こんにちは、東京品質保証部の新関です。
2017年に入り、ちょうどテストエンジニアリングチームを設立して一年が経ちました。設立からのテストエンジニアリングチームの活動が、開発組織へどのような影響をもたらしたのか、紹介したいと思います。
テストエンジニアリングチームとは
まず、テストエンジニアリングチーム(以下TE)の説明から簡単にさせてください。サイボウズのTEは『枠組みを超えて品質/生産性の向上に貢献する』をミッションに設立した、プログラマーとQAのジョイントチームになります。
www.slideshare.net
@miyajanの紹介資料にもありますが、2016年1月に3名でキックオフし、テスト自動化の推進を主に行っています。
TE設立背景は紹介資料にある通り、内部環境の変化により、品質保証への要求も変化し組織自体も最適化していく必要があったというのは勿論なのですが、これまでの自動化アプローチで困っていた諸問題(コスト、自動化が定着しないなど)についても専門でなんとかしていきたい!というメンバーの強い思いも設立要因になっています。
2017年現在、TEのメンバー数は東京6名、ベトナム3名、上海2名の計11名で活動をしています。
以下、時系列順に昨年の活動を振り返っていきます。
1年を通しての活動
2016年 前半
@miyajan含め、3名でキックオフしました。いきなり自動化を進めました、というわけではなく、活動の指針を定めるため、これまでの自動化の整理、共通認識、理想のすり合わせについての議論をひたすら重ねました。
チーム方針に対する議論が中心であったため、他部署に対して役立つようなアウトプットを出すことができず、もやもやする気持ちがありましたが、この時期に共通の理想/方針が定めることができたおかげで、
- 徹底的に議論する文化の醸成ができた
- 理想が共有できているため、事をスムーズに運ぶことができるようになった
と思っています。併せて、TEの活動プロセスを初期段階で決め、その内容に沿った形で活動を開始しました。
2016年 中盤
上海、ベトナムと各拠点において立て続けにテストエンジニアチームを設立し、キックオフしました。日本ではプロダクトチームへ自動化に関するヒアリングを実施し、その中で依頼のあった自動化、CI改善などに取り組みました。ヒアリングをする傍ら、海外拠点で実施する自動化を選別して実施依頼するなど、かなりドタバタした時期でした。
このヒアリング活動や依頼への対応を進めると、各プロダクトで実施されている自動化は独自色が強く、知識も技術スタックもバラバラであることがわかってきました。少ないTEメンバーで、複数のプロダクトの独自システムをサポートをしていくことはなかなか難しく、効率もよくありません。これを統一していくことは多くの時間とコストを必要とすると思われますが、共通化することによるメリットも大きいのではないか、という意見が出てきたのがこの時期でした。
一方で社内イベントでTEの取組みを紹介するTE Cafeを開催するなど、社内に対して新設されたTEを認知していただく活動も開始しました。
2016年 後半
引き続き共通基盤についての議論。海外TEメンバーが来日し技術交流会を開催、STFやモバイルテスト自動化についての調査発表などがありました。
技術交流会の後は、あれよあれよという間に一年が。。。\(^o^)/
開発組織にどんな影響があったか
1年の活動を通して下記の影響が出てきました。
プロダクトチームへのヒアリングによる効果
カジュアルなヒアリングを定期的に実施することで、プロダクトが抱えている問題を把握し、自動化に関する相談や依頼を掘り起こすことができました。その結果、以下のような効果がありました。
- プロダクト独自の自動化の問題点の発見と改善
- テスト自動化がうまく運用されているチームの手法の横展開
- 自動化されていない、自動化が廃れてしまっていたチームへの自動化再導入
- 環境を整えることによる自動テスト工数の削減
自動化を意識した開発計画
開発計画立案時点で、開発チームとTEの間で自動化の推進について議論が交わされるケースが増えていきました。
メンバーの増員
もともと自動化に興味を持っていた開発メンバーにjoinしてもらうことができました。
キャリアパスの一つとしての認識
QA内でキャリアパスの一つとして認識されてきました。
今後に向けて
よりアウトプットを増やしていく
この1年は、方針の策定やヒアリング、人員の増強といったいわば「準備の期間」でした。
今年は、前年よりもより多くの改善活動を、開発者やQAにわかる形で提供できればと思っています。
自動化は勿論、より品質/生産性を高めるためのアプローチの検討
テストエンジニアリングチームは、テスト自動化を推進して円滑にテストが完了することが使命です。
が、それだけにこだわらず、自動化以外にもより品質/生産性を高めるアプローチがないか検討していきます。
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