この記事は、CYBOZU SUMMER BLOG FES '25の記事です。

こんにちは。GaroonでQA(品質保証)エンジニアをしているすずりん🦒です。
25新卒としてサイボウズに入社しました。
現在は、報告された不具合の再現調査や不具合登録、リリース関連のドキュメント改善に取り組んでいます。
この記事では入社~配属までの流れや、勉強したことについてお話します。
QAに興味あるけど、未経験からどのように業務に入っていくの?
と思っている方への参考になれば幸いです。
注意
年次によって研修内容は変わる可能性があります。
目次
それぞれのフェーズについて、説明していきます。 人事研修が終わると、開発・技術系職種の新卒メンバー向けの研修があります。 ここでは各プロダクトの方針や使用している技術・手法の基本を学びました。 詳細な内容や講義資料はこちらの記事をご覧ください。
今年は新卒のQAメンバーが4名おり、1名ずつ別チームへの配属が予定されていました。
kintone開発チーム、共通管理機能の開発チーム、Garoon開発チーム、サイボウズ Officeのモバイル版アプリの開発チームの4チームを体験しました。
配属先候補チームの体験後に、プロダクトの配属が決定します。
私は製品の内部品質にも興味を持っていたので、テスト以外にも幅広い業務をしている点に魅力を感じ、Garoonチームへの配属を希望しました。 開運研修が始まったころから「新卒は全員別チームになる可能性が高い」と言われていたので、 配属後は、各チームで独自のオンボーディングが用意されています。
Garoonチームでは、まずプロダクトの基本機能を理解するための研修を行います。
ここで今後のテスト実施や不具合調査に必要な操作を学びます。 テスト用の環境を構築したり、APIを触ったり、パッケージ版Garoonや認証系・・・etcなど項目は様々です。 Garoonには複数のサブチームがあります。
そのうち、QAメンバーが所属している、Spica, Yukimi, Tsukimiの3チームを体験しました。 Spicaチームで約1か月 Spicaチームは不具合のハンドリングやリリース作業/改善、ドキュメント改善等
それぞれ担当業務の領域が異なるため、チーム体験で実際に学べることは貴重な機会でした。 Garoon開発チームの体制については、こちらもご覧ください! ここからは、それぞれのチーム体験で取り組んだことをご紹介します。 このチーム体験の目的は、配属想定のプロダクトチームや、開発メンバーについて知ることでした。
体験、と言っても未経験からいきなりチームに入って「今から試験設計に挑戦してみよう!」というのは難しい話です。
そのため、最初は先輩方の作業をモブで見て、分からない作業や考え方があった際に質問をしました。 4,5日目にはドライバーに挑戦して、すでに作成されていたテスト分析をもとに、実際に設計に挑戦することもありました。
1週間のサイクルの中で、
具体的には、行ってる作業の種類や、テスト設計のプロセス、スピード感、仕様書の使い方などです。 チームごとに、リリース回りの仕組みやタスクの管理方法、コミュニケーションの手段も違うことが印象的でした。 色々なチームがあったことで、業務やコミュニケーション方法など、自分がやりたいもの、合っているものについて考えることができました。
Garoonのサブチーム体験では、QAチーム体験に比べてより深く業務に入っていくことになります。
ドメイン知識もつけながら、今後の業務で直接的に活かせるような内容に取り組みました。 私は2024年の6月から、Spicaチームで内定者アルバイトをしていたので、Garoonに関する基本の研修はSkipしました。
Spica体験 Spicaチーム体験では、定期メンテナンスでGaroonをリリースするために必要な定常タスクを実施したり、不具合改修のオーナーを担当したりしました。 タスクを行う中で、Garoonのリリースまでの一通りの流れや、関係しているチームを理解することができました。
不具合改修のためにスプリントレビューに不具合を持っていくタスクも経験し、チームの全体的な動きへの理解が深まりました。 Yukimi体験 Yukimi体験では、PHPあいまい比較に関する不具合やセキュリティ関連のタスクを体験しました。 あいまい比較に関する詳細な取り組みについては、Yukimiチームのreoさんが記事を書かれているので、こちらもご覧ください。
不具合の原因調査では、再現手順の特定や、コードを見て原因箇所の調査もしました。 Garoonチームにいると、関連の不具合は担当する機会もあるので、調査方法や動作の仕組みについて知れる良い機会になりました。 Tsukimi体験 Garoonの新基盤であるNecoへの移行タスクの一部を実施しました。
体験を通じて、基盤移行の影響範囲や、移行の進捗を知ることができました。
基盤移行をした後の仕様や環境の立て方、ログの見方が分かったので、今後のタスクに生かしていきます。 不具合改修研修では、実際にある不具合をピックアップして、 テスト計画 > テスト分析 > テスト設計 > テスト実装 > テスト実施 のすべての工程を実施します。 今年の配属では、Webエンジニアの同期が居なかったので、先輩方に仕様を聞きながらテストを作っていきました。
各工程や作業に詰まったタイミングでメンターの先輩から丁寧にアドバイスをいただきました。 おかげさまで、期間中に無事にテストを終え、本番環境にリリースすることができました。 実際の不具合は参考書にあるような問題と異なり、前提条件の洗い出しが必要になる点に苦戦しました。
1からテストを作成することは初めてのだったので、考慮事項が漏れてしまったり、フェーズごとの目的があいまいになってしまったりして、テストの難しさを痛感しました。 SLPという制度を活用して、書籍ベースでの学習を進めました。
サイボウズでは、学習を業務時間に行うことが許可されているため、講義の隙間時間や、朝会までの1時間で学習をすすめました。 研修期間中は、kintoneアプリを作成して、自分の読みたい本や記事を一か所にまとめて管理しました。 特に、
この約3か月強のチーム体験期間を通じて、たくさんの業務知識を身に着けることができました。 内定をいただいたときには、テストの1つも行ったことがありませんでしたが、今では徐々にできるタスクも増えてきています。
最近は複雑な不具合の再現調査や改修判断材料の収集にも挑戦させていただいています。 また、チーム体験全体を通じて、たくさんの先輩方と関わる機会を持つことができました。
これからも業務の中で学びを深めて、一人前のQAエンジニアになれるよう頑張ります!入社から配属までの流れ
期間
内容
04/01~04/18
人事研修
04/21~05/23
エンジニア新人研修
05/26~06/20
配属先候補チームの体験
06/23
配属先決定
06/23~09/12
サブチーム体験
09/16
サブチーム配属
エンジニア新人研修
2025年のエンジニア新人研修の講義資料を公開しました配属先候補チームの体験
そのため、配属予定の4つのプロダクトで1週間ずつ業務を体験した後に、配属希望を出しました。
新機能を開発していたり、基盤寄りのテストを設計していたりと、チームによってかなり内容が異なっていたことが印象的です。配属とサブチーム配属
kintoneやGaroon等、配属先は年によってバラバラです。
この配属発表が一番緊張しました...。サブチーム体験
Garoonでは担当する領域ごとにチームが分かれているため、配属後にサブチーム体験を行い、最終的な配属先を決定します。
→Yukimiチームで2週間と不具合改修研修を3週間
→Tsukimiチームで2週間
の日程です。
YukimiチームはGaroonのセキュリティを維持・向上するための活動
Tsukimiチームはサイボウズの新基盤であるNecoへの移行や基盤関連の活動
を行っています。
Garoon開発チームを紹介します! 2023 - Cybozu Inside Out | サイボウズエンジニアのブログチーム体験の詳細
配属先候補チームの体験
各チーム1週間と短い時間でしたが、実際にチームに入って、先輩方とコミュニケーションを取りながらタスクに挑戦しました。
チームによっては、すでに設計されているテストの実施もしました。
見る→自分でやってみる→フィードバックをいただく
を繰り返すことができたので、QAの方が行っている業務に対しての理解が深まりました。
社内に存在するQA業務の全体像を見た上で、自分のやりたいことを探すことができたので、非常に良い経験になりました。サブチーム体験
研修やアルバイト期間の業務については、こちらをご覧ください。
25新卒エンジニア5人の内定者アルバイト体験記
PHP「あいまい比較」におけるテスト対象選定のプロセスをまとめてみた
DBを参照して値を確認したり、モブでテスト実施をしたりするタスクが多くありました。不具合改修研修
ここができないと手戻りが起こってしまうので、慎重にテスト分析を進めました。期間中勉強したこと
SLPとは?→メンバーの自主的な学びを支援する「Self-learning Program」がはじまりました!
【この1冊でよくわかる】ソフトウェアテストの教科書
と
ソフトウェアテスト技法練習帳 ~知識を経験に変える40問~
を読み込みました。これらの書籍は、解説が基礎から丁寧に書かれているので、0→1の知識を付けるにはぴったりでした。まとめ
今後分からない不具合が出たときに、「どこのチームの誰に問い合わせたらいいか」ということがはっきりしたので、コミュニケーションコストが下がったことを実感しています。