サイボウズサマーインターン2019 報告 〜品質保証・セキュリティコース

こんにちは!開発本部の田村です。 今年もサイボウズではサマーインターンを開催しました。 本記事では、品質保証・セキュリティコースについて紹介します。

コース概要

このコースでは、サイボウズで品質保証活動がどのように行われているのかを実際の業務を体験しながら学んでいただきました。

サイボウズにおける品質保証活動とは、開発した製品がユーザーの期待するものと合致するか、または期待以上のものになっているかを確認することです。 サイボウズではセキュリティも製品の品質であると考えているため、品質保証と同じコースに含めています。

5日間のインターンのうち、前半は品質保証、後半は製品セキュリティに関する内容を扱いました。 3回の日程を通して計8名の学生さんに参加していただきました!

品質保証

コース前半は、kintoneチームで実施している品質保証業務を3つ体験していただきました。

仕様書作成

仕様書とは、製品の機能や要件を示したドキュメントです。 kintoneチームでは、プログラマーと品質保証エンジニアが一緒に仕様書を作成しています。 製品を作り始める前に機能や要件を文章に書くことで、製品がどう動くのが正しいのかについてチームメンバー全員が共通の理解を得ることができます。

インターン生が仕様書を作成した機能は、「アプリアクションでラジオボタンからラジオボタンへ転記できるようにする」です。 これは2019年8月にリリースされた新機能の一つです。既存のアプリアクションの仕様書に、今回の変更点であるラジオボタンに関する機能を追記しました。

仕様書はモブ作業で作成しました。モブ作業とは、みんなで一つの画面を見てディスカッションしながら進めていく形式で、サイボウズではよく使われています。 後から読む人にも正しく仕様が伝わるように、分かりやすい日本語をみんなで工夫しました。 お互いに意見を言い合い様々な視点で考えた結果、読みやすい仕様書が完成しました!

モブ作業の様子
モブ作業の様子

試験設計と試験実施

1日目に作成した仕様書をもとに、試験設計と試験実施を体験していただきました。 試験は製品が仕様通りに動作することを確認するために行います。どんな試験を実施するか考えることを試験設計といいます。 個人作業で必要な試験とその手順を書き出し、試験仕様書を作成してもらいました。 作成した試験仕様書はインターン生同士で、または社員も含めてレビューしました。自分だけでは気づけなかった観点を追加し、機能を網羅した試験仕様書が完成しました!

この試験仕様書をもとに試験を実施して、製品が仕様通りに動作することを確認してもらいました。

試験仕様書
試験仕様書

不具合管理

製品を使っている社員やお客様からの報告で、製品の不具合が発見されることがあります。 過去に実際にあった報告内容を見て、製品として正常な動作なのかそうでないのかを調査し、報告者に返答するまでを体験してもらいました。 不具合であるとわかった場合は、不具合を管理するアプリに再現手順、再現環境、深刻度などを記入してもらいました。

さらに不具合や質問を報告する側の体験として、インターン生がkintoneを使って不自然だなと思ったことがあれば自由に意見を書いてもらうようにお願いしました。 自社で開発した製品を自分たちで使って意見を言う、というサイボウズの特徴をお伝えしました。

ランチ・面談

ランチや面談を通じて、興味のある分野についてインターン生が社員から話を聞けるようにしました。テスト自動化やマネジメントなどの話題が出ました。

製品セキュリティ

コース後半はCy-PSIRTが普段行っている製品セキュリティ業務の体験です! セキュリティテストに必要な知識を講義で学んでいただいた後、以下の内容を実施しました。

  • 過去のバージョンに存在した脆弱性のハンズオン
  • 脆弱性評価
  • セキュリティテスト仕様書作成
  • セキュリティテスト

サイボウズ製品を使ってこれらの体験をしてもらうことで、製品セキュリティに対する興味や理解を深めてもらうことができました。 インターン生からは「脆弱性報奨金制度に参加してみようと思った*1」「脆弱性を探すときの視点が分かってきた」などの感想が出ました!

詳しい内容は昨年の開催報告をご覧ください!(昨年と同様の内容を実施しました。) blog.cybozu.io

開発エリアでの作業風景フリースペースでの作業風景

作業風景

Cy-PSIRTの拠点がある上海、松山、広島、大阪とつないでランチ会を実施し、メンター以外の社員とも交流してもらいました。 リモートでも問題なくコミュニケーションがとれるというサイボウズらしいところも感じていただけたのではないかと思います。

リモートランチの写真
リモートランチの様子

インターン生の感想

インターン生の感想を一部紹介します!

QA品質保証に関しては大学の授業などで扱うことは少なく、また他の会社ではなかなかインターン生向けのプログラムが用意されていなかったので、今回はとても貴重な体験ができました。


大学では、個人で作業を行う事がほとんどだったので、チームで作業できて、沢山学ぶ事ができました。 メンターの方々と技術的な事から、会社の事まで様々な事を聞けて、インターンに参加する事ができて、とても実りのある1週間でした。


実際の会社の中で社内の雰囲気を感じながらのインターンでしたのでこの会社の魅力というものがとても伝わりました。これまで何社かインターンでお邪魔した会社の中でもダントツに社員同士の仲がよく、仕事中にも楽しそうな声が聞こえてきたりとこれまでの仕事のイメージをぶち壊すくらいに皆さんが生き生きとされておりました。


1週間と短い間でしたが、サイボウズ製品を安心して利用してもらうために取り組んでいる、品質保証や脆弱性対応を深く知ることができたと思っています。また、メンターの皆様に優しくフォローして頂き、わからないことや困ったことがあった時も、気軽に質問できる環境がすごく有難かったです。もっと、バグハント活動や警戒情報へのアンテナを高く張っておこうと思います!

まとめ

5日間の中で品質保証とセキュリティの両方を体験できる盛りだくさんなコースだったと思います。 学生さんが品質保証・セキュリティの業務を体験できる機会はなかなかないと思うので、ぜひ今回の学びを活かして今後も活躍していただけたら嬉しいです!

第一日程の集合写真第二日程の集合写真第三日程の集合写真
集合写真

*1:インターン生はサイボウズの脆弱性報奨金制度には参加できません。