品質保証部の匠です。
2/21(水)に、Cybozu Meetup #11「アジャイルQA」を開催しました!
QAプロセスに特化したMeetupで、参加者が集まるか少し不安でしたが、
当日は50名を超える方々にご参加いただき、大盛況の開催となりました!
本エントリでは、当日の様子を紹介しつつ、私のトークセッションについての補足をしてみようと思います。
トークセッション
サイボウズでは多くの開発チームがスクラムによるアジャイル開発に移行しつつあります。
今回は、各チームのQAがどのようにアジャイルプロセスを導入しているのか、について事例紹介として3つのトークを実施しました。
アジャイルネイティブなQA by 三牧 麻美
新卒入社2年目の三牧 麻美が、開発中の新しいkintoneモバイルアプリの品質保証責任者として、 新規開発チームのQAプロセスをスクラムで構築する際に実践したことをご紹介しました。 アジャイル開発しか経験したことのないネイティブ世代として、 プランニング時から積極的に開発チームに関わり、試験バックログなどを駆使してQAプロセスを管理しています。
「開発チーム」とQA by 小山 晃久
こちらも新卒2年目の小山 晃久による、大規模グループウェアGaroonの開発チームについてのご紹介です。 QAとして各スクラムイベントにどのように参加しているか、試験設計に関する今後の課題などが挙げられました。 また、スクラムガイドにおける「開発チーム」の定義では各メンバーの役割による肩書はない、ということについて、 職能による部門構成のサイボウズでは、「開発チーム」"と"QAはどのように付き合うのがよいか、 といった疑問点の投げかけもありました。
QAにおけるスクラム導入 Before/After by 匠 史朗
www.slideshare.net
前の二人とは打って変わって、フレッシュ感の薄い中途入社10年目の匠 史朗が、
ウォーターフォールどっぷりの開発プロセスから抜け出す際の苦労話をさせていただきました。
お伝えしたいことがたくさんあり、、端折り気味だった内容の補足も少しさせていただきます。
スクラム導入の前後で、開発プロセス全般やQAプロセスの変化により、
リリースサイクルを大幅に短縮したり、慣例となっていた同時リリースをやめて
柔軟なスケジューリングに変更したりといった改善点がありました。
一方で、主にQAプロセスにおいては、従来の方式を引きずっている部分が多くある状態で、
リグレッションテストの回数が増えることによる疲弊感や、
試験設計の粒度を変更すべきかどうかといった悩みなどの問題点も見えてきています。
また、実装プロセスはバックログでの見積もりやカンバンでの進行管理などによるアジャイル化が進んでいますが、
QAプロセス自体はスプリント内で作業を進めるようなところまでは未だ到達できておらず、
単に実装が完了したタスクから順に試験設計を開始するというだけのミニ・ウォーターフォール状態に陥っている現状についても、
課題として挙げさせていただきました。
アジャイルネイティブな世代と違い、まずさまざまな変化を受け入れる必要があり、
当たり前に積み重ねてきた概念を一度ぶっ壊して思考を変えていかないと対応できない部分もありました。
今までの経験は大事にしつつも、変化できないイタイおじさんにならないように
今後も日々精進していきたいと思います!
懇親会&パネルディスカッション
トークセッションの後は、懇親会と並行してご来場の皆さんからいただいた質問に回答する形式でパネルディスカッションを実施しました。
パネルディスカッションには、アジャイルな品質保証について多数の発信をしておられる 株式会社日新システムズの永田 敦 さんをスペシャルゲストにお迎えしました。
永田さんは、昨年の2月に社内で開催した「アジャイルとQA(DevQA)」に関する勉強会にもお越しいただき、 様々なアドバイス等をいただきました。 それが、サイボウズにおけるアジャイルQA化を推し進める大きなきかっけとなっています。
会場から40件以上の質問を頂戴し、登壇者や永田さん、場外からも何人かのメンバーを引っ張り出して 質問に回答することができました。
いくつかの質問と回答の概要を載せておきます。
・QAよりアジャイルQAの方がお給料増えますか?
→それだけでは増えません。
アジャイルにすることはひとつの手段であって目的ではない。
ただ長い目で見れば、チームへの貢献度が上がれば必然的に上がるかも?
・QAの採用ってどんなポイントを見ているんですか?
→行動面でサーバント特性(献身性、癒し属性)があるとよい。
・QAとPGの人数の比率はどのくらいが良さそうと思いますか?
→組織の構成やチームの状況次第なので一概には言えないが、
最低でもそのドメイン専任のQAを1人は置く方がよい。
・専任でQAがいない会社にどうQA的なポジションを作ってくか?
→全員が必ずしも専任である必要はない。
QAマインドを持ったエンジニアが理想かもしれない。
・リモートでコミュニケーションする時のコツは何ですか?
→チームメンバーが、一度はリアルでコミュニケーションした方がよい
リアルでコミュニケーションしているかしていないかで障壁の下がり具合が格段に違う
・アジャイルQAを目指す人が読んだほうがよい書籍はありますか?
→スクラムガイド、ソフトウェアテストの教科書、アジャイルレトロスペクティブ、エッセンシャルスクラムなど。
輪講などをしてチームで同じ本を読むと、認識の齟齬がなくなって浸透しやすい
・アジャイルな開発になるとテストの粒度とかも変わってくるのでしょうか?実施するテストケース自体は変わらない?
→単純に減らしていいということではなく、原則的には変わらない。
PBIのサイズが限定されるので、試験項目が多くなりすぎず、逆に細かくなったところもある。
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。
ご来場の皆様や中の人たちによる当日のTweetを以下にまとめましたので、是非ご覧ください。 togetter.com
今後もQA関連のMeetupを開催予定!
今回ご好評をいただきましたので、QA関連のMeetupを今後も計画する予定です! ご興味ある方は、connpassグループ「Cybozu Inside Out」をフォローして、情報をチェック頂ければと思います。
We are Hiring!
サイボウズでは、今回のテーマであるアジャイルQAに興味をお持ちの方を含め、
QAエンジニアの新卒/キャリア採用募集を行っております。
東京に限らず、松山や大阪(応相談)でも同様の募集を行っておりますので、
地方での転職やU/Iターンをお考えの方も、是非ご応募お待ちしております!