こんにちは、フロントエンドエンジニアのmehm8128です。
2026年9月13日に行われたフロントエンドカンファレンス福岡にて、サイボウズはゴールドスポンサーとして協賛しました。 当日の様子を紹介します。
ブース
TSKaigiのときと同様、「サイボウズ エンジニア社員が何でも話します!!」というテーマでブースを出展していました。


予め貼ってある付箋の中から気になったトピックについて質問してもらうか、全く関係ないことでも何でも聞いてもらい、社員が答えるという形式でした。

トピックとしては、OSS寄付や、Frontend Monthlyやサイフロ通信、Zennの記事など発信の話、「AIでフロントエンドエンジニアはどうなるのか?」という話などで盛り上がっていました。 フロントエンドに直接関係ないものだと、サイボウズの社内イベントに興味を持ってくれる人も多かったです。
また、今回は「応援メッセージを下さい」というコーナーも設けていました。 漠然としていて何を書けばいいかよく分からないコーナーではありましたが、「Zenn読んでいます!」や「サイフロ通信聞いています!」などなど、日頃の活動がちゃんと届いていることが分かるようなコメントをいただきました。

立ち寄って下さった方にはステッカーやアクキーなどのノベルティをお渡ししていました。 また、今回はW3Cのブースからいくつかステッカーを渡していただいたので、途中からはそちらも配布していました(最初の写真の左端の3種類)。

今後もフロントエンド系のカンファレンスでは、似たような形式でブース出展することがあると思います。弊社のエンジニアがブースに立っているので、見かけたときは是非色々な話を聞きに来てください!
弊社メンバーの活躍
今回のカンファレンスは、弊社のデザインテクノロジストであるsakuさんが実行委員長を務め、最初から最後まで盛り上げていました。 他に、スタッフとして運営に参加したメンバーもいました。


同じく弊社の、フロントエンドエンジニアの後輩であるコサキンが「Webで実用的な縦書きエディタは可能か?──現在地と普及に向けて」というタイトルで登壇していました。
内容としては、前半にRTEの仕組みや基本的な知識を説明し、OS、ブラウザ、JSの3層に役割が分かれていることや、IMEの考慮によって複雑化することが紹介されました。その後縦書きの話に移り、Webの縦書きサポートの現状やルビの編集について言及があり、それらの前提を基にして試しに作ってみたという小説用エディタの紹介がありました。 最後には「開発者が組み込める」ようなエディタを作ったり、そもそもRTEや縦書きの基盤を整えていきたいという未来の話があり、今回のカンファレンスのコンセプトである「未来のフロントエンドと徹底的に向き合う」ととてもマッチしたセッションになっていました。
また懇親会では、縦書きやRTEに関係のある社外の知り合いの方たちと意見交換をしている場に僕も同席させてもらい、今まで気づいていなかった縦書きのユースケースを知ることができたりと、有意義な場になっていました。


資料は以下からご覧ください。
また、録画も公開されているのでこちらからご覧ください。
セッションの感想など
その他、見たセッションの感想をいくつか書いていきます。
日経電子版を支えていく Kasane Design System
日経電子版において新しく開発しているデザインシステムの紹介セッションでした。過去の失敗を活かし、現実的に運用可能になるようにいくつか取り組みを紹介していました。
Baseline Widely Availableな機能を使うようにしつつも、LLM Wikiなど先進的なツールを使っていたり、APCAやDTCG Spec、Web Componentsなど標準寄りの概念・技術を使っているのが印象的でした。 ルームAのJxckさんの登壇でも言及されていたように、最近はサプライチェーン攻撃が問題視されており、セキュリティの観点から、できるだけ外部ライブラリなどのエコシステムに頼らずWeb標準に沿った開発が今後もっと流行ることが考えられます。
アクセシビリティやWeb標準に興味のある自分にとって、興味深く聞けたセッションでした。
歴史から紐解くデザインとマークアップの話
JSXやHTMX、Studioのようなノーコードツール、AIなどによってHTMLを直接書くことはなくなっているのではないかという問いから始まり、HTMLの構造化とCSSの装飾について人間の認知やWebの歴史の観点から振り返りがありました。
後半は「見た目をテキストで代替することの難しさ」についていくつかの例を挙げて説明がなされ、「それぞれのモダリティの特性を活かして補完し合っていこう」とまとめられました。
僕は今回のカンファレンスの1週間前に、アクセシビリティカンファレンスCHIBA2026に参加してきました。そこでは体験ブースの出展があり、アクセシブルな道具や機械、おもちゃが展示されていました。
例えば「感覚で遊ぶ、アナログゲーム」は神経衰弱を「紙に書かれた数字」という視覚的な情報ではなく、「紙の厚さ」や「箱に入った玉の数」などといった、視覚以外(触覚や聴覚)の感覚で得られる情報を基にして遊ぶゲームでした。 また、「あしらせ」や「エキマトペ」は同様にして、振動や光などで視覚情報や聴覚情報を補うものになっています。
これらはWebではないものの、発表スライド74~76枚目にあった「不完全を認めたうえで、別の豊かさで補う」「だから『何を同じと見做すか』を決める」「その工夫が新たな価値を生む」という考え方に近いものだと思っています。 より多くの人に届けたいものを届けられるようにするために、デザインやマークアップ、情報設計などをしていく(スライド87枚目)というのは、体験ブースに展示されていた様々な工夫が施された物理的な道具たちと、根本的なところでは同じなのかなと思いました。
ウェブコンポーネントの進化
AppleにてWebKitの開発に携わっている丹羽さんによる、Web Componentsの歴史と今後についてのセッションでした。
最初はライブコーディングも交えてWeb Componentsの基本的な知識をおさらいし、Web Components v0の失敗からどうv1まで漕ぎつけたのかという歴史の話に移りました。 その後、最近入ったElement InternalsやDeclarative Shadow DOM、CustomElementRegistryの解説があり、最後はDeclarative Custom ElementsやDOM Parts、Template Instantiationなど現在議論中のトピックについても紹介がありました。
セッションを通して、一貫して「コンセンサスが大事」ということが語られていました。v0での失敗を踏まえ、v1では様々な関係者とコンセンサスを取ることによって「よりシンプルになり一貫性が生まれた」ということでした。
今回のセッションには登場しませんでしたが、個人的にはReference Target for Cross-root ARIAにも注目しているので今後に期待していきたいです。
替え玉.web
カンファレンス前日に、サイボウズ福岡オフィスで「替え玉.web」というイベントを開催しました。 そこでは計6名の登壇者による発表があったのですが、また後日別の記事で紹介します。
まとめ
登壇時間が1時間ということで、少し時間が余ってQ&Aタイムになることがいくつかのセッションであったのですが、どのセッションでもどんどん質問が飛び交い、登壇者の方が丁寧に回答するという光景が見受けられたのが印象的でした。
ルームAで行われた古川陽介さんの「Webの地図」のセッションでは、弊社フロントエンドエンジニアの おぐえもん さんからも鋭い質問が飛んでいました。

今回のような、WebやWeb標準について考え直し、未来のフロントエンドについて議論するような場が今後さらに増えると良いなと思いました。
ちなみに、ラーソーメンというのは懇親会後に食べに行った、ラーメンのようなソーメンのような食べ物です。おいしかったです。