大阪にもCy-PSIRTあり

まいど! Cy-PSIRT(Cybozu Product Security Incident Response Team)の長友(@naga_hito)です。
今年1月、私が大阪に異動し、なんと大阪にもPSIRTができました。これで国内3拠点、国外拠点を合わせるとなんと5拠点(東京・大阪・松山・上海・ホーチミン)にPSIRTができたことになります。私が入社したころ(3年前)は東京・上海にしかPSIRTはなかったので、当時では考えられなかった大所帯です。
この記事では大阪拠点に異動したことで感じたリモートチームでの働き方について書いていこうと思います。

異動のきっかけ

体力がそこまでない私にとって「出社」というイベントはどうしてもつらく厳しいものでした。朝は眠いし、駅は混んでるし、満員電車に押し込まれるし、なにもいいことがありません。出社時間の変更など、対策をいくつか講じて多少は楽にはなりましたが、それでも厳しいことには変わりがなくどうしたものかと考えていました。そんな時「大阪はいいぞ」との声を社内外から聞きました。そもそも大阪は私にとってゆかりのある土地です。前々から行ってみたいとは思っていたので、大阪拠点に異動したい旨を上長やチームメンバーと相談しました。それから数カ月後、ひとまずトライアルで2週間ほど大阪で勤務しました。
結果、問題なく働けそうだということを確認したうえで正式に大阪オフィス異動となりました。

リモートチームは一日にしてならず

もともと私は年に何度かオフィス以外の場所で仕事をしていましたし、なにより松山や海外のメンバーとも働いているし、大阪行っても大丈夫でしょう、困ることなんてないでしょう、と楽観的に見ていた部分がありました。しかし大阪に移って今更ながら気づいてしまいました。「リモートチームは一日にしてならず」だと。
遠く離れた拠点同士で働くようになっていくつか困った事態が発生しましたので、それぞれ実例を挙げながらお話していこうと思います。

相談事どうしよう

これまで東京拠点で働いていた時、困りごとや相談したいことが発生した時はチームメンバーにすぐ口頭で直接相談していました。けれど今は大阪です。チームメンバーは私以外に誰一人いません。困りました。誰にも直接口頭で尋ねられません。
口頭で聞けないならチャットや画面越しで聞けばいいじゃない、ということでチャットやテレビ会議を使って解決しました。ちょっとした相談事はほとんどチャットで済ませています。
最近、iPadを日本国内のそれぞれのチームに設置し、常時テレビ会議が接続されている状態を実現することができました。これで、以前東京拠点にいたときのように気軽に話しかけることができるようになりました。
また、ちょっとしたわからないことをkintone上の「分報 *1」に書いておくと、チームメンバーに限らず、詳しい誰かが回答してくれることがあり、とても助かっています。JavaScriptの書き方やテレビ会議システムのTips、食べこぼしをしたときの染み抜きのおすすめなど、詳しい人はどこかにいるものです。
腰を据えて議論したい内容は事前にkintoneのアプリやスレッドでアジェンダをまとめておき、関係者を集めてテレビ会議をするようにしています。こうしておくと議論が迷子になりにくいですし、関連する内容について事前に調べておくこともできます。これは以前からやっていたことではあるのですが、結構重要だと異動して改めて感じました。対面で話したり仕事したりしているわけではないせいか、なぜか抜け落ちてしまう情報が生まれてしまうことがあります。議論の前提を事前に埋めておくことで、抜け落ちかけているちょっとした情報を事前に調べておいたり、打ち合わせの間に拾い上げやすくなっているような気がします。

レビューどうしよう

たとえばドキュメントやブログ、脆弱性報告へのお返事など、Cy-PSIRTは対外的な文章を書くことが多いチームです。そのため、文章を書いたら複数名にレビューを依頼する、というのが基本になっています。ただどうしても忙しい時期になるとだれもレビューに手が回らない、という事態が発生してしまいます。
困ったなあ、と考えていたら他のチームがモブプログラミングをしていることを思い出しました(参考:他のチームを体験する「モブプロ開発合宿」を開催しました - Cybozu Inside Out | サイボウズエンジニアのブログ )。これは使えそうな気がしたのでPSIRTメンバーのスケジュールを押さえ、その時間で全員で同時にレビューしてもらうことにしました。モブプログラミングならぬモブレビューです。すると、かなり時間がかかりそうだと思っていたことが数時間で終わってしまいました。これがきっかけかどうかはわかりませんが、PSIRT内では複数名で作業することが増えました。

声かけていいかわからない

同じ物理オフィスにいると忙しそうかそうでもなさそうか、場の雰囲気的に発言していいかよくないか、みたいなところがおおよそ見てわかります(もちろん、わからないこともありますが)。けれどテレビ会議やチャットではそのあたりの情報がどうしても抜け落ちてしまい、距離感や空気感がつかみづらくなる印象があります。そのため「今私は発言していいのだろうか」「今声かけていいのだろうか」という疑問が発生してしまいます。困った。
これを解決するためには、とりあえず話しかけてみるのが一番でした。空気がよくわからなくてもとりあえず話しかければなんとかなるというのが個人的な印象です。これができたのは、忙しいときは「ごめん無理です」とお互い言い合える関係になっていた、というのが大きいかもしれません。

大阪事情

ここからは、リモートという話を離れて大阪拠点で働くことについてお話をしようと思います。

拠点について

大阪の開発・運用にかかわるメンバーは様々なロールのメンバーがいます。kintone開発、クラウド運用、Neco、情シスなどなど、本当に様々です。また、オフィスの規模が東京拠点よりも小さいため、開発以外のメンバーと関わりを持つ機会が増えました。営業やシステムコンサルティングといった様々なバックグラウンドを持ったメンバーとお弁当やスイーツを食べながら話をしていると、いろいろと見えてくるものがあって面白いですし、なにより仕事が進めやすくなったと感じています。 「カフェ部」という社内の部活動でおいしいコーヒーや紅茶とスイーツをみんなでいただくというイベントが不定期に開催されるのですが、参加するととても幸せな時間を過ごせます。

カフェ部の風景
カフェ部の風景

勉強会について

東京より頻度は少ないです。以下に「セキュリティ」で検索した例を挙げます。

アツさに関しては東京と変わりませんでした。ただし、待っていても情報は全く来ないので、自分で情報を集めたり咀嚼したりする力は東京にいるときより必要になったという印象です。
また、東京の拠点で実施される外部の勉強会を、主催の方のご厚意で大阪オフィスと中継して実施することができました。大阪にいるとなかなか聞けない話が聞けて非常に面白かったです。今後もご依頼いただければ各拠点間の中継を前向きに検討したいと思いました。会場の貸し出しについて詳しく知りたいかたはこちらをご確認ください。

おわりに

働きたいところで働けてとてもうれしい反面、いろいろとお困りごとが発生しています。これからもひとつひとつ解決しながらすすめていきたいと思います。 サイボウズではリモートチームでも楽しく働けるメンバーを募集しています。詳しくはこちらをご確認ください。

*1:「今やっていること」や「困っていること」「考えていること」などを思いついたタイミングで書いておくこと。イメージとしてはTwitterのような感じです。