ローカライズチームが開発部署に所属するということ

こんにちは。ローカライズチームの殿岡(@txdriet)です。このブログは、テクニカルライター/ローカライズ リレーブログの8本目の記事です。
ローカライズチームは、名前のとおり製品のローカライズを担うチームです。開発部署に所属し、様々な関係者と連携しながら業務を行っています。
今回は、開発部署にローカライズチームが存在する意義について考えてみたいと思います!

ローカライズチームの役割

ローカライズチームは、製品のグローバル展開を支える重要な存在です。
主な業務は製品文言やオンラインヘルプのローカライズですが、それだけにとどまりません。
製品のグローバル展開を成功させるために、他社製品の動向を把握したり、事業戦略に沿ったローカライズ方針を検討したりと、多岐にわたる活動を行っています。
営業やマーケティング、海外現地メンバーと連携し、最適な多言語プロセスを構築することも重要な役割です。また、日本語ライターへのフィードバックや、既存訳の改善も行い、常に品質向上を目指しています。

開発部署にいることの強み

社内に翻訳者がいるケースは多くありますが、その所属先は様々ですよね。サポート、カスタマー、あるいはドキュメント作成の部署に所属しているケースも多いでしょう。また、翻訳業務自体を外部に委託しているケースもよく耳にします。

では、なぜローカライズチームが開発部署にいることが重要なのでしょうか。

ローカライズチームは、開発部署にいることで製品の開発計画や機能を深く理解し、開発メンバーと密に連携することができるようになります。これによって、製品の仕様や機能がどのようにユーザーに価値を提供するのかを深く理解し、より効果的なローカライズを行うことが可能になります。
これはもちろん翻訳を行うときもメリットになりますし、様々なローカライズ施策を検討する際も同様です。
また、開発部署にいることで、製品の仕様変更や新機能の追加に迅速に対応できるのも大きなメリットです。ローカライズのプロセスがスムーズに進むことで、製品のリリーススケジュールに遅れを生じさせることがなくなり、グローバル市場に対応する大きな強みにもなります。

ローカライズの目的とチームの価値

ローカライズは目的ではなく、グローバル市場で成功するための手段です。
私たちは「世界で一番使われるグループウェア」を目指しており、そのためにどのようなローカライズ施策が効果的なのかを常に模索しています。
でも、その効果を測るのは難しく、試行錯誤の連続です。
新しい言語を追加したらその地域でユーザー数がどのように変化するのか、また翻訳の品質が向上することでユーザーの満足度がどの程度向上するのか、といったことを定量的に評価するのはとても難しいものです。

達成したい目的によって選択肢は無限にありますが、ここで重要なのは、その検討をローカライズチーム自身が行うということだと思っています。
誰かが決めたことを指示通りに行うのではなく、自分たち自身でユーザーへの価値を考え、選択し、効果を出していく。そしてさらに、開発部署にいることで製品の進化にリアルタイムで対応し、より効果的なローカライズを実現していく。
それがローカライズチームとしての大きな価値だと思っています。

まとめ

ローカライズチームは、単に翻訳を請け負うチームではなく、グローバル展開を支えるためのチームです。
ローカライズチームが開発部署にいることで、製品のグローバル展開をより効果的にサポートできるはずと信じ、これからも私たちは「世界で一番使われるグループウェア」を目指して努力を続けていきます!