この記事は、CYBOZU SUMMER BLOG FES '26の記事です。
皆さま、こんにちは!サイボウズ株式会社 開発本部でkintone開発チームのエンジニアリングマネージャ(以下、EMと訳します)を担当している松浦と申します。
今回のブログフェスでkintone teamのトップを務めさせていただきます! サイボウズに入社して約半年という中で、入社からの活動内容や今後の展望を語っていきたいと思います。

この記事から得られること
- サイボウズの雰囲気、カルチャーがつかめます。
- (サイボウズに限らず)EMとして転職した時の入り方や、マネジメントの観点・活動事例を得ることができます。
今までの経歴
大手SIer、バックオフィス系SaaS、ヘルステックSaaSでの経験を経て、2025年11月にサイボウズ株式会社に入社しました。エンジニアとしてキャリアを開始し、その後はPJM、PdM、EMと役割を広げながら、開発組織とプロダクトの成果最大化に取り組んできました。
得意なのはプロジェクトマネジメントですが、目下一番楽しんでいるのは、ラインマネジメントです。
サイボウズに入社から特に意識したこと
カルチャーの理解と周りの行動、自分の行動を線で結ぶことを考えました。
サイボウズは企業理念から、それを実現するための人材要件までしっかり情報がつながっており、構造的にわかりやすい状態にはなっています。一方で、もちろん抽象的な内容でもあるため、解釈が様々になってくるものでもあります。事実と自分の解釈を切り分けて考えていく必要があります。

例えば、自主自律という言葉があったとして、「何事も自分の中で成立させないといけない」という意味に捉えるのと、「自分が当事者意識を持って前に進めていく」と捉えるのとでは、おのずと行動が変わってきます。 行動事実と自身の解釈をセットでメンターと意識を合わせていき、まずは会社に馴染むというところからスタートしました。
マネージャとしてのミッションと最初の課題抽出
私の入社時のミッションは「kintone内の一部領域(システム管理者が利用する機能)の開発チーム成果最大化」と上長から伝えられていました。 チームはプロダクトエンジニア3名、QAエンジニア1名という構成され、状況把握するには程よい規模のチームであることもあり、 まずは、チームにしっかり入って現場の解像度をあげること、成果最大化の課題を見つけるということからスタートしました。
その中で見つけた課題とは「短期的な活動としては進むものの、このままであればチーム自体が変わっていかない」目の前の作業に全集中しているという状況でした。いわゆる「現状維持は衰退なり」の考え方ですね。
課題を打破するためにやったこと
過去経験から、個人の目標設定とEMの伴走が必要なことがわかっていましたが、課題をいきなりチームにダイレクトに持ち込んで、やるぞ!と言っても周りはなかなか動いてくれません。私がこれまで見てきたエンジニアは目標設定に前向きとは言いづらいメンバーが経験則上多い印象がありますが、今までやらなくてよかった目標管理に対して前向きに取り組んでもらう必要があります。
※サイボウズでは目標を定めることを推奨はされているものの、MUSTではなくマネージャの裁量に任されています。
そのため、Stepを踏むことを考えました。
1. チームメンバーとの相互理解
まずは、自分のスタンスを開示しました。こういう考え方の人なんだな、、ということをインプットすることで、相手側もそれを踏まえたコミュニケーションを考えてくれます。サイボウズの中には「多様な個性を重視する」というカルチャーがあり、周囲の協力があったことも馴染むスピードを速くしてくれた要因だと考えています。

また、メンバーとの1on1では以下を中心に話し、メンバー個人の視点から見た理想や課題の解像度をあげていきました。
- チームに対する課題感・気になっていること
- ご自身の野望!サイボウズで、成し遂げたいこと・興味のあること
2. チームの理想をつくる
前述の1on1で話したものから、自分も含めたみんなの理想と課題をあわせていきます。私のチームでは、「領域が広すぎていつも一から調査を始めている」という状況で、強みがない、貢献実感の手ごたえを感じにくいという課題を抱えていました。
開発の活動を「価値のあるものを早く市場に出す」ことを前提として、「専門領域を作り、kintone開発への貢献を深める」ことを決めました。
また、チーム活動の軸を定めるために、MVVを作り通常のチーム活動の軸を定めるようにしました。

3. 理想に向けたチーム活動の明確化
自分達の「専門」に注力するには専門以外の部分の割合を減らす必要があります。 自分達の持ち物を整理して、コードの削除や他チームへの移譲を進めました。
単なる移譲だけを目的としてしまうと自チームは良いものの、kintone開発全体の視点では単にチーム間で稼働が移っただけとなるため、移すことでの意義を丁寧に他チームと話して移譲すること、移譲に不足しているものがあれば提供するということを進めました。
上記は施策の一例ですが、このようにチームの活動の軸をいくつか決めて言語化することで、チームの向かう方向がクリアになっていきました。大事なのは、目的といつまでに何をするか、どういう状態にするかまでの記載に留めて、どのようにやるかはメンバーの裁量に任せていきます。
4. チーム重点施策に関連した個人目標管理の仕組みづくり
ここまで来たら、次は個人目標に落としていきます。ここはメンバー主体で行っていただいています。チームの活動の軸と一緒で、いつまでにどういう状態にするか、それによって誰が嬉しいかを書きます。
チームの活動に沿おうとすると、それを無理に目標にする人もいます。サイボウズ社内では「人の活動は自分の理想に向かって行動する」とよく言われるのですが、全くその通りで、興味のない目標を進めようとすると結果的にチームの生産性が落ちていきます。そのため、表情を見ながら「それってテンションあがる?やって楽しい?」とか「やってても苦じゃない?」とか「達成感得られそう?」とか、その目標に個人の志向が本当に向いているかを細かく確認していきます。
また、目標は定めたら終わりではありません。やっていくとわかることがあったりして当初定めた自身の活動の軸がぶれたり、優先順位が高いものが生まれたりするので、定めた活動の軸に沿って定期的に振り返り、軌道修正する必要があります。定められた目標を達成するとかしないではなく、成果を出すための自分の羅針盤と位置付けていて、その方角は必要があれば変更すべきと伝えています。
確実に成果を上げるために、月次でじっくり振り返る時間を設けて、EMからの支援を行う形としています。達成に向けた行動や行動に至る背景・思考を深ぼっていくことで、未来の行動の再現性につながり、チームの成長につながると考えています。
今後の展望
今は自身の持つ担当チームの成果最大化にコミットしていますが、kintone開発全体のインパクトを高める活動にシフトをしていくことを考えています。そのためには、チームへの関与を減らし、移譲していきながら自分の領域を広げていくことが今一番大切だと感じています。
kintoneは製品特性上、機能間の依存が密で複雑な面もあり、どうしても関連する人数が多くなりがちで、過去からの知見を持っている人に依存しがちな部分があります。
今後成長を続けていくためにも、どのように開発メンバー全員の力を増幅させるか、プロダクト、人材、開発の3面から課題抽出、解決に繋げていきたいと考えています。
さいごに
私の担当をしているkintoneは、プロダクト規模も開発組織もどんどん大きくなっています。この3年間で開発組織の在り方も大きく変わっていますが、課題は山積みです。今は次の3年間を作る重要なフェーズで、大規模プロダクトに携わることができる、自分自身もマネージャとしての成長を感じることができる環境だと実感しています。
是非とも、サイボウズの取組に興味のある方はカジュアル面談でお話しさせていただければ嬉しいです。