QAエンジニアがプロダクトオーナーになってみた話

こんにちは、kintone フロントエンドリアーキテクチャプロジェクト(フロリア)Mira チームで QA エンジニアをしている zono です。

私は 2022 年 5 月頃から約 2 年間、Mira チームで QA エンジニアとプロダクトオーナーを兼務しています。サイボウズでは数年間 QA エンジニアとして働いており、今回初めてプロダクトオーナーという役割を経験しました。

この記事では、どういうきっかけでQAエンジニアがプロダクトオーナーになったのか、どのような活動をし、どういった学びがあったのかを紹介していきます。

プロダクトオーナーはじめの一歩

前任のプロダクトオーナーが退任したのをきっかけに、新たなチャレンジをしたいという思いから、プロダクトオーナーになることを決意しました。

最初はまさか自分がプロダクトオーナーになるとは思ってもいませんでしたが、チームメンバーからの後押しもあり、QA エンジニアと兼務でプロダクトオーナーをスタートさせました。

知識ゼロからのスタートだったので、プロダクトオーナーとしての知識をつけるため、まずはプロダクトオーナーの役割を学んだり、スクラム開発全般について学び直しました。

スクラムマスターの方からおすすめされた、認定スクラムプロダクトオーナー研修を受けて、一般的なプロダクトオーナーについて学びました。この研修を通して、自分の中で、チームでどういう振る舞い方をするべきか考えるきっかけとなりました。

ちなみにサイボウズでは、業務に必要な書籍や研修費は全額補助が出ます。

プロダクトオーナーとしての活動

マイルストーンの設定

プロダクトオーナーとしてまず初めに行ったことは、マイルストーンの設定です。

これまで大きなゴールのみ漠然とある状態で、その間の具体的なマイルストーンがありませんでした。振り返ってみると、ちゃんとゴールに向かっているのか分からない状態だったなと思いました。

そこで、クウォーターごとのマイルストーンを明文化し、短期的なゴールを策定しました。

作成したマイルストーン
作成したマイルストーン

健全に開発を続けられるように

また、長期的な目線でチームやプロダクトにプラスになることはやっていこうと考えました。

日々刷新業務を行うだけではなく、リファクタリングや、改善したいことなどもプロダクトバックログアイテム(PBI)へ登録し、ある週は改善スプリントを開催するなど、健全に開発を続けられるようにしました。

他、日々の活動

他にも、刷新するページの順番の検討、他チームとの調整、リリースのタイミング調整など、プロダクトオーナーとしての活動は多岐にわたりました。

ページがリリースされると、お客様からフィードバックが来ていないか、不具合の問い合わせが来ていないか、なども注意深く見ています。

Mira チームではスウォーミングを取り入れているため、毎日の朝会で、優先度が最も高い PBI の決定と、キャプテンの任命をプロダクトオーナーが行っています。

キャプテン任命の際には、チーム全体としてどうすれば最大限の成果を出せるのかを考えています。例えば、新しく入ったメンバーがいる場合は、そのメンバーをキャプテンに任命し、分からないことがあれば質問しやすくするなど工夫しています。

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気付いたこと、得られたこと

QA エンジニアがプロダクトオーナーになってみて、気付いたことや得られたことがいくつかあります。

QAエンジニアの経験が役に立った

まずは、意外にも、QA エンジニアとしての経験が活かせた点です。

例えば今回、テスト仕様書を参考に PBI を作成するという試みを行いました。

テスト仕様書には細かな仕様が記載されており、仕様が明らかになっている状態で PBI を作成していたため、その PBI での刷新の範囲が明確になったり、実装漏れが発生しそうな仕様を PBI を通して開発者に共有できたりと、効率的に開発を進めることができました。

チーム全体を見る力が身についた

また、どうすればチームがゴールを達成できるか、どうすればチームが成長できるか、という視点を持つことができました。

Mira チームでは、自分たちで自律してゴールを決め、スプリントのゴールを達成できなかったら振り返り、次のゴール達成を目指すループで日々刷新を行っています。

ゴールの達成が連続で続かなかったときに、メトリクスの導入をチームにいるスクラムマスターにお願いし、メトリクスを見ながら改善を行うこともありました。

以下は最近チームに導入されたバーンダウンチャートです。毎朝朝会でバーンダウンチャートを見て、予定よりも 30%の遅れが発生していたら、何かしらの対策を打つようにしています。

バーンダウンチャート
とあるスプリントのバーンダウンチャート

技術的な知識の幅が広がった

技術的な知識で分からないことがあると、チームメンバーに教えてもらったり、自分で学習しました。

QA エンジニアだけをやっていた頃と比べると知識の幅が広がり、プロダクトオーナーの経験をQA業務にも活かしていけるようになりました。

おわりに

今回、プロダクトオーナーという未知の領域でしたが、チャレンジしてみたことで、自身のスキルや知識の広がりを実感しました。この経験は、サイボウズの QA エンジニアの新たなキャリアパスを示すことができたのではないかと思います。

今後も引き続き、チームやプロダクトに貢献していきたいと思います。

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