チームワークあふれるAndroidコミュニティを目指して

こんにちは、kintone開発チームのモバイル開発担当の藤田です。

この記事では、サイボウズのAndroidエンジニアが「チームワークあふれるAndroidコミュニティ」を目指して始めた新たな取り組みについて紹介させていただきます。

経緯

私自身は2022年4月にAndroidエンジニアとしてキャリア入社したのですが、時を同じくしてキャリア入社されたAndroidエンジニアが複数名います。その結果、モバイルコミュニティとしてAndroidエンジニアが倍増する事になりました。

そのような状況の中、かねてよりモバイルコミュニティでは情報共有としての会議が定期的に行われていましたが、以下のような課題を感じていました。

  • 「共有」して終わりになることが多く、意味があるのか疑問
  • AndroidエンジニアよりiOSエンジニアの人数が多いせいか、扱う話題はiOSが多かった
  • 「共有」する人も限られた一部の人のみで偏りがある

前述した通りモバイルコミュニティにAndroidエンジニアが増えたこと、またサイボウズでは「チームワークあふれる社会を創る」を理念として掲げているのに、上記のような課題があるのは良くない、もっとモバイルコミュニティ、ひいてはAndroidコミュニティを盛り上げたいという想いで、Androidエンジニアで集まり議論しました。

新たに始まったこと 〜 合言葉は「チョルチャタンマ」 〜

議論の中で、それぞれ現状の情報共有について思うことや、やりたい事を話しました。
その結果、始まった取り組みが「Androidエンジニアのみで集まり雑談会を開催する」です。
そしてその雑談会のスローガンが「チョルチャタンマ」です。

「チョルチャタンマ」とは韓国語で切磋琢磨という意味です。
※メンバーに韓国出身の方がいたので、切磋琢磨は韓国語で何というか聞いたのがきっかけで決まりました!

雑談というと、ただ集まってたわいもない話をする事を想像してしまうかもしれませんが、新たに雑談会を実施するにあたり雑談会の目的や期待される効果を以下のように定めました。

  • 雑談会の目的
    • 会ごとにオーナーを持ち回り制にすることでAndroidエンジニアが主体性を持ち、切磋琢磨している状態を実現する
    • その状態を継続することで、Androidエンジニアリング水準の底上げとチームワーク向上を図る

  • 期待される効果
    • ホントの雑談や悩みの共有をして、エンジニア同士の信頼関係を築く
    • 雑談会を通じてさらに別のアクションが生み出されより切磋琢磨する状況を生み出す

やってみてどうだったか

雑談会をはじめて4ヶ月が経ちましたが、実際に雑談会からたくさんの取り組みが生まれました。 その生まれた取り組みについて紹介します。

  • Google I/O 2022 報告LT会

    前年までもGoogle I/Oの情報はキャッチアップしていましたが、有志が情報を調べて一箇所に集約する程度でした。
    今年はAndroidエンジニアも増えた事だし、Android雑談会という取り組みも始まったのでせっかくならという事で報告LT会を実施する事になりました。まさにエンジニア同士で切磋琢磨するいい取り組みだったと感じています。
    LT会の様子など詳しくは以下の記事からご覧いただけますので、併せてご覧ください。 blog.cybozu.io

  • Android情報のみ集約するウォッチスレの作成

    モバイルコミュニティで元々実施していた情報共有は、任意の人がkintoneのスレッドに情報を投稿し共有会の場で発表するスタイルでした。
    ただ、冒頭でも触れましたが、共有会で扱う情報にOSの区別はしてなかったので、iOSの情報が多いとAndroidエンジニアにとってはあまり意味の無い時間になってしまう場合もありました。
    そこで新たにAndroidの情報のみを集約するスレッドを作成し、そちらにAndroid関連の気になる記事など情報を集約するようにしました。これによりAndroidエンジニアに関係のある情報のみを参照できるようになりました。

  • Kotlin Coroutines入門勉強会

    Kotlin Coroutinesとは、非同期プログラミングの手法としてKotlin1.3で導入されたAndroidで使用できる並列実行のデザインパターンです。今では非同期実行する処理では当たり前の技術ですが、Kotlin Coroutinesは様々な機能があるので、その分知らないことも多いのではないかと思います。
    そこでAndroidエンジニアの有志で集まり勉強会を開催し理解を深めようという事になりました。
    有志と言っても都合がつく時はほとんどのエンジニアが参加していたので、これも「チョルチャタンマ」出来ているいい例かと思います。

    さて、勉強会は、以下のように進めました。
     1.Coroutines guideのセクションをいくつかに分けて1回の勉強会で扱う範囲を決める
     2.参加者は事前に勉強会で扱う部分を読む分からない部分などを挙げる
     3.勉強会では2.の内容をもとに、参加者で議論をする

    議論では各々が疑問に感じていることや、具体的な活用事例、他にこういう使い方はあるのではないかといった事まで幅広く話題となり、新たな知識も獲得出来た人も多いと思います。

勉強会のメモの一例
勉強会のメモの一例

  • DroidKaigi2022のセッション応募

    サイボウズはDroidKaigi2022のGOLDスポンサーとして協賛させていただいております。DroidKaigiを盛り上げる意味でもセッションへの登壇を目指して応募を積極的に行おうということになりました。
    Androidエンジニア同士でセッションで話すネタ出しから実際に応募するまでを、随時相談しながら行いましたが、中には初めて応募する人もいたので(私もその一人です)、経験者と一緒に相談しながら進められて良かったのではないかと思います。
    応募したセッションを見てみると、技術的な話から今回紹介しているようなAndroidコミュニティとしての活動の事まで様々な内容が出揃いました。 結果的に今年のプロポーザルの採択は叶いませんでしたが、また来年以降も応募して、サイボウズのAndroidエンジニアから登壇する人が出るようにしたいですね。

    検討で上がったセッション候補

    • チーム体制の話題(モブプロ、コードレビュー、チョルチャタンマ、採用関連)
    • WebベースのアプリでのCompose導入の話
    • エンジニアがPM取り組んでいる話
    • Dagger Hiltの話
    • アクセシビリティの話
    • Kotlin Coroutineの中身の研究成果を発表
    • WebViewなどの古くからの技術の苦労話など(今更聞けない的な)
    • gradle入門(仕組みとかプラグインとか)
    • Composeでの色、テーマ管理のベストプラクティス(エンジニア⇄デザイナーのやり取り含め)


  • DroidKaigi2022のスポンサー準備

    上記のセッション応募がひと段落したら、次はGOLDスポンサーとしての準備を始めました。
    準備はAndroidエンジニアが中心となって社内の支援チームやクリエイティブチームの方と協力して進めていきました。
    今年実施した主なスポンサータスクとしては

    • ノベルティグッズ検討(ノベルティはこちらでご覧いただけます)
    • 配布用チラシの内容検討
    • オフライン会場のブースで実施する企画の検討
    • DroidKaigiに向けてブログ執筆活動

    があります。

    Androidエンジニアが「スポンサー実行委員会」「ブース企画班」に分かれて、それぞれ割り当てられたタスクを進める方法を取りました。
    「スポンサー実行委員会」はチラシ作成、「ブース企画班」はオフラインブースでの企画検討やノベルティグッズ検討が主なメインタスクで、その他のタスクはAndroidエンジニアが全員で協力しあって準備を進めました。
    それぞれより良い内容にしようと業務の合間を縫って打ち合わせを重ねに重ね検討を進めましたが、これもひとえにDroidKaigi2022を盛り上げたい、サイボウズのAndroidコミュニティをもっと知ってもらいたいという想いから全力で取り組んできました。
    ですので、少しでも皆様にその思いを感じてもらえたら、我々としても嬉しい限りです!

    なお、個人的には一部のAndroidエンジニアからは一連のスポンサー準備が「学校の文化祭の準備みたいだね」という話しが出たのが印象的でした。 まさに「学校の文化祭の準備」感覚で、大変ながらも楽しく準備を進められたと思います。

miro上で様々な議論をしてチラシやブース企画を検討しました
miro上で様々な議論をしてチラシやブース企画を検討しました

  • Android界隈のニュースのRSSをSlackと連携

    サイボウズにはSlackのワークスペースがあります。しかし、モバイルコミュニティではkintone上でのコミュニケーションが主なやりとりとなっていたため、今ひとつSlackの活用がされてない状況でした。
    そこで、RSSを購読するチャンネルを作り、自動でAndroid関連のニュースが流れる仕組みを作りました。
    実は、これは私の前の職場で実施していた取り組みなのですが、能動的にニュースを見に行く事が減り、また全員が同じニュースを見れる、などのメリットがあります。
    今はAndroid雑談会で内容を共有するなどしているのですが、ゆくゆくはプロダクトチームでも何か活用するなど用途を広めていければと思います。

Kotlin BlogやAndroid Dagashi、Android Developer Blogの更新情報を購読中
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今後について

上記で紹介したように、Android雑談会が始まってから数ヶ月の間で様々な取り組みが生まれました。それだけでもAndroid雑談会を始めた意義があったかなと思います。
個人的には中途入社なので、他のAndoridエンジニアと定期的に交流する機会があること多くコミュニケーションが取れとても助かりました。 引き続き、Androidエンジニア同士で「チョルチャタンマ」していき、サイボウズのAndroidコミュニティを盛り上げて行きたいです。