この記事は、CYBOZU SUMMER BLOG FES '24 (Agile/Scrum Stage) DAY 6の記事です。
こんにちは!スクラムマスターの大石です。
さっそくですが、皆さんの会社ではOST(Open Space Technology)をやっていますか?
サイボウズの開発本部では最近OSTがさかんで、社内イベントでもよく取り入れられています。また、アジャイル界隈のイベントでもよく実施されていますね。
私は数年前に初めてOSTを経験し、その自己組織化したディスカッションの場にわくわくしました。今年になって初めて社外のOSTに参加し、その魅力を再確認しています。
この記事では、私が感じるOSTの楽しさや、実施中に直面するかもしれない課題への対処法をご紹介します。
OSTとは
OST(Open Space Technology)とは、参加者が自分たちの興味に基づいて自由にテーマを出し合い、ディスカッションを行う手法のことです。
OSTの実施にあたり、「4つの原則」があります。
ここにやってきた人は、誰もが適任者である
何が起ころうと、それが起こるべき唯一のことである
いつ始まろうと、始まった時が適切な時である
いつ終わろうと、終わった時が終わりの時である
また、OSTには4つの役割があります。
ホスト:セッションを提案した主催者
参加者:話し合いに参加する人
ハチ:話題を渡り歩く媒介者
蝶:いくつかのセッションを転々とする人
セッションに参加しているのに、他のセッションを覗くのはNGです。セッションの移動は自由なので、興味のあるテーマがあれば、移動しても大丈夫です。
OSTの流れは以下の通りです。
ファシリテーターがオープニングでOSTのルールや原則を説明します。
参加者が自由にテーマを提案します。
マーケットプレイスでテーマの時間帯などを調整します。
テーマを出した人がホストとなり、セッションが始まります。
OSTの楽しさ
次に、私が感じるOSTの楽しさをご紹介します。
さまざまなテーマに触れられる
大規模なイベントでは主催者が議論のテーマを決めるのが難しいですが、OSTでは参加者が自由にテーマを出せるため、多様な話題に触れられます。業務に関連する悩みからキャリアの話、理想の話まで、自分の視野が広がる経験ができます。
主催者の準備が軽減される
OSTは自己組織化された場なので、主催者がテーマを事前に考える必要がありません。ルールの説明とマーケットプレイスの調整だけで、あとは参加者が自分のテーマで進行します。大人数のイベントでは、準備の負担が少ないと感じました。
自分の参加スタンスを選べる
話し合いたいテーマがあれば、自分でテーマを出してホストとして場をリードできます。また、興味があるテーマが複数ある場合、セッション中でも移動可能です。OSTでは、決まったルールが少なく、参加スタンスも自由に選べるため、リラックスして参加できます。
初対面でも話しやすい
社外の人や普段は会わない人との交流も、興味のあるテーマがあるので話がしやすいです。テーマに基づいた短時間のディスカッションにより、様々な人とコミュニケーションしやすいと感じます。
こんな時はどうしたらいい?
OSTに参加する際に「どうすればいいかわからない」という場合の対処法をご紹介します。
自分のテーマに誰も来ない
もし自分のテーマに誰も来ない場合は、まず5分ほど様子を見てから、他のテーブルに参加しても問題ありません。時間が経つと、最初は誰もいなかったテーブルにも他の参加者が集まる可能性があります。その場合は、ホストとして自分のテーブルに戻り、議論を始めることができます。
また、運営側がテーマをマーケットプレイスでまとめることを促すのも一つの手です。いずれにしても、テーマを出すこと自体が勇気ある行動であることを忘れずに、自信を持って進めましょう。
議論をどう進めるか不安
ホストとなって議論を進める場合、まずは自己紹介から始めるとスムーズです。次に、テーマの背景を説明し、参加者から意見や知見を集めることで自然に議論が進みます。社内でお互い馴染みのあるメンバーであれば、自己紹介を省略し、テーマの背景説明から開始しても良いでしょう。また、ホストが全てを担当せず、ファシリテーションやメモ係を別途決めて分担することで、議論がよりスムーズに進行します。
次に繋がらない
OSTの場で盛り上がってもその時限りで次に繋がらない場合があります。そんな時は、OSTで知った新しい書籍を読んで学びを深める、次のアクションを決めるための打ち合わせを設定する、またはSNSでつながるなど、小さな一歩を踏み出すことで次に繋がる可能性があります。
まとめ
OSTは、参加者全員の力を引き出し、多様なアイデアや解決策を生み出す場です。これまで述べたように、OSTの楽しさや実施上の注意点を理解することで、より充実したディスカッションを体験できると思います。ぜひ、社内や社外のさまざまな場でOSTを試して、その楽しさを実感してみてください。全員が主体的に関わることで、新たな発見や学びが得られるはずです!