イベントレポート: Cybozu UXCafe「チームで取り組む!サイボウズのアクセシビリティ」

こんにちは、デザイングループ の小林(@sukoyakarizumu)です。

2018年11月28日に開催したイベント「UXCafe チームで取り組む!サイボウズのアクセシビリティ」についてレポートします。

発表中の登壇者と参加者の様子

イベントの趣旨

今回のイベントは、サイボウズのさまざまな開発チームがアクセシビリティに取り組んでいることを伝えるために開催しました。

サイボウズは、複数の開発チームがアクセシビリティの活動を進めています。また、特定の職能だけではなく、デザイナー、プログラマー、QA、TC(Technical Communication)など、さまざまな職能のメンバーが一緒にアクセシビリティに取り組んでいます。

今回は、「Garoonチーム」「TCチーム」「kintoneチーム」の3つの開発チームについて、アクセシビリティに取り組むノウハウや課題を共有しました。

発表内容

トーク1: Garoonチームのアクセシビリティ

Garoonの開発チームからは、職能の違う3人が、現在Garoonチームで進めているアクセシビリティギルド活動について紹介しました。

デザイナーの河内山(@kochitaku)は、ギルド活動の歴史とデザイン業務でのチェックや所感の紹介。 Garoonはアクセシビリティがデザインリニューアルのコンセプトのひとつになる実績もあります。(参考: Garoon 新デザインの紹介ページ)

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プログラマーの杉山(@oogFranz)は、アクセシビリティに配慮したHTMLやCSSを書いたときに、大きな工数が必要になってしまった課題について紹介しました。 特に、複雑なUIパーツを実現する際に、キーボード操作によって工数が膨れてしまったり、CSSやWAI-ARIAの指定が煩雑になってしまう問題を共有しました。

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QA(品質保証)の小関は、アクセシビリティに関する効果的な不具合の検出について発表しました。QAは、機能テストの合間にアドホックにアクセシビリティの不具合を見つける活動から始めましたが、検出されても優先度が低く設定されることが多かったようです。闇雲に不具合を検出するのではなく、実装した要件ごとに、アクセシビリティ対応した部分の試験をチェックリストに沿って実施するようにしていきたいと説明していました。

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トーク2: TCチームのアクセシビリティ

TCチームは、サイボウズ製品のヘルプサイトの制作や、製品の文言の決定・翻訳を行っています。 今回は、TCチームの山本と近藤が、サイボウズ Officeのヘルプサイトをリニューアルする際に行ったアクセシビリティ対応について紹介しました。

TCチームは、もともと社内のアクセシビリティ勉強会を通じて、アクセシビリティに取り組むと心に決めていました。 ただ、アクセスログやユーザアンケートを分析した結果から、 リニューアル前のヘルプサイトには、検索性やモバイル対応に課題があることがわかり、自然な結果として、課題を解決するためにはアクセシビリティに対応することが最適解という結論を導くことができたという話でした。

またデザインやマークアップについても共有しました。 ノウハウがあまりない中で、キーボード操作やコントラストを考慮した色の調整をするのは非常に大変で、アクセシビリティ対応を行った他チームの知見が役に立ったと、当時ことを、明るく振り返っていました。

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kintoneチームのアクセシビリティ

kintoneの開発チームからは、小林(@sukoyakarizumu)が、アクセシビリティ対応を普段の開発プロセスに組み込むにあたって、うまくいったこと・いかなかったことを共有しました。

現在自分は、できるだけ開発プロセスの中にアクセシビリティを組み込むようにしています。 開発チームが普段から行っているプランニングやモブプログラミングに一緒に参加して、アクセシビリティ対応を行ったりしています。 よりアクセシビリティを浸透させていくためには、アクセシビリティを特別視せず、できるだけ開発プロセスになじませ「日常化」することが重要だと考えています。

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総括

今回のイベントでは、サイボウズのさまざまなチームのアクセシビリティ活動について紹介しました。 複数のチームや職能のメンバーが取り組んでいることに感銘を受けたという意見もいただけました。

それぞれの創意工夫で様々な活動を行われていますが、すべてのチームに共通して言えることは「チームワークあふれる社会をつくる」というサイボウズの理想に根差してアクセシビリティ対応を進めていることだと思います。 これからも、多くのユーザがチームにアクセスできる製品づくりを進めていきます。