こんにちは、サイボウズ開発本部でQAエンジニアをしている谷口です。
ユーザー管理やログインなど、各サイボウズ製品共通で使う機能を開発している「Slash」というチームに所属しています。
サイボウズでは、QAエンジニアの活動についてより多くの方に知って頂くためのリレーブログ企画を6月から開催しています。 blog.cybozu.io
今回は、「大人の体験入部」制度を通して、SlashでのQAエンジニア(以下、QA)のお仕事を体験してもらった時の話をご紹介したいと思います。
大人の体験入部とは
「大人の体験入部」とはサイボウズのキャリア支援施策の一つで、
最短1日〜最長3ヶ月の期間で所属部署以外の部署に行き、実際の仕事を経験できる制度です。
サイボウズ内でとても人気の制度で、利用される理由も
- 将来のキャリアを見据えてちょっと体験したい
- 他部署のノウハウを学んで今の自分の仕事に活かしたい
などさまざまです。
下記リンク先で詳しく紹介されていますので、気になる方は是非ご覧ください。
メンバーの可能性を広げ、ミスマッチを減らす「大人の体験入部」とは?|サイボウズの舞台裏
今回体験入部したメンバーの紹介
- 人事本部内のTranslation&Interpretation部で英語/日本語の通訳、翻訳の仕事をしている
- エンジニアの経験はなし
- 仕事をする中でシステム開発の技術に関する文書を翻訳する機会があり、エンジニアの仕事に興味を持った
- 将来エンジニア系の仕事がしたいと思い、今回体験入部制度を利用することを決意
体験入部の受け入れ相談を受けた時にチャレンジを応援したいと思ったのと、 Slash QAとしても、良い刺激をもらい今後の活動に活かせる気付きがあるのではと考え、受け入れることにしました。
実施した体験入部コンテンツ
Week 1
まずは下記の書籍を読んでもらいました。
(2024年8月26日現在、リンクから書籍の詳細を確認することができます)
- 【この1冊でよくわかる】 ソフトウェアテストの教科書 [増補改訂 第2版] | SBクリエイティブ
・PART1 : ソフトウェアテストの基礎
・PART2 : さまざまなテスト技法 - ソフトウェアテスト技法練習帳 ~知識を経験に変える40問~:書籍案内|技術評論社
- SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発 電子書籍|翔泳社の本
テストの基礎知識やテスト設計を行う際の考え方などを知ってもらうと同時に、 Slashチームはアジャイル開発を取り入れリファインメントなどのスクラムイベントを開催しているため、スクラムに関しても学んでもらいました。
基本的には自分のペースで読み進め、気になったことがあれば質問という形で取り組んでもらいました。
Week 2
サイボウズ開発本部にはオンボーディング動画が幅広く用意されているのですが、
その中で下記の内容をピックアップして視聴してもらいました。
- セキュリティ
- Webアプリケーション基礎
- サイボウズのインフラ基盤
また、実業務の体験という面では、下記を行いました。
- 開発環境(テスト環境)の構築
- テスト実施する様子を画面共有しながら紹介
扱ったテストの内容
cybozu.comの管理画面から登録したユーザー情報が、他サービスに同期されるか確認するといった内容を扱いました。
ただ画面操作するのではなくDB操作やログの確認など幅広い作業が必要なものだったので、
普段どのようにQAがテスト業務を行なっているか、かなりイメージできたのではないかと思います。
Week 3
下記のように、実際に自分の手で各操作を実行してみてもらいました。
- 構成が比較的シンプルな画面のUIテストを実施
- ユーザー取得やユーザー更新するAPIを、curlコマンドやPostmanを使って実行
記述しているコマンドが誤っていればAPI実行が失敗するわけですが、「どこがどう間違っているのか?」を悩み考える時間も良い経験になったと思います。
Week 4
4週目も一部のテスト実施を取り組んでもらいつつ、自己学習に役立つような情報や応用的な情報を紹介しました。
- WEB上でSQL文を試すことができるツールDB Fiddleの紹介
- 通信キャプチャツールFiddlerの紹介、実際に使用してのテスト実施
- kintone JavaScript APIの紹介 はじめようkintone API - cybozu developer network
Fiddlerを使用するテストでは、キャプチャした通信の内容を一部改竄し、再度リクエストを送信するという流れを体験してもらいました。
こちらもエンジニア職ならではの操作だと思うので、普段の仕事ではやったことがない操作ができて面白かったのではないかと思います。
体験入部の受け入れをしてみて
およそ1ヶ月に渡る体験入部でしたが、画面テストだけでなく、API実行など幅広い業務を体験してもらうことができて良かったです。
新しい情報を紹介する度にポジティブな反応をもらえたので、受け入れ側も期間中楽しくフォローすることができました。
今回の体験入部での経験が、今後の仕事に役立ったり、キャリアを考える一つの材料になると嬉しいです。
受け入れ側としても、普段書き溜めているナレッジや業務内容を見直す良いきっかけになりました。
また、コミュニケーションする中で他チームの話を聞くことができ面白かったです。
今回を機に体験入部を受け入れる際のTodoを整理することができたので、また機会があればそのノウハウを活かし、より良い体験入部を提供できるようにしたいと思います。
体験入部したメンバーからは、下記のような嬉しい感想をもらいました。
QAエンジニアという仕事について面白いと感じてもらえたようで良かったです。
実は体験入部自体が初めてだった。
社内の技術系マニュアル翻訳にあたり、情報を検索して勉強する機会は多かったが、 体験入部中は実際手を動かして学ぶことができ面白かった。
手を動かしてみる方が効率よく学べる場合もあるとわかったので、今後も意識してみたい。
体験入部を通して、さらにエンジニアの仕事への興味が高まった。
今回体験したQAエンジニアは、テストするだけでなく、DB操作やログの確認、開発エンジニアなど他の職能者とコミュニケーション、スクラムMTGに参加など 想像していたより業務が幅広く面白いと思った。 特にSlashは、画面とミドルウェア両方に触れる機会があって楽しいと感じた。
今回の経験を踏まえ、改めて自分のキャリアを考えていきたいと思う。
終わりに
私たちは「チームワークあふれる社会を創る」という理念のもと、日々チームワークを支えるソフトウェアの開発に取り組んでおり、一緒に働くQAエンジニアの仲間を募集しています。
少しでもご興味を持っていただいた方は下記採用ページをご覧ください。