エスカレーションエンジニアという職種と業務について

Garoon開発チームのエスカレーションエンジニアでアシスタント人材マネージャーの酒井(@sakay_y)です。 この度、Garoon開発チームでエスカレーションエンジニアという職種を作ったので、その目的や業務内容について紹介します。

新しくチームが出来たんですか?

今回定めたのは「エスカレーションエンジニア」という職種であって、私達のチームや業務自体は前から存在しています。 ですので、ミッションや業務内容については、以下の記事やスライドからほとんど変わっていません。

note.com

サイボウズの日常 Garoonテクニカルサポート編 / Cybozu Tech Meetup #9 - Speaker Deck

今回の投稿は、エスカレーションエンジニアとは何かを簡潔に紹介することが目的です。

エスカレーションエンジニアとは?

日本ではあまり馴染みが無い職種ではないかと思います。私自身も、今回職種名を考える中で他社事例を調査していて、初めて耳にしました。 海外の企業では「Escalation Engineer」という採用情報がいくつも見つかりますので、日本よりは認知のある職種なのではないでしょうか。

では、どういった業務をするのか説明します。

サイボウズのカスタマーサポートには様々なお問い合わせが寄せられますが、その中でカスタマーサポートチームだけでは解決できない技術的に高度な問題が、私達にエスカレーションされます。 私達はカスタマーサポートのメンバーと協力しながら、ソースコードやログ、時にはユーザーのデータなど、特別な許可を持って調査にあたります。 私達の後ろには、もう誰も居ません。私達は、ユーザーが被った問題を解決する最後の砦なのです。

Garoon開発チームのエスカレーションエンジニアは、主に3通りのルートから調査依頼を受けます。

  1. カスタマーサポートに着信したお問い合わせのうち、技術的に高度な問題の調査(サイボウズのカスタマー本部から依頼)
  2. cybozu.comで起こった障害や不審な挙動の調査(サイボウズの運用本部から依頼、Garoon PMから依頼)
  3. その他、Garoonの挙動に関する調査(Garoonチーム内から依頼)

ユーザーと直接コミュニケーションすることは極めて稀です。

エスカレーションエンジニアチームの目的

エンジニアの皆様の中には、通常の開発業務をしながら上記のようなお問い合わせの対応をしている方もいらっしゃると思います。 サイボウズの開発本部でも、チームによってはそのようにしています。

なぜGaroon開発チームでは専門の職種を作り、エスカレーションエンジニアのチームを作っているのでしょうか。 それは、ユーザーの価値を最大化するために必要だと考えているからです。

ユーザーが被った問題は、即座に解決する必要があります。長引けば、Garoon開発チームの提供する価値が下がります。 開発チームが問い合わせ対応すると、開発の手が止まってしまいます。これも、Garoon開発チームの提供する価値が下がります。

これらの価値の低下を防ぎ、全体での価値提供の最大化を目指すために、Garoon開発チームにエスカレーションエンジニアが存在しています。

なぜエスカレーションエンジニアという職種を作ったのか?

さて、これまでの業務やミッションを聞くと、次のような職種にも聞こえます。

  • テクニカルサポートエンジニア
  • Customer Reliability Engineer(CRE)

しかし、これらの職種の業務内容は、各社で様々です。 たとえば、ユーザーとコミュニケーションが発生するかどうか、カスタマーサクセス領域まで担当するかどうか、などです。

私も、当初は上記の職種を名乗るべきかと思っていました。 ですが、他社事例を調査していくうちに、私達の業務を一番正確に表すことができるのは「エスカレーションエンジニア」だと確信し、そう名乗ることにしました。

今後の展望

エスカレーションエンジニアという職種

エスカレーションエンジニアは、まだまだ日本で認知が少ない職種です。 日々の業務に誇りをもって名乗っていくことで、皆さんに認知されていければ良いなと思っています。

私達の業務

究極の理想を言えば、私達のサービスを使ってくれるユーザーが、まったく困ることが無く、私達の仕事がなくなる方が良いのです。(その時は、Webアプリケーションエンジニアとなって、サービスを開発します!)

でも、多くのユーザーが使ってくれて、私達が次々と開発していく以上、それは難しいことです。私達は、ユーザーのお問い合わせが少しでも無くなるように、少しでも早期解決できるように、製品や体制を強化していきたいです。 具体的には、不具合を改修したり、監視を強化していち早く異常を検知したり、ログ解析ツールを効率化したり、といったところです。

もちろん、現状のお問い合わせには、迅速な問題解決を目指して対応し続けながら、です。

We are hiring!!

実は、現状チームには人的な余裕がありません。 お問い合わせの対応品質をキープすることはやれていますが、今後の展望に書いたような取り組みは細々としか進められていません。 メンバーの誰かが長期離脱ともなれば、対応品質が下がってしまう懸念があります。

エスカレーションエンジニアとして、ユーザーに寄り添いながら活躍できる方を探しています。

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