「言葉で製品を支える」TCチームのお仕事を紹介します!

これは、Cybozu Advent Calendar 2021の2日目の記事です。

こんにちは! テクニカルコミュニケーション(以下、TC)チームの米山です。
2021年1月にサイボウズへキャリア入社し、もうすぐ1年になります。
普段はテクニカルライターとして、GaroonのUI文言の検討やヘルプサイトの更新などを担当しています。

と、ここで「テクニカルライター」って何!?となられた方!そうなんです、「ヘルプやUI文言を作る専門職」には名前があるんです!

この1年の中で、たびたび痛感していることがひとつあります。
それは「テクニカルライター(UXライター)の知名度低すぎ?」ということです。

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テクニカルライターの知名度、低すぎ?

こんなに面白い「テクニカルライター」という仕事が知られていないなんてもったいない!
ということで、今回はサイボウズのテクニカルライターが所属しているTCチームのお仕事を紹介してみようと思います。
とはいえ、テクニカルライターの仕事は時代に合わせてどんどん変わっていくもの。
こちらは2021年12月現在のお仕事としてお読みください。

仕事の内容

TCチームは、「全世界のサイボウズ製品の利用者を言葉を通じて支える」というミッションのもと、サイボウズの製品開発の中で「言葉」を検討し、提案する役割を持っているチームです。
「言葉」のプロフェッショナルとして、下記のように多様な手段でユーザーの製品利用を支えます。

  • UIに表示される言葉を決める
  • ヘルプやリリースノートを執筆する
  • 全世界のユーザーに届けるため、ドキュメントを翻訳する
  • より深く製品の機能を活用するための、ユーザーサポートコンテンツを制作する

このような説明をすると、「意外といろいろな仕事をしているんですね!」と言われがちなTCチーム。以下では、業務の内容をもう少し詳しく紹介します!

ヘルプの執筆や更新

「テクニカルライター」という仕事を知っている方が最初に思い浮かべるのは、この「ヘルプの執筆や更新」ではないでしょうか?
サイボウズのテクニカルライターも、サイボウズ製品のヘルプの執筆や更新を行っています。
製品アップデートに伴う新機能の追加や仕様変更対応のほか、社内外の声をヘルプに反映する作業、より見やすいヘルプを提供するためのスタイル調整なども日々行っています。

ヘルプのイラスト作成

ユーザーにわかりやすく機能を説明するために、ヘルプ内でイラストが必要になることがあります。
そのヘルプ内のイラストも、TCチームで作成しています。
わたしの推しはGaroonヘルプに登場する「ヘルプルーさん」です。

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Garoonヘルプに登場するヘルプルーさん
かわいいですね。このイラストは実際にGaroonヘルプ内で使用されているイラストです。是非ヘルプ内を探してみてくださいね。
ヘルプルーさんについては、Garoonヘルプにはキャラクターがいるのですをご覧ください。

UI文言の検討

製品画面上のボタン名やエラーメッセージなど、製品上に表示される文言をまとめて「UI文言」と呼んでいます。
このUI文言を検討するのもTCチームの仕事です。プロダクトマネージャー(PM)やプログラマー(PG)、デザイナーの方と相談しながら、より適切な文言を検討しています。
Garoonでは、要件検討段階からプロダクトマネージャーやデザイナーと協業したり、現状の気になる文言を改善して実際のプログラムの改修まで行ったりする取り組みをしています!

翻訳関連業務

翻訳者として実際に翻訳をしているメンバーがいます。
社内に翻訳ができるメンバーがいる利点は、「翻訳しにくい文章になっていないか?」という観点からフィードバックが貰えることや、「ここはある程度意訳で大丈夫です!」という細かいコミュニケーションが取れるところです。
ちょっとした相談が事前にできたり、細やかなフィードバックが貰えたりなど、テクニカルライターとしていつも非常に助けられています。

とはいえ、すべてのドキュメントやUI文言を社内翻訳しているわけではありません。業務委託先に業務を依頼する場面もあります。
そのときの外部とのやりとりや、スケジュールの策定もTCメンバーが行っています。

リリースノートの作成

製品のアップデートのタイミングで、どういう点が変更になったのか、ユーザー向けに「リリースノート」を作成しています。
このリリースノートを作成しているのもTCチームです。
新しくリリースとなる要件を見て、ユーザーに伝えたいポイントは何か?を考えながら、執筆しています。

製品の活用度を向上させるコンテンツの制作

製品開発チームとして課題になっている「ユーザーの製品活用度の向上」に対して、従来のヘルプ以外の方法でアプローチをかけたい。
そんな思いから、Garoonで動画ヘルプをはじめました!
www.youtube.com

さらにコンテンツは「作って終わり」ではありません。ユーザーに届けることも大切です。
Garoonの2021年11月のアップデートでは、製品内のお知らせに動画ヘルプへのリンクを設定するなど、作ったコンテンツをユーザーに「届ける」活動にも取り組みました。

現在行っているユーザー調査で動画の需要が高いことが明らかになってきていること、またヘルプ内に設置しているアンケートでの反響も大きかったことから、これからもさまざまな動画を継続して作成していく予定です!
なお、これまで作成した動画はGaroonヘルプの動画で学ぶにまとめています。

仕事をするためにやっている取り組み

さまざまな業務を行っているTCですが、これらを実現するために、さまざまな取り組みを行っています。
この取り組みの一部を紹介します!

スクラムチームの一員として取り組む

サイボウズではスクラム開発が主流です。TCメンバーも、それぞれの担当製品の開発チームの一員として、業務に取り組んでいます。
スクラム開発の中でヘルプやUI文言を検討していく良さは、やはり開発チームの他メンバーとより協力しやすいところだと思います。
「情報を待つ」のではなく、スプリントレビューやリファインメントなどを通して「情報を取りに行く」環境でテクニカルライターとして働けることは、とてもやりがいがあって楽しいです。

アンケート分析

ヘルプにはアンケートが設置されています。

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Garoonヘルプのアンケート
このアンケートの内容を見て、ヘルプ改善に活かせないかを検討しています。
ユーザーからの声が直接聞けるアンケートは、ヘルプ改善の活力にもなっています。
(このアンケートのJavaScript実装も、TCメンバーが行っています。)

勉強会によるスキルアップ

テクニカルライターにはさまざまな知識が必要です。
テクニカルライティングやUXライティングの知識はもちろん、アクセシビリティやインクルージョン、インターナショナリゼーション、製品によってはLinuxの知識が求められることもあります。
このような知識を一人で勉強し続けるのはかなりの精神力が必要です。そのため、TCでは複数のメンバーを巻き込んで、特定のテーマの勉強会を行っています!
2021年はLPIC勉強会や、みんなで英語のカンファレンス動画を見る会などが開催されました。
英語の動画を見る会の様子については、ライティング力向上!テクニカルライターが見て良かった動画 -1年間のまとめ- 【Part1】をご覧ください。

おわりに

いかがでしたでしょうか?TCチームの仕事について、「ちょっとわかった!」と思っていただけたら、とても嬉しいです!

さて、この記事はCybozu Advent Calendar 2021の2日目の記事でした。3日目はあおいさんが担当します!25日まで、さまざまな部署に所属するメンバーが記事を公開します。是非最後までお楽しみください。