ほんとに開発できるの?・・・と心配された私たちがオペレーターの枠を超えてみた

先日公開した記事「理想のプロダクトを作るために利用者が開発チームの一員になった話※」では、販売管理オペレーターが開発チームの一員となったことで、より良いシステムの開発につながったことを紹介しました。今回は、その「オペレーター」側の2名にインタビューし、開発チームの一員になった際の周囲の反応や今後の野望など、前回の記事では触れられなかった裏話をご紹介します。

今回インタビューを行った「オペレーター」2名を紹介します。

登場人物(志村香苗)
志村香苗

志村 香苗
営業本部 業務部 BLT グローバル営業支援
開発本部 Clara

登場人物(浜田じゅり)
浜田じゅり

浜田 じゅり
営業本部 業務部 BLT グローバル営業支援
開発本部 Clara

☆開発本部が販売管理システムを開発し、営業本部が販売管理システムを利用して販売促進しています。
☆Claraとは、オンラインストアと販売管理システムを開発するプロジェクトです。 オンラインストアというのは弊社のクラウドサービスであるKintoneやその他関連サービスを、顧客(Kintoneのユーザー)が購入するためのシステムです。 もう一方の販売管理システムとは、クラウドサービスの売り手として受注・見積・請求などを行う弊社のオペレーターが受注管理などを行うためのシステムです。 いずれも海外市場向けに開発されています。

Claraの相関図(開発者とオペレーターとユーザーの関係性)
Claraの相関図

今までの業務について

現在お二人は、営業本部と開発本部の兼務ということですが、今まではどのようなお仕事をされてきたのでしょうか?

浜田:入社当初はテクニカルサポートで顧客からの問い合わせ対応をしていて、その後、地方向けの広報担当としてイベントを実施したりCMを作ったりしていました。今は営業本部で、代理店経由でお客様に適切なサービスを選定して案内したり、その内容にあった見積を作成したり、セミナーなどの日程調整、カタログ発送、営業案件の担当者への割り振りなどの営業アシスタントをメインでしています。

志村:私も営業本部で日本国内向けの営業アシスタント業務と、海外向けにClaraを利用して受注処理や見積作成、請求処理などの販売管理オペレーター業務を行なっています。

開発チームに入ったきっかけ

お二人が販売管理オペレーターと開発者を兼務することになったきっかけは何ですか?

浜田:Claraチームが社内の人員募集説明会で「興味があれば、誰でも大歓迎です!」と言っていたのを真に受けて、気軽な気持ちでチームに参加しました。希望すれば短期間でも他部署を経験できる「大人の体験入部」という制度があるので、それを利用しました。実際チームに参加してみると、やったことのない分野だったので、新鮮でおもしろかったですね。チームメンバーも本当に優しくて、気配りもあって、気軽になんでも教えてもらえて。この素敵な仲間たちと、仕事がしたいと思ったのが一番の要因ですね。

志村:私はオペレーターとしてClaraを利用していました。利用しているシステムをもっと知りたいと思ったので、体験入部からはじめました。チームに参加して、実際のお客様の受注処理をするなかで、イレギュラーな処理が発生したときなど即時に相談や確認ができる上、オペレーションしやすくなるような改良の要望まで聞いてもらえたりと、オペレーターとしてのメリットが多くありました。そのため、正式配属を希望しました。

周囲の反応

そうはいっても、今までと全く違う分野へ異動されるわけですが、営業本部からはどんな反応がありましたか?

浜田:まず、冗談だと思われました(笑)

志村:私は異動希望のヒアリング時に結構厳しい感じで、「兼務するまで必要なの?」と何度も確認されましたよ。直属の上司にも「気持ちはわかったけど、開発本部に迷惑かけないの?」と心配されました。

浜田:サポートや広報、営業などサービス的な業務しかやったことがなく、今まで接点のなかった開発に興味を持った自分自身にも驚きました。自分で大丈夫かなって思っていましたよ。

志村:私は何も考えていなかったですね。なんとかなるかなーと軽く思っていました。(笑)

浜田:確かに。今までもなんとかなってきましたよね。

志村:でも、営業のチームメンバーは本当に驚いていました。私たちが同時に兼務することで業務量的にも不安はあったと思います。

浜田:そうですね。開発も営業も 「おいでよ!」「行ってらっしゃい!」というわけではなかったと思います。私たちが自分のわがままを貫いただけですね。

兼務することのメリット

実際、販売管理業務を利用する立場と開発する立場を掛け持ちすることになっていますが、 そのメリットってありますか?

浜田:開発本部のチームから一番に言われたのが、チームが明るくなった!・・・・でしたね。(笑)最初は私たちが参加することで、足手まといになっているだけなのではないかと心配していたけど、開発チームからはありがたいと言われて驚きました。利用者の目線や意見をそのまま伝えることで、仕様検討や改善提案などにうまくフィードバックできているんだと思います。開発する側は不足している機能を追加することに目を向けがちですが、既存機能のUIを修正するだけでも利用者のオペレーションミスを減らして、利便性を大きく向上させられることもあります。たとえば、私たちの提案で文字の表示を単純に大きくしたり、色を変えたりすることを実装してもらい、他の利用者からも「ミスが減った」「操作しやすくなった」と喜んでもらえました。これは嬉しかったですね。

志村:私は、販売管理システムを利用する上での小さなストレスを開発本部で相談して、解決まで導いてもらえるようになりました。また、自分の要望が実装され、それを自分で試験して実用化されていくことに感動しています。開発者とオペレーターとの間には、どうしてもコミュニケーションの壁があって・・・実現したいことのニュアンスが伝わりづらいこともあったけど、中に入ることによって今までよりスムーズに意思疎通ができるようになったと思います。

浜田:確かにオペレーターの中には海外の人もいるから時差とか、立場とか・・・いろいろありますよね。

志村:先日、PGから「実装したこの機能、本当に使われているの?」って言われて・・・「めちゃめちゃ使っていますよ!」と使用用途を伝えて、「実装してよかった(無駄じゃなかった)」と言ってもらえたのは嬉しかったですね。実装された機能に対して、その有用性や現場の声を直接伝えられるのはよかったと思います。現場の実情を伝えることで、こちらの要望よりさらによい提案をもらえることもあります。間違いやすいUIの改善を要望した時に、ミスが多いのならダイアログで注意喚起する方がいいのではという提案をもらって、その機能が実現されたこともあります。

兼務することの苦労やデメリット

そうはいっても、全く異なる業務ですから、苦労やデメリットもあるのではないですか?

浜田:何と言っても、知識不足!本当に、開発や試験に関する知識が乏しくて。私この会社に入って13年目ですが、会話に出る言葉の意味がわからないなんてはじめてです。(笑)

志村:体験入部の時はできることをわかる範囲でやらせてもらったけど、できることややれることが広がるほど、わからないことが増えてきますね。これから先はもっと苦労するのかなーと。今はまだ苦労までいっていない気がしています。

浜田:後は、兼務なので、業務のバランスですね。最初は、どう時間配分するかわからず無理しすぎて、泡吹いてました。(笑)

志村:販売管理システムのオペレーターとして、どこまでの領域を知っておけばいいのかの匙加減が今一番苦労しているところですね。本来の目的である利用者としての目線を大事にしたいので、その立場で知っておくべきこと、知らなくてもいいことの線引きが難しいなと感じています。ただ、オペレーションの中でお客様の環境でエラーなどが起きた時に、テスト環境で再現してその原因などを調査することが大事だと思うので、幅広い多くの知識は持っていたいですね。

今回の執筆者2名の写真
向かって左が志村、右が浜田

今後の野望

お二人とも兼務することで、幅広い視野を持たれると思うのですが、今後目指すところは?

志村:私の最終目標はQAエンジニアになることではなくて、海外市場での販売管理のオペレーションを効率化するなど最適なフローを構築することですね。

浜田:私はエンジニアとしての知識は身につけていきたいと思っています。グローバルな販売管理システムは面白いし、今後社内でも大きく展開していくと思います。販売管理の業務はまだ手作業な部分も多いので、販売管理システムの効率化に携わっていきたいです。

志村:Claraという販売管理システムの社内認知度は低く、関係者も少ないけれど、製品をグローバル展開するためには必須なシステムだと思っています。今後も、今のチームメンバーで利用者の目線を大事に、システムを作り上げていきたいです。

浜田:是非是非、やりましょう。まだまだ勉強することたくさんですね。(笑)