんだって言われたことがあってさ。
M: 日本語の Wikipedia と、英語の Wikipedia の色々な、トーンが違うんだよ、役割とか、長くなるから辞めるけど。
M: そうやって多様性をすり減らすと、文化が廃るっていった人がいるんだけど、これが逆なんですよね。
M: 文化はエンパワーされるっていう風に思う。
M: この話のあと 1 時間あるとできるんだけど。
M: いや、聞きたい。
M: 早くやめろって言ってるんで。
M: このあと、30 周年っていうことで、お互いがんばっていきましょう。
M: はい、今日はどうもありがとうございました。
