「ソフトウェアテストをカイゼンする50のアイデア」勉強会を開催したら、 濃い議論ができた話

「ソフトウェアテストをカイゼンする50のアイデア」勉強会を実施しました!

こんにちは!Officeチーム所属のAndroidエンジニア、宮﨑(@Tirobou999)です。

先日、社内で 「ソフトウェアテストをカイゼンする50のアイデア」の勉強会 を実施したところ、 テスト改善のモチベーションの高いメンバーが多く集まり、議論が非常に盛り上がりました。

皆で議論している中で、非常に中身の濃いアウトプットが出てきたので、 これを 社外に発信しないのはもったいない と思い、今回ブログを書かせていただきました!

勉強会を開催した背景

今回、勉強会を開催した理由ですが、

先日行われたJasst2024に参加した際、 Fifty Quick Ideas To Improve Your Tests」(日本語訳:「ソフトウェアテストをカイゼンする50のアイデア」) について紹介されているセッションがあり、

この本を使った勉強会を開いたら面白いのでは?と思ったのがきっかけです。

社内に向けて、勉強会の開催を提案したところ、 なんと24人の方が参加表明してくれました!(当日参加は、18名)

集合写真
集合写真

勉強会の流れ

今回の勉強会は参加人数が多く、議論に参加できない人が出るのを防ぎたかったため、 Zoomのブレイクアウトルームと、Miroを活用しました。

勉強会の流れは以下になります。

1. Chapter1の章の中から、自分が気になるアイデアに投票してもらう

「ソフトウェアテストをカイゼンする50のアイデア」には、 Chapter1~5が存在しますが、今回はChapter1を取り扱いました。

参加者には、まずChapter1で紹介されているアイデアの中から、自分の興味のあるアイデアに投票してもらいました。

Chapter1への投票
Chapter1への投票

2. ブレイクアウトルームに分かれて、投票数の多かったアイデアについて議論

続いて、それぞれ担当している製品(kintone、Office、Garoon)ごとにブレイクアウトルームに分かれて、 ルームごとに投票数の多いアイデアに沿って、議論してもらいました。

2.1. Garoonチーム

選ばれたアイデア

  • テストセッションをモブで行おう

出された意見

  • 属人化を防げる気がする。プログラマーでも試験が完了できる。
  • 現状、テスト計画はプランニング時にできている。
  • 前に回帰試験で、モブでテストを実施したのが良い経験だった。(プログラマー)
  • モブでやると、気になったものがすぐに共有できた。バージョン差異などの不具合の切り分けもやりやすかった。

Garoonのボード
Garoonのボード

2.2. kintoneチーム

選ばれたアイデア

  • 実現手段と同様に、ユーザーがメリットを享受できるかどうかも確認しよう
  • 関係者と品質に関する全体像を定義しよう

出された意見

  • 「FeatureではなくCapability」に似ている。
  • サイボウズだと、まだ手動で機能テストをしている割合が多いので、探索的テストに寄せていきたい。
  • 仕様化ワークショップは、リファイメントでやっていることっぽい。
  • 試験設計やテストそのものもモブでやりたい。

kintoneのボード
kintoneのボード

2.3. Officeチーム

選ばれたアイデア

  • 関係者と品質に関する全体像を定義しよう
  • フィーチャーではなく、ケイパビリティ(能力)を探索しよう

出された意見

  • 品質を考えなくちゃいけない人が、フェーズごとに変わるものだなと思うことがあった。フェーズとは、実装、機能試験、取り込み時の回帰試験。
  • ユーザーのやりたいことを達成できるのが、ケイパビリティ(能力)。PBIのような機能レベルの話だけでなく、ユーザーのやりたいことが達成できているかというレイヤーまで、言及したほうがいいよねというのが筆者の言いたいこと。

Officeのボード
Officeのボード

参加者の声

勉強会に参加された方の声を紹介します。

  • 他のメンバーが、どの部分に興味もっているか可視化されて面白かった。
  • 人数はおそらく当初の予想の数倍の中、ちゃんと読書会として楽しかった。普段話せてなかったような「こんなことやってみたいと思ってる」って話ができて良かった!

全体的に「参加してよかった」という声が多かったので、安心しました。

今回の勉強会は、本を読んでいない人でも参加OKにしており、 読んでない方でも議論に参加しやすいように、各アイデアの要約を事前に用意して、Miro上で閲覧できるようにしておりました。

ただ、要約を別途読んでもらう時間がとれなかったのと、 あくまで要約は要約なので、本の内容を十分に理解してもらえるわけではなく、

  • 事前に本を読んでくれば、もっと有意義な議論ができたかも。
  • 文量も多くなかったので、全員読んできての参加でも良かったかも。

というような意見が多く見られたので、 次回の勉強会では、改善していきたいと思います!

さいごに

今回は、「ソフトウェアテストをカイゼンする50のアイデア」の勉強会について、紹介させていただきました。

当初予想していた人数の数倍の参加者でしたが、無事に終わってよかったです!

今回は、Chapter1を取り扱ったので、 次回勉強会では、Chpater2を取り扱いたいと思います。