こんにちは、OSS推進室長の岡田(@y_okady)です。 先日公開したOSSポリシーについて、たくさんのご意見をいただきました。ありがとうございます!
その中の一つに、労務管理上の懸念についてのご指摘がありました。上長からの指示がなくても、業務利用しているOSSの休日個人開発は業務にあたるのではないか、というものです。
僕としては、OSSガイドラインの導入にあたっては社員が無意識の時間外労働をしないよう会社側に留意してほしい、そのことは会社のリスク管理と、社会全体の労働者保護につながることであるし、労務管理について理解することは社員本人にとっても有益であろう、というあたりかしら
— Kazuho Oku (@kazuho) 2018年9月11日
これについて、社員のオープンソース活動を支援する役割を担う「OSS推進室(OSPO)」で話し合って見解をまとめたのでご紹介したいと思います。
技術系イベントへの参加は業務か?
OSSの休日個人開発の話をする前に、技術系イベントへの参加について考えてみます。
サイボウズでは、業務に役立つ技術系イベントへの業務としての参加を推奨しています。イベントの規模は問わず、小規模な勉強会でも大規模なカンファレンスでも業務として参加可能です。業務として参加する場合、交通費や参加費を支給します。休日に参加する場合は休日出勤になります。もちろん、業務外で参加したいということであれば業務としての参加を強制することはありません。
この方針を明確に打ち出したのは3年前ですが、それ以前も業務としての参加を禁止していたわけではありません。しかし、業務として参加したいと申し出る人はほとんどいませんでした。参加を指示されたわけではない、自分が参加したいだけのイベントに業務で参加してもいいなんて誰も思わなかったのでしょう。
社員の自主的な取り組みを会社としてサポートすることで、社員はスキルアップや学びの機会を増やすことができ、結果的に会社への貢献に繋がると考えてこのような方針を取っています。
技術書は経費で購入可能か?技術書を読むのは業務か?
技術書の購入もこの方針に基づいて、業務に役立つ技術書を(福利厚生費ではない)経費で購入することができます。たとえばRustの勉強をしたいエンジニアがいたとして、担当業務でRustを使っていなかったとしてもRust本を購入可能です。
経費で購入した物でも私物でも、業務に役立つ技術書は業務時間中に読むことができます。休日に読む場合は休日出勤になります。一方で、業務に役立つとしても技術書を読むのは業務ではない、なんの強制もなくカフェでコーヒーでも飲みながらのんびり読みたいんだ、と考える人もいます。技術系イベントへの参加と同様に、業務外でのんびりと読んでもらって構いません。
OSSの休日個人開発は業務か?
ようやく本題です。上長からの指示がなくても、業務利用している(業務に役立つ)OSSの休日個人開発は業務にあたります。ただし、技術系イベントへの参加や技術書の読書と同様に、業務としての開発を強制することはありません。
自分の好きなOSSを自分のペースで楽しく開発したいのであれば、業務外で開発する方がきっと幸せだと思います。
おわりに
サイボウズでは、社員の自主的な取り組みを会社としてサポートすることが、社員のスキルアップや学習に繋がると考えています。また、サポートは強制するものではなく、社員が望めばいつでも利用できるものでありたいと思っています。社員には、上長からの指示ではない自主的な取り組みであっても業務になり得ることを理解してもらった上で、業務とするかどうかを自身で判断できることを期待しています。
それでは、引き続きサイボウズのOSSポリシーへのご意見をお待ちしております!