去る3月27日、第4期サイボウズ・ラボユースの成果発表会と卒業式が開催されました。
今回は第4期で採択された4名と、留学先から帰国された第3期1名の計5名の発表となりました。
サイボウズ・ラボユースとは
サイボウズ・ラボユースは、世界に通用する日本の若手エンジニアの発掘と育成を目指すことを目的とし、学生の若手クリエイターに研究開発の機会を提供する場として、2011年3月31日に設立されました。
2011年度、2012年度、2013年度、2014年度では、日本全国より応募のあった中から高校生1名、工業高校生1名、大学生7名、大学院生4名、バグハンター1名、合計14名を選抜し、サイボウズ・ラボの社員が直々に開発を指導し、それぞれの研究テーマに取り組んでいただきました。
今回の発表者とタイトルは次の通りです。
- 橋本 論(多摩美術大学)「GoによるP2Pチャットシステムの開発」
- Kinugawa Masato(バグハンター)「いでよ、電卓」
- 怒田 晟也(筑波大学)「楽しく小さなOSカーネル作り」
- 左野 寛之(会津大学)「ソーシャルなスニペットシステムをつくる」
- 石井 将大(奈良先端科学技術大学院大学)「暗号のソフトウェア実装」
成果発表
「GoによるP2Pチャットシステムの開発」
橋本さんは Go で分散メッセージングフレームワークを開発されました。正規表現ライブラリに追加実装するなど、下回りから自身で実装されたそうです。
「いでよ、電卓」
バグハンターとして活躍する Kinugawa Masato さん。バイナリの脆弱性を探す様子を発表されました。メモリ関連のバグで報奨金を得るのが今年の目標だそうです。(※ ご本人の希望により、写真は掲載しておりません)
「楽しく小さなOSカーネル作り」
怒田さんはOSカーネルを実装し、その上で httpd が動く様子をデモされました。カーネルよりも巨大な libc の移植に苦労したそうです。
「ソーシャルなスニペットシステムをつくる」
左野さんはアルゴリズムコンテストで利用できるライブラリ配布のシステムを実装されました。今後はこのシステムを使ってコンテスト上位入賞を目指すそうです。
「暗号のソフトウェア実装」
第3期生として採択された石井さんはフランスに留学されたため、今回の発表となりました。暗号の乗算高速化やSIMD実装、GPU並列実装に取り組みました。
卒業式
成果発表の後、修了書がサイボウズ・ラボ社長の畑から授与されました。
また、卒業記念品として Raspberry Pi 2 が全員に手渡されました。本体と必要な機材をセットにしたもので、すぐに開発が始められます。
P2Pチャットシステムをフルスクラッチで開発された橋本さん。次は他の言語での開発に挑戦したいそうです。
怒田さんはサイボウズ・ラボの川合の書籍でOS開発を始められたそうです。メンターも川合が担当しました。POSIX互換システムを見事実装されました。
左野さんはラボユース初の在宅勤務でした。会津の地から開発作業を続けられました。
卒業式の後は懇親会。ラボユースの卒業生やサイボウズのメンバーも集まって大いに盛り上がりました。
次回、第5期は新しい東京オフィスでの作業となりそうです。募集要項の準備が整いましたら、サイボウズ・ラボのサイトで公開いたします。