ライターチームで目標をどうやって作っていったのか

ライターチームで目標をどうやって作っていったのか

  • このブログは、テクニカルライター/ローカライズ リレーブログの2本目の記事になります。

こんにちは、テクニカルライターチーム近藤です。普段はテクニカルイラストレーター兼ライターとして働いており、担当製品はGaroonです。

Garoonのテクニカルライターチーム(以下、Garoon TCと呼びます)には、テクニカルライターやローカライズ担当者が所属しており、Garoonのヘルプの執筆や翻訳、画面文言の作成などを行っています。

今日は、そんなGaroon TCが初めて「チームの目標」を設定したお話をしたいと思います。

目標設定は難しい

テクニカルライターやローカライズチームが目標を立てるのは、とても難しいことです。
私たちは各製品の開発計画や、会社の全体方針を直接検討する立場ではないため、会社や開発の方針によって方向性が変わってしまうことが多いのです。

ヘルプや文言の作成は、プロダクトからの要件に対応する形で進められます。
業務の中で、「ヘルプをわかりやすくしよう」や「翻訳に適した文言にしよう」といった対応を進めつつも、どうしてもプロダクトの方針により目標を定めにくいチームであることは否めません。

少し極端な表現かもしれませんが、テクニカルライターは「チームの目標がなくてもやっていける」という状況にあるのかもしれません。

それでも我々には目標が必要だ

「これが本当に会社に貢献している活動なのか?」という疑問が常にありました。
会社に対する貢献度が不明確だと、チームの評価も曖昧になり、最終的には個人の評価も不透明になります。
「曖昧」「不透明」・・・まさに「わからない」の連続です。

このままでだめよね、という思いから、私たちは2024年に向けてチームの目標を設定することに決めたのです。

発散と分類

「チームの目標を掲げよう!」とすると、つい大きくて高い目標を設定してしまいがちです。
それを守るためにチームが疲弊してしまうのは避けたいと考えました。

全員が納得するまで、誰一人も置いて行かないことを大切にしたかったのです。
そこで、まずは「自分が思っていることを発散させてみよう」ということで、最初に「発散会」を開催しました。

Garoonのスケジュールでコメントしている画面
Garoonのスケジュールのコメントで発散会の呼びかけ。Garoonはなんて便利なのでしょう!

理想の発散

発散会では、思っていることややりたいことを付箋に書き出していきました。
すると、次のような理想が出てきました。

  • スキルを磨きたい
  • レビュー結果がライターの身になる形でまとめられるようにしたい
  • 他の製品の理解も深めたい
  • できる人を増やしたい
  • 保守・維持の時間を減らしたい
  • キメラになりたい

などなど。キメラ・・・!

理想の分類・・・でも何かが違う?

次に、発散した理想を分類してみました。
しかし、分類が終わったところで、ふと気づいたのです。「これ、なんか違くない?」

個人の発散目標は、お互いに問題点を認識し理解する上で効果的ですし、発言することを恐れない精神を育むのにも役立ちます。
しかし、冒頭で挙げた「これが本当に会社に貢献しているのか?」という疑問の解決にはならないのではないか?と気づいたのです。

開発計画を読み込んでみた

そこで、今度は会社の方針と開発計画を読み込む会を開催してみました。
私たちが現在行っている活動が、サイボウズやGaroonの価値と未来にどう繋がるのか、自分たちのやるべきことは何なのかを見つめ直すためです。

読み込む会を開催することで、一人では理解できなかったり、わからなかったことを抱え込まずに済むようになりました。
一人では解けないパズルをなくすためです。そう、まるであの名曲のように。

Garoon TCの目標

こうしてサイボウズの方針とGaroonの開発計画を読み込み、それに沿って再度理想を出し、再分類を行いました。

そして、我々Garoon TCの目標が完成したのです。

Garoonの開発スピードに素早く対応できるTC体制の構築

Garoon TC内のタスクとそれに必要なプロセスや作業量を明確にし、優先順位を設定することは、開発速度が上がっても対応できる体制を作る上で非常に重要です。

まず、チーム全員で業務の作業プロセスを見直しました。
その結果、無駄を発見しプロセスの改善に成功しました。
また、開発計画を詳しく読み込んだことで、チーム内でタスクの優先順位を決める基準を作成することができました。

工数削減にも成功し、この基準があることでタスクの優先順位をその都度判断し、重要な業務に集中できるようになったのです。

ただし、優先順位については開発の方針転換など外的要因も影響するため、必ずしもこの通りにしなければならないわけではありません。
チームが疲弊しないようにすることも大切です。
何事もやりすぎは良くない。

文言・ヘルプの品質、構成、既存文言改善の基準作成 - QCDにあわせた適切な品質のドキュメントを提供 -

文言とヘルプの執筆ルールはありましたが、品質基準が設けられていませんでした。
品質の基準やガイドラインがあると、実務担当者が判断してレビュー依頼をすることができます。

この取り組みは、ローカライズ(翻訳)にも適用し、品質を決めていくことになりました。

競合製品を学び、ライティングなどを共通するスキルをアップする

普段のタスクに追われていると、競合製品について学ぶ機会がなかなか取れません。
そこで、定期的に時間をとって勉強会を開催することにしました。これにより、Garoonの弱みや強みを知ることが狙いです。

また、スキルアップのための勉強会は目標設定の前から開催していましたが、さらに一歩前進させることにしました。
具体的には、以下のスキルを最低限身につけることを目指しています。

  • 正しい日本語
  • ヘルプのWebサイトをメンテナンスできるだけの知識
  • 情報設計できる知識
  • 翻訳しやすい日本語

目標ができて何が変わった?

2024年も半年が終わり、後半に突入しました。

目標を設定したことで、自分たちの活動が「ここに寄与できることなんだな」と立ち止まって理解できるようになったと思います。

「何のためにこれをやっているんだろう?」や「どうやって進めていったらいいんだろう?」と感じた時、目標があることで自分たちの活動の道しるべとなり、それに向かって進んでいけるので安心感に繋がっている気がします。

そして、ひとつ気づいたことがあります。
「何かが違う?」と思った理想の発散も、見返してみるとそれに向かって歩んでいることがわかりました。ただ、「価値に貢献できているのか?」という視点があるとないとでは、大きな違いがあると実感しています。

残りの後半も、この目標に沿って引き続き邁進していきたいと思います。

以上、チームで初めて目標設定をした話でした!
読んでいただき、ありがとうございました。

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