プログラミング・シンポジウムで山内奨励賞を受賞

先日(※1)行われた第54回プログラミング・シンポジウム(通称「プロシン」)において、サイボウズ・ラボの竹迫 良範と、サイボウズ・ラボユース(※2)で活動されていた鈴木 勇介さん(慶應義塾大学・理工学部4年)が、それぞれ栄誉ある「山内奨励賞」を受賞しました。

第54回プログラミング・シンポジウムで山内奨励賞を授与されるサイボウズ・ラボの竹迫
第54回プログラミング・シンポジウムで山内奨励賞を授与されるサイボウズ・ラボの竹迫。賞状と金一封をいただきました。

山内奨励賞は、プログラミング・シンポジウムの創設と発展に尽力された故・山内 二郎先生の多大な御貢献を記念して「計算機のプログラミングに関する優れた業績を顕彰し研究を奨励することによって学術文化の向上発展に寄与することを目的」(「プログラミング・シンポジウム こと始め」より)として1984年に設けられました。

竹迫の論文タイトルは「x86 JITコンパイラ上で任意のコードを実行する方法(How to execute arbitrary code on x86 JIT Compiler)」(※3)。Webブラウザに搭載されているJavaScriptのJITコンパイラにおいて、任意のx86コードを実行するための方法が存在することを指摘し、そうした脆弱性を回避する安全なコード生成手法について考察したもの。

またラボユースの鈴木さんの論文は「ECMA 262 5.1に準拠した処理系の実装及び最適化(Implementation and Optimization of ECMA 262 5.1 Compliant Engine)」。ECMAの仕様に完全準拠したJavaScript処理系を独自に実装し、さらに最適化まで行ったものです。本研究は、もともと鈴木さんが自分で取り組んでいたものを、サイボウズ・ラボユースの活動として継続したものです。(編集部)


※1:2013年1月11日~13日
※2:サイボウズ・ラボユースは「世界に通用する日本の若手エンジニアの発掘と育成を目指すことを目的とし、学生の若手クリエイターに研究開発の機会を提供」するものとして、サイボウズ・ラボが実施している育成プログラム。
※3:山内奨励賞は、毎年冬に開催されるプログラミング・シンポジウムにおいて、前年に発表されたものの中から特に優秀と認められる研究に対して授与されます。


【変更履歴】 2013年1月21日:山内奨励賞の脚注にて「前年に採択された論文の中から」としていましたが、誤解を招くとのご指摘をいただきましたので、この部分を「前年に発表されたものの中から」と訂正しました。申し訳ありませんでした。