コネクト支援チームの西原です.
11月13日の金曜日に「さくらの夕べオンライン〜サイボウズさんといっしょ!〜」を開催しました.
開催当日の様子は以下の動画からご覧いただけます.今回,ご協力いただいたのはさくらインターネット「コミケユニット」の皆さんです.コミケユニットとは?????という方は動画の 17:40 からの前佛さんの発表にてバッチリ説明されていますので,そちらをご覧ください.
開催報告はさくらのナレッジに掲載されていますので,ここでは開催に至るまでの昔話をお話します.
開催に至った思い出話
コロナ禍の渦中 7 月か 8 月頃に社内(のZoom)でコネクト支援チームの風穴さんと西原の二人でザツダン時間を満喫中に出た話が発端でした.オフラインでのイベントができていない中,大変前向きでいい話だなと思った記憶があります.
偶然 LOCAL *1 の定例会後の時間で,お世話になっているさくらインターネットの三谷さんがいらしたので雑におはなししてみたところ「ああいいね」くらいでふわーっと過ぎ去り,言い出しっぺの自分も忘れかけていた 9 月の末にさくら側も乗り気だからやるべという連絡がやってきて,実際に動くことになったのです.
社内のザツダンで出た動機
- 社外の人たちと一緒にイベントやりたい
- 別の会社の同じようなことやってる人たちと話す時間をとりたい
という 2 点が主の動機でした.これを達成するためには...... と動き始めます.
社外の人たちと一緒にイベントやりたい
オンライン化の流れの中でオフラインのときほど複数社での共同イベントが多くないのではないか?という肌感覚があったことにはじまります.コネクト支援チームの久宗さんと西原の 2 人で,毎週木曜日に今のイベントを知るための会を開いているのですが,その中でも
- イベント数自体が前年度に比べて減少傾向であること
- 規模が大きく YouTube での配信があるイベントが参加者数も伸びていること
- 多くの場合ある一団体が開催しているイベントだったように思います
- 小さなイベントや Zoom で展開しているイベントが苦戦しているように見えること
- これは交流を主目的にしたイベントが苦戦しているとも見えた
という状況がなんとなく掴めてきました.自分の家でテレビ的につまみ食いできるコンテンツであることが求められ,家という生活優勢の空間で拘束されることが好ましくないという思いの現れのようにも感じました.
結果として,コンテンツを持っているところやキレイに配信する技を持ったところに参加者が集中し,しかし懇親会は閑散としオフラインイベントのような熱の高まりや密な交流を再現するに至らず,という状況が出来上がったのかなと推察します*2.
という個人的な思いの高まりから,オンラインイベントでの人の動きや交流が少ない状況を打ち壊すために,自分たちだけで完結しないイベントを開き,運営側だけでもイベント企画から実施までの交流時間を確保しつつやるのはどうかと考えました.
別の会社の同じようなことやってる人たちと話す時間をとりたい
ということでイベント内のコンテンツをどうするか考えました.技術ネタを揃えてもいいけれど自分たちのこれからも踏まえて「コネクト支援チームと同じような活動をしているところと知見をぶつけ合いたい」という話に落ち着きました.我々コネクト支援チームの活動はざっくりまとめると以下のとおりです.
- サイボウズのことを IT エンジニアの活動を通じて知ってもらう
- 社内の IT エンジニアが外で発表したり活動したりできる場を拓く
- 社内外問わず IT エンジニアやそれを目指す人たちが自由に学び,活動する場を支援する
実は IT コミュニティ等に深く入って活動している年数で考えると,こちらはそう長いメンバーが揃っているわけでもないので胸を借りるつもりでいくという方針が立てられました.経験量の多い人たちの話を聞きに行って修行するイベントと位置付けることで,我々の学びになるのは明白です.
さっと頭に思い浮かんだのがさくらインターネットさんでした.IT コミュニティ歴が長い人たちが活動していて,長らく Open Source Conference にも出展している姿を横で見ている限り IT コミュニティにも理解 *3 があり...... と我々が勉強したい全てを持っており,しかも,偶然にも西原が長らくお世話になっている人の中にさくらインターネットの方がいるという完璧な状況をみすみす見逃すわけもなく,今回のイベントに至ったのです.
会を終えて
開催報告にもあるとおり,メインコンテンツでは素晴らしい知見をたくさんいただき,これは大変よい会だったと自画自賛したい気持ちでいっぱいです(もちろん素晴らしいのは他の皆さんのご協力あってのことです).後の懇親会では参加者の皆さんも交えて意見交換できて大変有意義な時間となりました.話の種は,地方での活動展開をどうするか,やるだけやるって形じゃなくて続くようにする苦労,社内の IT エンジニアがこういった活動に入ってきてくれるにはどうすればいいだろうか,などなど答えの出ないものもたくさんありましたが,これからの活動の糧になったことは間違いありません.
実はこの会の一番の収穫は懇親会ではないかと勝手に思っています.林さんが取り仕切られたこの懇親会の運びは大変優れたもので,オフラインの頃の懇親会と同じように「強い意志でついていく」が実現されていたのです.オフラインの懇親会だと二次会に「ついていく」つまり,流されるとすれば一次会で終わりだったのですが,従来のオンライン懇親会だと二次会に「移行する」ので,流されるとすれば一次会では終わらないのです.
自分から言い出せない人が苦しまないという観点においては,オフライン懇親会のように「自ら選択して二次会に入る」形は非常によいものだと感じました.いや,オンラインでも同じだろう,と考えるかもしれませんが「自ら選択して二次会に入る」のと「自ら選択して一次会で抜ける」のはエライ違いでないかなと思っています.
この絶妙な懇親会の試行錯誤はまだ続いており 12/25(金) 19:00 開催の「さくらの聖夜2020」でも堪能できるようです.これは参加待ったなしですね.
また試合したい
今回は法林さんがいらっしゃるので,試合形式以外には考えられなかったのですが,大変楽しいものでしたので,これはまたやりたいと思っているところです.ある技術分野に絞っての 5 vs 5 もいいですね.今回の内容と近いところで,別の企業さんとやるのもいいですね.社内外でこの分野でどうだ!とかコネクト支援チームと似たようなことやってるから一緒にイベントどうですか!とかそういうお声掛けをいただけると,大変ありがたい限りです.ぜひぜひお声掛けください!
ということで,いい試合だったという記録でした.
*1:北海道の IT コミュニティのために活動する一般社団法人です.
*2:地方等でオフラインだろうと新規開拓に苦戦しているところは,オンラインになったところで状況変わらずというところかもしれません.ちなみに,自分の古巣である旭川や富良野の勉強会では,数年ぶりに参加できましたという懐かしい顔ぶれがちょこちょこ現れることがあり,オンラインの利点を感じているところです.しかし,これも元々つながりがある人たちに限るので,ある種貯金を切り崩しているような感じです.
*3:西原の守備範囲かつ独断と偏見で補足すると,実に企業が IT コミュニティに入っていくというのは非常にデリケートなもので,元々ある文化圏をいたずらに破壊しないようにやらねばならんのです(そう思っているのは自分だけかもしれませんが......).自分自身が 2010 年頃から地方で草の根的に IT コミュニティに参加したり,運営したりする中で感じたことを今も忘れずに活動するよう心がけています.この純粋に技術と向き合う会である IT コミュニティをビジネスや採用の場として使おうという流れが加速した頃,これはイカンということで「採用活動はご遠慮ください」などと言った注意書きを書かざるを得なくなったコミュニティもたくさんあった記憶があります.
その後「コミュニティ」という言葉がふわっとした状態のまま,多様な解釈を抱えて広まっていきました.そうしてコミュニティという「手法」が広まり 90 年代あたりから続く空気感での IT コミュニティとはちょっと違ったコミュニティが増えたようにも感じます.この絶妙な空気感の違いを理解しながら活動するにあたり,さくらインターネットさんのコミケユニットの皆さんの知見は大変貴重なもので,お話を聞かないわけにはいかないと感じたのです.