サイボウズエンジニアの職場環境 @ 2016

山本泰宇(@ymmt2005)です。今回はサイボウズエンジニアの働く環境を詳細にご紹介します。

働く場所

サイボウズの開発拠点は現在国内外に 5 箇所あります。

オフィスで働くのが基本ですが、サイボウズには自分の好きな時間・場所で働けるウルトラワークという制度があるので、自宅や実家で働くことも可能です。どの程度可能かというと、

  • Amazon から宅配便が届くから、
  • 雨・雪が降っているから、
  • 電車が混んでいて乗りづらいから、
  • 急に子供が熱を出したから、

といった様々な理由で、連絡一ついれれば在宅勤務できます。後述する社内情報システムを活用することで、在宅でも開発業務や社内会議への参加が可能です。

働く時間

開発・運用のほとんどのメンバーは裁量労働制で働いていますので、働く時間は深夜帯を除けば原則自由に変更できます(深夜帯は深夜勤務手当てがでる関係で、事前申請と承認が必要)。とはいえ、通常は何時から何時まで(例: 8 時 〜 17 時)働くつもりかチームに共有して、通常と異なる場合は連絡するようにしてもらっています。

コアタイムは特にありません。チームのミーティング時間で実質束縛されるというケースについては、チームごとに相談してもらっています。全社で毎日朝会、といったことはありません。

実際に働く時間を観察すると、ほとんどの人が 8 時 〜 10 時に出社して、17 時 〜 20 時に退社しているようです。急用で午後から出社とか、早めに帰るといったことも当然可能です。

机・椅子・PC

東京オフィスの設備を例にとると、開発・運用ゾーンの机にはブーメラン型のデスク、椅子にはコクヨのベゼルを導入しています。

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PC は標準機を情報システム部にて設定し、原則としては標準機を配布しています。標準機では満たせない要求(例えば高性能 GPU 搭載機)がある場合は、標準機以外のものも調達可能です。現在の標準デスクトップ PC のスペックは以下の通りです。

部品 スペック
CPU Core i7 6700 (4 コア)
メモリ 16 GiB 32 GiB (2017年版)
ストレージ 256 GB SSD + 1 TB HDD 512 GB NVMe SSD (2017年版)

通常の開発であれば必要十分なスペックにしています。開発以外の事務職であっても全く同じスペックの PC が支給されています。

標準モニターは Dell U2415 で、2 枚までなら無条件で支給されます。モニター、キーボード、マウス(トラックボール)は申請すれば希望のものを購入してもらえます。ちなみに私は Realforce + Kensington SlimBlade を使っています。

また、社員はひとり一台 MacBook か Windows のノート PC も与えられます。全社員がノート PC を持っているので、ハッカソンや開発合宿などがやりやすい環境です。

PC 類は購入から 3 年経過すれば無条件で新しいものに交換してもらえます。全社で共通の標準機や交換ルールを設定することで、不公平感がでないように努めています。

まとめると:

  • 広いデスクと良い椅子
  • デスクトップ PC は 4 コア CPU + 32 GiB メモリ + 512 GB NVMe SSD
  • モニターは 24 インチ 2 枚
  • 全社員ノート PC 所持
  • 購入から 3 年経過で無条件交換
  • キーボードやマウスは申請すれば希望のものを支給
  • 上記以外のケースでも業務上必要であれば柔軟に対応

社内情報システム

サイボウズは国内国外合わせて 600 名ほどの規模ですが、内外に多数のオフィスを構えています。また、ウルトラワークのように時間・場所を問わず働ける制度を推進しているため、それを支える情報システムの提供は頭が痛いやりがいのある仕事です。

拠点間のコミュニケーションや在宅勤務を支える情報システム群を紹介します。

自社グループウェア

cybozu.com をもちろん大活用しています。社外からでも TLS クライアント認証でセキュアに利用できます。特に kintone は開発業務に不可欠で、要件・仕様・タスクの管理やオンラインの議論などに活用しています。

Cisco TelePresence ビデオ会議システム

各拠点の会議室に Cisco のビデオ会議システムが導入されています。大きな会議室には天井に高感度マイクが設置されていて、部屋のどこで話しても相手にクリアに音声が伝わるようになっています。また、Jabber というクライアントを利用して社外からでもビデオ会議に参加することができます。

大阪と東京の会議室をつないで多拠点で勉強会を開催したり、有給休暇中だけど面白そうな勉強会に自宅から参加、なんて使いかたもされているようです。

VPN & VDI

多重の認証で保護された VPN アクセスが提供されます。在宅でも普段使っている開発環境にアクセスして開発業務をすることが可能です。また、仮想デスクトップインフラ(VDI)も提供しており、社内に PC を持たない人でも在宅で各種業務ができるようになっています。

開発用ソフトウェア

GitHub 便利ですよね。サイボウズでは GitHub のオンプレミス版である GitHub Enterprise を導入しています。この記事も、社内 GitHub のプルリクエストでレビューしてもらっています。

BTS/ITS は GitHub Issue では力不足なので kintone を使っています。GitHub のプルリクエストと kintone のレコードを自動でリンクするブラウザ拡張を作ったので、スムースに連携できます。

使用言語はチームによってまちまちですが、Java, JavaScript, Swift, C/C++, Go, PHP, Python が主に使われています。インフラまわりは最近 Go と Java での開発比率が高くなっています。

エディタは IntelliJ IDEAを利用する人が最近は増えています。他は VisualStudio, Emacs, Vim といったところです。

継続的インテグレーションには Jenkins と Drone を使っています。特に Jenkins は重宝しており、SlideShare でノウハウを公開しています。

あと最近、各種アーティファクトの中央管理サーバーとして Artifactory Pro を導入しました。既に自作の Debian/Ubuntu パッケージ管理サーバーとして活用していますが、今後さらに活用範囲を広げていくつもりです。

開発用共有サーバー

開発用の共有サーバーは用途に応じて複数の種類があります。

VM サーバーファーム

VMware で統合管理されるサーバー群です。開発チームが自由に VM を作成して利用できます。リソースが足りなければ情報システム部が適宜サーバーを追加してくれます。

何にでも使えるのですが、Windows Server やクライアントを動作させることが多いでしょうか。

開発用データセンター

cybozu.com の本番環境と同様のネットワークやサーバー構成を備えたクラウドインフラです。IaaS の一種と考えていただいて構いません。AWS や GCP のような汎用性はなく、自社製品を動かすことに特化しています。

こちらでも自由に VM や高可用ストレージを作成することができますが、作れる VM の種類は限定されています。主に、自社製品の品質保証に利用しています。脆弱性報奨金制度の試験環境もこちらで構築されています。

性能が必要なケースなどでは、VM ではなく実機を占有して利用することも可能となっています。

AWS / GCP

Selenium テストで大量のクライアントが必要な場合は GCP のようなパブリッククラウドを利用しています。

勉強や研修の機会

業務時間中に多数の勉強会が開かれています。下の画像は kintone のスペースを「勉強会」で検索したものですが、出ているのはほんの一部です。毎日何かしら開催されていますが多過ぎて実態は良くわかりません。

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社外の勉強会にも言えますが、勉強会に良くでる人も、そうでもない人もいます。出る出ないは各人の判断として尊重されますので、出ないから(出るから)と非難されるようなことはありません。

サイボウズ社内を会場として、社外の方に公開された勉強会も開催しています。最近では、東京、大阪、松山の各拠点で以下の勉強会を開催しました。

技術書は非常に簡単な手続きで購入してもらえます。運用本部の場合は、kintone のスレッドに希望の図書名を書くだけです。購入手続きはアシスタントの方が代行してくれるので、待っていれば自席に届きます。

業務上の必要性があればですが、海外のカンファレンスにも毎年誰かしら参加しています。最近だと Percona LiveKafka SummitDreamforce などです。

制度と風土

先述したウルトラワーク以外にも以下のような制度があります。

  • 自由に副業が可能

    会社の名前を利用する場合は申請が必要ですが、無関係の場合申請不要です。

  • 最長 6 年の育児休業

    男性でも数ヶ月の育児休業をとるケースは頻繁に見られます。

  • 働きかたをいつでも変更可能

    子供が産まれたら短時間勤務にし、手がかからなくなったらフルタイムに戻るといったことが自分の意思で選択可能です。

その他色々ありますので、詳しくはこちらのページをご覧ください。

社長の青野いわく「企業のワークスタイル変革は、ツール、制度、風土の3要件に取り組む必要がある」とのことで、これらの制度を活かせる風土作りも重視しています。

オープンソース活動

当社製品・サービスの開発には多数のオープンソースソフトウェアを活用しています。当社も多くはありませんが、以下のようなソフトウェアをオープンソースで公開しています。

今後もオープンソースソフトウェアコミュニティの良き一員として、積極的に活動していくつもりです。

一緒に働きませんか?

以上、2016年現在のサイボウズエンジニアが働く環境について紹介しました。

サイボウズでは成長中のクラウドサービスを開発するエンジニアを積極的に採用しています。業務の内容については、以下の記事もあわせてお読みください。

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